135mm F2が難しいのはわたくしのせいではありません。

ということで、ひとつよろしく。

ここで本題に入る前に、「おれは135mmが得意だぜ!」とか、「135mm大好き!」とかいう方は気分を害する可能性があるのでそっとページを移動してください。


お題:135mm F2はなぜ難しいのか?


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カテゴリ :「よもやま話」

S-Planarとカミソリマクロ #4 野外の写り

SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG=通称カミソリマクロの画像をながめながら、CONTAXとの差異を語ります。S-Planarの画像はありませんので、もし厳密な実写比較をしたら言うほどの違いはなかったなんてオチもありそうですが、とりあえず。


SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG 注記なければ絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はいろいろ

まず最初に、ひえぇぇぇ~! EXIFに絞り値が載ってるぅぅぅぅぅ!!というアホみたいな驚きはさておき、この画像、一般的なCONTAXレンズでは撮れません。注目すべきはハイライトへと続く明るい部分の薄さで、例えばS-Planar 100mm f4ならここが粘ります。粘るというのが高性能っぽく聞こえるのなら、「ぼってりと写る」と言い換えれば良いでしょうか。
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CONTAX メタルフードの話

新しいレンズを買うと、わくわくするのはフードのコーディネートです。最適かつ携帯性もじゅうぶんな組み合わせはどれだろう? なんていろいろ考えるのはけっこう好きで、この時代のコンタックスには花形フードなどというものが存在しないがゆえの楽しみでした。

最初は純正メタルフードを無難に組み合わせていましたが、あるとき気づいてしまったのです。
このでかくて重いフード、あんま意味ない……。


50mmには55-86リング+メタルフード4番。たいそうカッコイイんですが、三脚に据えて光の切れ具合を外から見てみると、外径86mmのフードでも元々の画角の広さが影響してほんのちょっと前玉を覆う影がひろがるだけ。これが広角レンズになるともっと酷い。86mmまでレンズの前側を拡大して携帯性を悪化させても、フードの効果なんてなきに等しい。

これは円形フードによる構造的欠陥なのです。できるだけフードを大きく長くして遮光するのはベストですが、円形フードは撮像面積36×24mmの四隅にしか合わせられません。その不利を踏まえたうえで、携帯性を悪化させてまで遮光効果にこだわったとしても現実的な撮影状況は逆光ばかりでもないですし、仮に逆光になってしまえば標準レンズ以下の画角なんて光は防げないことのほうが多いのです。

あれ? CONTAXの重厚なフードの意味は??

※Amazonの商品ページから花形フードをトレース
http://www.amazon.co.jp/dp/B0009FTXJU/

円形フードがカバーしているのは赤線までという恐ろしい事実。
四隅の直射光は花形フードでもどうしようもありませんが、上下左右に関してはものすごく損をしています。
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Rollei Planar 50mm F1.4 HFT #2 色と階調

やや少ないですが、掲載順に、

Rollei Planar 50mm F1.4 HFT
CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
CONTAX Planar 50mm F1.4 MMJ

という並びになります。


Rolleiの画角が微妙に広いのは実焦点距離の違いだそうです。アサヒカメラによると、Rollei: 50.6mm CONTAX: 51.6mm。

すべて絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はCamera Standard(DPPのスタンダード相当)
※違いを強調するために若干コントラスト上げ


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この画像だけ、やや上にピントが来ているので背景のボケ量が多いです。
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S-Planar 60mm F2.8 AEG 黒マウント

S-Planar 60mm F2.8 AEG 黒マウント、実は描写が銀マウント以降と少し違います。他のAEGのいくつかに見られる発色のおだやかさがマクロレンズの性能の高さとうまくバランスしているのか、ゆったりキリっと優雅な階調。おそらく、CONTAXの味ってなに?と聞かれた時にこれを使ってもらえれば、一発で説得できるような印象的な描写です。

このレンズは等倍繰り出しの重たい鏡胴でなければ、ぜひとも常用したいレンズかも。


カメラは旧機種のEOS 5D
S-Planar 60mm F2.8 AEG 注記ないものは絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから微調整、一部ゴリゴリ現像

このレンズはなにをどんな距離で狙っても鋭いという印象です。
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しかも、ただシャープなだけでなく、みずみずしい階調もあるという。
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Planar 50mm F1.4の初期玉神話は都市伝説か? #5 黒刻印のボケ描写

………………

…………………………プラシーボ…………… (ノ゚∀゚)ノ


つーか、雲ひとつない晴天か、雲の厚い曇天で風がない日の太陽が高い時間帯なんていちいち選んでられるかー! (°言°)


というわけで、単純な写りだけならまだしもボケ描写の比較となると撮影の難度が桁違いです。ねばり強く機会をうかがえば精密なテストもできそうですが、だいぶ実感も得られたし、もういっかーって感じです。


それで、突然でてきた“黒刻印”という単語はなにかというと、S/N:58~59にたまに見られるmade in Japanの刻印が白く塗られていない個体のことです。ふつうに考えれば単なるエラー個体のはずですが、Distagon 35mm F2.8にも同様の個体がある、最初期でない59番台にも黒刻印は紛れ込んでいるということで、いろいろと勝手な妄想を繰りひろげているのがあほコンタックスまにあとなります。

ロマンに全振りなら……ZEISSが最高の硝材を組み込んだ特別な個体!となるはずですが、ただの一般流通品にそんなことをするわけもなく、当時、Carl Zeissジャパンに出向していたドイツの技術者がお手本として組んだものと考えるのが無難なところでしょう。

そんな謎めいた黒刻印のボケ描写が「なんかちょっと違うぞ!?」と驚いたことが、今回の検証の発端となります。


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S-Planar 60mm F2.8 AEG 銀マウント

S-Planarの銀マウントは正直、自分の手に負えません。光を選ばなくてもバキバキの発色になって現像設定のさじ加減がとても難しいです。

も、もうちょっと手加減してくれよぉ~。


カメラは旧機種のEOS 5D
S-Planar 60mm F2.8 AEG 注記ないものは絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから微調整、一部ゴリゴリ現像

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Planar 50mm F1.4 AEJ MMJ 比較撮影 その1

プラナー50mm F1.4のめんどくさ~いAE、MM比較をしてきました。


最初の画像がPlanar 50mm F1.4 AEJ、後の画像がPlanar 50mm F1.4 MMJですべて共通。

注記なければ絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はCamera Standard(DPPのスタンダード相当)


すべての画像でところどころ光が動いてしまっていますが、自然光なのでどうしようもありません。比較画像の微妙な差をきちんと認識するには、クリック後の1000px画像をパタパタと切り替えて見ることです。
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カテゴリ :「Planar 50mm F1.4」

Planar 50mm F1.4の初期玉神話は都市伝説か? #4 ピント問題その2

あんまりしょーもない記事ばかり書いてんじゃないよーと知人にお叱りを受け、とうとうピントの見やすいS/N:581の黒刻印をお借りしました。感謝感謝。

人様のものですので外観の画像はありませんが、いつもの定規で比較した結果はなんというか、言葉のイメージというのは恐ろしいなあと感心した次第です。

Planar 50mm F1.4には解像力の高い当たり玉がある
→微妙に間違い


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C/Y - EOS マウントアダプターの受難

マウントアダプターに関するさまざまな問題は、はっきりいって“ミラーレスを使ってください”ですべて解決するんですが、現状、フルサイズがα7シリーズだけではなかなかそうもいかないのが現実です。正直、一眼レフのレンズをミラーレスに転用するのなら、小型化なんて無視してがっしりした操作性重視のボディが欲しいところ。


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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



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*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

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