あほコンタックスまにあがMC-11+EF50mm F1.4を手にして漠然と思うこと……。


(´-`).。oO(今日のおやつはなに食べよ…)


もとい、

(´-`).。oO(α7IIの像面位相差って、どの程度合うんじゃろ…)


ちうわけで、確認してみましたα7II+MC-11+EF50mm F1.4のピント精度。ただし、生まれてこの方、AFなんぞまともに使いこなしたことのないMF人間が、AFの評価なんてできるわけがありません! なのでテーマは至極簡単、

α7IIの像面位相差AFはピント拡大による精密MFにどこまで迫るのか?


を調べてみたいと思います。


テスト内容は、静物でAFのピント精度を見るだけなのでとても単純です。

まず、三脚で構図を作ったあとに、フレキシブルスポットSのターゲット枠を移動してAF撮影、もう一度、ピント拡大を利用してMF撮影、この二枚の画像を等倍で比較するだけです。補足として、α7IIの像面位相差はまだ発展途上のため、実際に使ってみるとカバーエリアは狭く、全画面を自由自在にAFというわけにはいきません。一応、画面の広範囲をカバーするコントラストAFも試してみましたが、EF50mm F1.4では往復運動を繰り返すだけで使い物になりませんでした。


実機の正確なトレースではありませんが、これが像面位相差の配置とフレキシブルスポットSのターゲット枠。
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すべて絞りF1.4 α7IIの像面位相差AFとピント拡大MFの比較
Photoshop Camera RAWの現像設定はニュートラルでシャープネスは控えめの15

1、ピント位置は手すりの縦線(※ターゲット枠の位置はおおまかな記憶より)
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左: 像面位相差AF  右: ピント拡大によるMF(2400万画素の等倍、以下同様)
さすがに単純な絵柄なのか、AFはピント拡大の力を借りた精密MFと同等の精度。
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2、ピント位置は街灯の頭、AFがとらえやすい被写体に思えましたが……
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意外にも前ピン、像面位相差がピントを拾うにはメリハリ不足?
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3、ピント位置は木の幹のくぼみ
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これはくっきりした模様なので楽勝かと思いきや、前ピン。
おそらく、この窪みがのっぺりし過ぎで測距不能になったと思われます。
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4、ピント位置は木の幹
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同じ被写体でも、こちらは細かい模様だったためかAFはきちんと合焦。
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5、ピント位置は蛇口の根元
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AFは手前の取っ手に合焦していますが、撮影者の狙いは奥側。この微妙な区別はMFでないと無理。
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6、ピント位置は緑の先端
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複雑な形状でピンずれを危惧しましたが、逆にこの細かさが測距の助けになったらしい。ピントを厳密に見れば、AFはやや後ろ気味、MFは前気味となりますが、どちらが適切かはもう少し広い範囲で絵を見ないとわかりません。
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7、ピント位置は柵の交差する部位
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微妙に後ピンですが許容範囲内。MFでも、これくらいのズレはありえるので。
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8、ピント位置は左の結び目
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太い紐では測距の目安にならないと見られ、AFは前ピン。
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9、ピント位置は葉の模様
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この模様が測距点に対しちょうどよい大きさだったのか、接写にしてはMFに迫る合焦精度。
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10、ピント位置はボルトナット
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この絵柄では測距の目安にはならなかったらしくAFはピンボケ。
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撮影中、あきらかに怪しい動作をしていたので中央一点に切り替え、カメラを振ってAFし直し。
やはり被写体のコントラスト不足なのか、完璧にはならず。
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11、ピント位置は無限遠の灯台ですが……
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予想通り、コントラスト不足で前ピン。絞りこめば使えなくもない程度。
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AFターゲットをもっとはっきりした絵柄に当てて、再撮影
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AFも文句なしの合焦。
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全体的な感想としては、AFが合うときはものすごい精度ですが、万能/簡単なミラーレスのイメージからはやや離れて撮影者の使いこなしが必要だと感じました。その理由は、AFターゲットが最小のフレキシブルスポットSなのにその枠内で自動選択のような挙動を示すからです。


例えば、こんなふうに左右二点が点灯したり、
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場合によっては四点がちらちら点滅したりするので、測距点が自分の合わせたい場所で反応してくれないことも少なくありません。
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この図だけを見ると、きちんとターゲット枠の真ん中に測距点が入るように移動させればいいのではないか?と思われるでしょうが、実のところ、ターゲット枠はかなり大雑把に動くので、このように複数の測距点にまたがってしまうのです。

これはすべてソフトウェアで調整できるミラーレスの仕様を考えると釈然とせず、おそらくは、被写体を面でとらえて合焦率を上げるために、ある程度、複数の測距点を使うためのチューニングなのかもしれません。実際のAFが活躍する場面は、今回のテストのような三脚固定などではなく、もっと大雑把に被写体を狙うかたちになるはずなので、あんまりシビアな測距点だと、逆に撮影者のストレスになるでしょうから。


いっぽう、ターゲット枠が初期位置にある場合には、針穴を通すような中央一点のAFポイントが使えるので、ここぞという時は測距点を中央に戻して、カメラを振る撮影をするといいでしょう。今回の撮影でも中央一点をときどき試していましたが、被写体にAFを合わせる手掛かりさえあれば、小さな合焦点を確実にピンポイントで射抜けました。よくいわれるコサイン誤差も、もともとの合焦精度が高いためか、よほど近接しない限りは気になりませんでした。

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ここで、ひとつだけ注意があります。MC-11+EFレンズは開放測光瞬間絞り込み撮影となり、一眼レフと同じ挙動を示しますが、純正のFEレンズは実絞りがデフォルトになるみたいです。AFが常に開放絞りで動作するのと実絞りではだいぶ使い勝手が違うと思うので(※互いに良い面も悪い面もある)、これらの話をそのままFEレンズに応用するのはちょっと待ってね、とお願いしておきます。純正レンズは使える機能がいっきに拡大しますしね。

そんなわけで、まとめとしては、

AFすげえ……  ( -_-)ノ *)゚O゚) アゥ


作りが素晴らしいMC-11の唯一残念なところは、CONTAXレンズが着かないところ。内枠のでっぱりが邪魔してC/Y-EOSで変換しても捻じこめません。

【補足】 今回の比較で、AFがピント拡大のMFに遜色ないとコメントしている画像も実は微妙に甘かったりするのですが、F1.4絞り開放という非常に厳しい条件ですし、MFでも常に解像やコントラストのピークをとらえられるわけではないので、許容範囲としています。実際問題、ぱっと撮って一発で決めなければいけない実写では、MFはもっと悪いピントになることも普通にありえますしね。