「アサヒカメラニューフェース診断室 コンタックスの軌跡」を読んでひとつ気になることがありました。Planar 50mm F1.4の三回目の測定が不良品(あるいは公差の下限)であったとして、その原因はMTFグラフにも表れていた偏心と思われます。仮に、このPlanar 50mmのピントの見易さの差が偏心による描写の乱れが正体だとすると、当Blogで繰り返している定規の比較は撮像範囲の周辺にいくにしたがって明確になるのではないか? また描写の差が確認できないのは周辺部を見ていないからではないか?という疑問が湧き上がったのです。

もしかしたら、この疑惑にはっきりとした結論が出るかもと、いそいそとセッティングを開始してみました……。



配置の説明です。中心を外し、実際に構図を取ることが多いであろう中間画角に定規を置いてみました。狙ったのは100線ではなく隣の200線です。完全な画面隅を調べないのは実用面で意味がないため。
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比較画像の部分拡大。
撮影途中でパンが動いてしまい、構図に微妙なズレが出てしまいましたがテスト結果には無関係と判断します。同一現像、各々ピントブラケットした中からピーク位置、前後のボケ量がほぼ同一と思われるものを選び出しています。

A:Planar 50mm F1.4 AEJ(黒刻印)
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B:Planar 50mm F1.4 MMJ(S/N:79)
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結論の前に感想ですが、かなり笑っちゃいました。もう本当に同じ描写で、なんであんなに大袈裟な話になるのか腰砕けもいいところです。

等倍画像を厳密に観察すればこの両者は違いがあり、Bの前ボケの拡散の弱さ、ピント付近の描写が平板であるという微妙な差異はすでに判明していることで、画面中央で比較した時となんら度合いが変っているようには見えません。ピントの合わせやすさはAが10回中10回当たりを引けるというわけでもありませんし、ファインダースクリーンのピント合わせ程度ではどっちもどっちという感じです。

ただし…今回のテストでなんとなく気になったのは、BはAよりもピント付近の描写がよりくっきりしているように感じることで、過去にAとBのチャートテストを行ったときになぜだかBの方が明瞭に写ることがあったことを思い出し、また首をひねっています。これについては学術的な推論をするベースが自分にはありませんので、まあレンズ描写はそんな単純なものではないというふうにお茶を濁しておきましょう。

周辺部のピントまで確認した初期玉神話の結論としては、特に中間画角で描写が乱れるということもなく、やはり解像力よりもピント付近のコントラストやボケ描写が影響しているのではないか?ということに変わりはありませんでした。