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このオレンジ色の物体はなんなのかというと、NP-F970というソニーのビデオカメラ用バッテリーの互換品です。ビデオ界隈ではこのようなソニー規格のバッテリーがさまざまな周辺機器で流用されているらしく、うちにあるLEDビデオライトのYONGNUO YN600 AirもNP-F970対応品です。

つまり、‟YN600 Airのレビューを掲載している当サイトはこのバッテリーのテストができる”ということで、近頃、製品プロモーションに力を入れているVemicoさんから声がかかったわけです。

しかし、バッテリーって「充電できました!」「問題なく使えました!」以外になにをレビューすりゃいいんだろう……としばらく悩んだ結果、商品写真をいつも以上にていねいに撮ってみる、というコンセプトで記事を作成してみました。とはいっても、立派な撮影ブースもないし、おしゃれな部屋に住んでいるわけでもないので、たいした工夫はできないんですけどね……。



1、梱包と内容物一式

箱には特にデザインはありません。現状はネット購入のみなのでこれで十分なのですが、欲を言うなら緩衝材または、その役目を果たす内部のしきりがあればと思います。重いバッテリーなので。
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付属品は、充電用のUSBケーブルと保証書、「ボーナスを無料で獲得!」というカード。ボーナスがなにかは分かりません。ぜひ、自分で購入して確かめてみてください。
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保証書とはいっても、こういう中国製品はインターネットを介してやりとりするので、複雑なことは書いてありません。このページ数は各国語対応によるものです。
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全体的に日本語があやしいので、サポートに連絡をとる場合には英語を使ったほうがいいかもしれません。とはいえ、購入は日本のAMAZONでしょうし、通常はそこでのルールに従ったほうが簡単です。いちおう、一年保証とは明記されているので、動作不良が発生した場合には対応を求めてみましょう。(AMAZONレビューの事例を見るかぎり、不具合を証明する動画を撮影して、メーカーが了承すればなんらかの対応が得られるようです)
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ケーブルはUSB(タイプA)- マイクロUSB(タイプB)です。全長はおよそ50cm。
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最初の箱の画像で、やけに内容物がゴージャスに見えたのは、この青い透明ビニールが原因です。きれいなので、下からの透過光で撮影してみました。
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2、バッテリー本体

さすがに延々と回し続けるビデオ用なので、カメラ用に比べると巨大です。この2個分で、コンパクトカメラと同等以上の体積がありそう。1個のサイズは71mm×38mm、高さ70mm、重さ約300g。
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本体上面にあるのは、容量を示す100%、75%、50%、25%のLEDランプとその確認用のチェックボタン、充電用の端子を示す5V INPUTの矢印です。バッテリーのみで充電でき、他の機器に給電もできるので、わりと多機能です。開封時に残容量は75%を示していましたが、これは充電式バッテリーを長期保存するときのセオリーどおりです。
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バッテリーの数に合わせて端子カバーも二対。
裏側にプリントされた詳しい仕様は7.4V、7800mAh、57.72Wh、丸型のPSEマークあり。
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充電時に使うのはマイクロUSB(タイプB)、スマートフォンなどで使われている小さな端子です。このゴムカバーはゆるくて簡単に外れてしまいますし、軸が端子と近すぎてケーブルを差し込みにくいという欠点を抱えています。
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反対側は給電用で、昔からあるUSB(タイプA)。こちらのゴムカバーはしっかりしていますが、USB差し込み時に窮屈なのは同じです。
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左: Vemico NP-F970互換  中: BP-511A(CANON EOS5D) 右: NP-FW50(SONY α7)
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めいっぱいにセルが詰まっているのか側面が透けていて、ここをかるく押すと外装が微妙に歪む感触があります。他の部位はしっかりしているので、これを持つときには側面以外の広い面に指をかけるようにしたほうが安全です(実際に、指がかりを良くするためのモールドが入っています)。SONY純正のNP-F970よりも容量が多い分、外装に余裕がなくなっているのかもしれません。

【スペック比較】
Vemico NP-F970互換(7.4V 7,800mAh 57.72Wh)
71mm×38mm×高さ70mm 約300g

SONY NP-F970(7.2V 6,300mAh 45Wh)
70.8mm×38.4mm×高さ60mm 約300g



3、YONGNUO YN600 Airに装着

YN600 Airは色温度の違う二系統の発光部を持ち、その光量を別々にコントロールすることで自在に色味を変えられるのですが、バッテリーの電源ラインもその仕様に準じて完全に分割されています。つまり、バッテリーを片側だけ装着しても半分のLED球しか発光せず、全点灯させるには常に2個のバッテリーの装着が必要ということです。

詳しくは以前のレビュー記事で。

YONGNUO YN600 Air 軽くて薄いライトです

NP-F970シリーズの取り付け方法は、バッテリー底部の溝を合わせて通電用のピンの出ている方向にスライドさせます。元々がビデオカメラの規格なのでがっちりしていて、装着に甘さはありません。バッテリーを取り外すには、脇にある角ばったボタンを押して逆にスライド。
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しかし、さすがに本体800gに600g(300g×2)の追加となると、YN600 Airの気軽さは消し飛び、ライトスタンドへは慎重な固定が必要となります。特に気になるのがプラ外装の貧弱さで、軽さを得るために内部に金属フレームを持たないことが重たいバッテリー使用時の仇となっているようです。このあたりは1万円を切るコンシューマー製品ということで仕方ありません。

※YN600 Airが想定している本来のバッテリーはNP-F750であり、これを選択した場合には発光時間と引き換えにもう少し軽量化ができます。ソニーバッテリーには接続端子が同じ5**系と7**系と9**系があるので、これらを用途によって使い分けるといいようです。

【おおまかな目安】
NP-F550互換: 2500~3000mAh、約100g~
NP-F750互換: 4000~6000mAh、約200g~
NP-F950互換: 7000~8000mAh、約300g~ 

先に説明したとおり、YN600 Airにバッテリーを装着した場合は1個でも2個でも発光時間は変わらず、満充電からの連続発光時間はおおまかに2時間30分でした。これがフル発光なので、そこまでの明るさが必要ない場合には50%発光で5時間となりました。以前、実測したデータでは、50%発光はフル発光よりもひと絞り暗くなるだけなので、補助光としてはこれだけもてば十分でしょう。
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装着時、単体時、どのタイミングでも上面の丸いボタンを押せば、バッテリーの残容量を示すLEDが点灯します。ただし、このボタンはやや使いづらく、かなりしっかりと押し込まないと反応してくれません。ふつうはもっと軽く、ペコペコと押せるはずですが。
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YN600 Airを点灯させながら、他の機器へUSB給電。うまく使えば、もう一台追加で機器を動かすことができるようです。バッテリーにケーブルを繋いだあとにチェックボタンを押すと給電が始まり、容量表示が点灯したままになります。もう一度ボタンを押してもOFFにはならないので、USB給電を解除するには機器側の電源を切るか、ケーブルを抜かなくてはなりません。
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※あくまで試しでファンを置いているだけです。

USB接続の冷却ファンはいろいろと汎用性があり便利です。アナログスイッチで風量調節可。

容量がゼロに近づいたので、そのままUSB充電。しかし、この状態でライトは最大まで明るくならなかったので、充電しながらバッテリーを使用するのは無理そうです。
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4、充電時間、その他

充電用のコンセントアダプターはiPad用の2Aを使いました。2本のバッテリーを各2回ずつ、計4回充電したところ、満充電まで平均で8時間前後かかりました。LED表示は点滅状態からだんだんと点灯するランプが増えていく分かりやすさがありますが、100%で自動的に消灯するわけではないので正確な充電時間は不明です。
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カメラ用のNP-FW50を充電してみました。丸いチェックボタンを押すと、残容量を示すランプが点灯して給電が始まります。NP-F970互換(7800mAh)→NP-FW50(1020mAh)
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約2時間で満充電となり、普段どおりの充電時間でした。しかし、NP-FW50が純正のインフォリチウムだったためか、充電完了で勝手に両方のランプが消えたのには驚きました。NP-FW50って、バッテリー単体で電流の接続をコントロールしてるんですね。(なるほど、常に容量を監視しているから未使用時の放電が早いわけだ)



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このビデオ規格のバッテリー、本当にいろんな用途で使われているんだなと感心したのが以下のアクセサリー。なんと、NP-F970互換のバッテリーを丸型のアダプター端子からダミーバッテリーにつないで、α7シリーズのIII型以降を長時間駆動させようというもの。スゴイ。



5、仕様一覧

NP-F980/F970互換リチウムイオンバッテリー(2個セット)
電圧/放電容量/電力量: 7.4V 7800mAh 57.72Wh
機能: 残容量のLED表示、USB給電
サイズ: 71mm×38mm、高さ70mm
重さ: 約300g

付属品: USBケーブル(USB Type-A-micro USB Type-B、50cm)、底カバー×2、保証書



6、まとめ

  • バッテリーをUSB充電=8時間前後で満充電(2Aのコンセントアダプター)
  • YN600 Airに接続=フル発光で約2時間30分、50%発光で約5時間
  • カメラ用のNP-FW50へのUSB給電=約2時間で満充電
  • iPadへのUSB給電=遅すぎてテスト中止、充電しながらの使用は可能

これが今回、テストした結果となりますが、このバッテリーを本格運用するなら2個同時充電可能な充電器がないと厳しいと思いました。本質的に容量が多いからしかたがないのですが、さすがにバッテリーひとつに8時間はやってられないです。おそらく、コンセントアダプターのアンペアを上げればいいのでしょうが、充電時間が2~3時間で済まない場合にずっとバッテリーを気にかけておくのは難しいので、万が一の発火に対する備えをしたほうがいいかもしれません。これはVemicoの品質に不安があるという意味ではなく、単純に長すぎる充電時間に対する気構えです。(※このバッテリーは充電中でもほぼ発熱しません

USB給電はいろんな機材を組み合わせるビデオ用途には良いのかもしれません。動画機にリグを組んだりというのは縁のない世界なので、実際になにを動かすのかは頭に浮かびませんが。ただし、これを充電用に使うとなると、‟いちおうモバイルバッテリーの代わりもできる”程度に捉えておいたほうがいいかもしれません。というのも、充電用途ならもっと薄型で多機能のものがありますし、興味本位で試してみたiPadへの充電はあまりにも遅すぎて途中で中止したくらいです。

YN600 Airに対しては、バッテリー2個分が加わった重さ(1.4kg)に負けずにしっかりと固定できるスタンドがある場合にはケーブルレスの自由さを謳歌できるでしょう。もともと軽さが売りのライトなので重たいバッテリーを着け外しするときにギシギシするのはご愛嬌ということで。


全体的な評価としては、似たような互換品が散見されるなかで、ブランディングをきちんと確立していこうという熱意のあるVemicoさんは悪くない選択だと思います。安価な互換バッテリーはどうしても当たり外れを排除できないので、外れを引いた場合に責任もって対応してくれるメーカーの姿勢が重要です。意外と便利なのはLEDの残量表示で、中途半端に容量が残りがちな大容量バッテリーの状態をかんたんに把握できるのは撮影の効率化に役立ちます。ただし、このバッテリーにはこまかな難点もあるので、その部分が改善されれば、より積極的にオススメできる製品となるはずです。



【良い点】
  • LEDの残量表示
  • 他の機器に給電ができるUSBポート
  • 本体のみで充電できる手軽さ

【悪い点】
  • 側面の外装がかなり薄い
  • 容量確認ボタンが押しにくい
  • ゴムカバーの軸が端子に近すぎて、開いたとき邪魔になる
  • マイクロUSBのゴムカバーがゆるい


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※オレンジが気に入らなければ黒もあります。