買いました。
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読みました。
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めっちゃ面白かったです。



……で、終わらないのが当blog。
さあ、いつものように書きまくりで行ってみましょー!

えーと、なぜライカ本を買ったかというと、それはELMAR 50mmの数値性能が知りたかったからで、これは近いうちにレンズの比較記事で登場します。それと、買う前に調べてみたんですが、この本、古いLマウントレンズなどを網羅していて、かなり有用なデータ本になっています。

実際に中を開いてみると、マクロレンズとして名高いAPO-MACRO-ELMARIT-R 100mm F2.8や超大口径レンズの新旧NOCTILUX-M 50mmが載っていたりして、話題性の高いレンズの取りこぼしが少なく、この手の特集本にしては非常に満足度が高いです。その点では、同じニューフェース診断室でもMakro-Planar 100mm f2.8などが欠けているコンタックス版の方がかなり中途半端に見える不満も出てきますが、両方揃えておくと二社の対比が可能となりとても面白いです。例えば、大口径中望遠レンズでライカとコンタックス(SUMILUX-M 75mm F1.4、SUMILUX-R 80mm F1.4、Planar 85mm F1.4)の違いはいかに?みたいな。





・とにかく一にも二にも、大昔のLマウント時代の数値性能が載っているので貴重。

・しかし、古いレンズだけでなく90年代後半の非球面タイプや、一般的に情報の少ないRレンズもそれなりに網羅されている。

・読み進めて噴いたのが、公式に発表があったと思われるライカRのシグマ製ズームレンズを元となった廉価版と横に並べて数値比較している。

・発展途上であるLマウント時代のレンズ設計のうまくいかなさや妥協点などが数値や解説で示されており、コンタックス版の淡々とした感じとは違い読みごたえがある。

・それに関連して、コンタックス版で言及されていない収差補正についてのアレコレが語られていて、とても勉強になる。

・ニューフェース診断室の基本スタンスはカメラ本体+レンズだと思うが、段々とボディが寂しくなっていき(M型の開発停滞、R型のミノルタボディの流用などによる)、ついにはOEMのコンパクトカメラまで掲載されているという始末。

・そういったライカの熱が入っていないカメラにはやはり冷淡なコメントもついている。

・レンズの軽量化について当時の考えをちらっと覗くことができる。

・ライカにしてもレンズの組み立てミスによる画質低下が指摘されている。

・SUMMICRON 50mm F2は、どれもこれも実効焦点距離52mm。(ライカ社は製造偏差だとして濁しているが、設計の余裕として狙っている?)

・望遠系はレンジファインダーでは利用価値が低いとされたのか、生産数の多いHEKTOR 135mm F4.5が無視されている。

・同じように望遠系に分類されるためか、VISOFLEX用のレンズは一本もない。

・ほとんどの記事は過去の診断室及び他の記事をまとめたものだが、新たに追加測定されたレンズもあり、この本でしか見れないデータもあると思われる。



とにかく何度も繰り返しますが、レンズ診断については面白いと言う他なく、球面収差/非点収差/像面湾曲/歪曲収差などをそこそこに理解し、数値性能と実写の関係性を探りたいというような人にはとても価値がある内容だと思います。メーカー回答の中でライカ社は、こういった限界解像力を探るようなテストは一般の撮影者が得られる実写結果とは結びつきが薄いとして苦言も呈していますが、時は移り変わってデジタル時代、我々は測定機のようなデジタルカメラでいとも簡単にレンズの詳細な描写を確かめることができるのです。

数値性能によってレンズの優劣を競うのではなく、自分の好きなレンズがなぜ、この描写なのかを知ること、あるいは数値性能を知った上でレンズを使い分けることにより、もっと深い世界が広がる可能性。そういったマニア向けの意味で、この本はとても有益であると言えるでしょう。

カメラ関係のムック本はたいてい値段の割には食い足りない部分が多く、それは単純に出版社が掛けるコストと利益の兼ね合いだとは思いますが、この本は奇跡的に取りこぼしの少ないレンズ資料として(ライカマニアを満足させるかは分かりませんが)、他とは違った充実感を見せています。
レンズ設計については興味深い言葉も多数並んでいて、ほほう、と感心すること幾度となく。


以上、超ベテランではない初級~中級マニアで数値性能に興味がある人向けに、


大変、オススメです。