比較

レンズ探求 #51 ノンコートレンズの秘密 その1 Xenon 50mm F2(戦前型)

戦前戦後シリーズの第4回は、とうとう戦前のレンズに突入します。

そこでひとつ質問。写真レンズにおいて戦前と戦後をわける大きな要素とはなんでしょう? その答えは間違いなく反射防止コーティングのありなしです。初期の一層膜コーティングは1面につき平均5%あるガラスの反射率を2%以下にまで低減することで、場面を問わないクリアな写りを実現するものですが、この発明で多大なる恩恵を受けたのがレンズ設計です。

かつては内面反射の増加を防ぐために、できるだけ少ない群数(反射面の数)を意識せざるをえなかった設計手法から、コストが許すかぎりは自由なレンズ配置が許される時代へ。これによって標準レンズの主役に躍りでたのがガウスタイプであり、その象徴ともいえるのが1950年代初頭に発売されたSummicron 50mm F2です。このレンズは当時としてはスタンダードな開放F2ながら、6群7枚構成という非常に凝った設計で長らくその性能の高さを写真界に轟かせるのです。

初代のSummicronは戦前のSummitarのレンズ構成を拡張したもので、反射面の数は8面からいっきに12面へと増えています。

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ただし、ここで光学設計に詳しい方は疑問に思うでしょう。Summicron 50mm F2がその性能を得るために必要だったのが新種ガラスであり、これもまた重要なピースだったといえます。正しく言い直せば、戦後のレンズ設計を変えたのは反射防止コーティングと新種ガラスであり、このふたつが合わさることで写真レンズは次の段階へと進むことができたのです。

しかし、考えようによっては、新種ガラスはこれまでの光学ガラスの延長線上にあるもので、真の革命とは反射防止コーティングだったとはいえないでしょうか? 短絡的な仮説ですが、戦後に新種ガラスがなくても写真レンズにはさして不都合はなかったかもしれませんが、反射防止コーティングがなければいつまでもレンズ設計は群数に縛られ、逆光に対する弱さは克服されないままなのです。

反射防止コーティングこそが写真レンズの革命である。

と、今回はあえて単純化し、シングルコーティング発明前後の描写の違い、またはその意義をXenon 50mm F2(Exakta)で検証していきたいと思います。


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レンズ探求 #50 FL50mm F1.4 野外比較

オールドレンズでFLの注目度が低いとするならば、その理由はマウントアダプターで干渉が起こるからでしょうか。自分もぼんやりとそのことを覚えていて、まず一番最初にFD-NEXの絞り込みピンを外したのですが、実はFL50mm F1.4はそのままでまったく問題なく使えたみたいです。(THE 無駄作業……)

とはいえ、せっかくなので、FLレンズの干渉問題について調べてみました。

Canon Camera Museum
レンズ館 FLレンズ
https://global.canon/ja/c-museum/lens.html?s=fl

まず、マウントアダプターで干渉が起こるのはマウント後部が通常よりもでっぱっているレンズであり、このでっぱりがマウントアダプター内で水平に伸びている絞り込みピンに当たることで、マウントそのものができなくなります。ただし、これに該当するレンズは1964年のFL35mm F2.5、FL50mm F1.8 I、FL58mm F1.2と1965年のFL19mm F3.5Rだけであり、FL全体から見ればごく一部にすぎません。

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これらのレンズが他と違う理由は後玉保護であり、FL後期になると後玉が基準位置よりも突出しないように光学設計が徹底されます。が、FL35mm F2.5FL19mm F3.5Rはそれほど後玉が出ているようには見えませんし(※現物未確認)、そもそも平らなテーブルなどでは長い絞り連動ピンがレンズ後部に斜めの空間をつくるガードとなるので、FL初期のキヤノンは後玉保護により慎重だったのかもしれません。


しかし、マウントアダプターのピンを外してこの干渉問題を回避したとしても、面倒が起こるのがFL35mm F2.5、FL50mm F1.8 I、FL58mm F1.2にある絞り込みリングの存在です。本来、FLレンズはマウントアダプター側に絞り込みピンがなくてもA/M切り替えリングをMに合わせることで実絞り(手動絞り)になるのですが、この「・」表記のリングはただの絞り込みリングなので、絞りを変えるたびにいちいち開←→閉のスライド操作が必要になるのです。(プリセット絞りといえるほどの操作性はない)

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したがって、「・」表記の絞り込みリングがありマウント後部がでっぱっているFLレンズは、後ろに突き出た絞り連動ピンの隙間に板ゴムを挟んでテンションをかけるなど、なんらかの工夫をしないとミラーレスでは快適な絞り操作ができないことになります。

これらふたつの仕様がそろっているのは1964年発売の3種類のレンズだけなので、この頃はFLレンズの仕様が固まる前の過渡期といえるのかもしれません。

以下のマウントアダプターのように、絞り込みピンの頭にプラスネジの溝がある場合には、かんたんにドライバーで外すことができます。もし、ピンの頭が平らな場合には、マウントアダプターの内側からピンをつかんで(裏側から見て)時計回りに力をかけます。



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レンズ探求 #49 FL50mm F1.4 室内比較

このFL50mm F1.4にも、いまだに解けない謎があるようです。その出所はまたしてもキヤノンカメラミュージアム。

その謎とは、FL50mm F1.4には2種類があり、それが1965年の4群6枚1966年の5群6枚だというレンズ館の表記。ところが、これはユーザーの認識とはかけ離れており、実際に現物で確認できるのは黄変するアトムレンズ黄変しない改良型であり、そのレンズ構成は両者ともに5群6枚なのです。

これを詳しく検証したのは以下のサイトさんであり、たしかにレンズの肉厚などにこまかな変更点は見られるが、レンズ構成自体に違いはなく、最初期に4群6枚構成が存在したのかは疑わしいというのがマニア界隈の論調のようです。

THE FL LENS WAKU WAKU Mark II
FL50mmF1.4とFL50mmF1.4Iについて中間報告(放射線測定してみた)
FL50mmF1.4とFL50mmF1.4Iについて(分解してみた結果)

FL50mm F1.4 4群6枚 変形ガウス ???
FL50mm F1.4 5群6枚 変形ガウス アトムレンズ 1965年
FL50mm F1.4 I 5群6枚 変形ガウス 再設計 1966年
FL50mm F1.4 II 6群7枚 変形ガウス 鏡胴変更 1968年

※5群6枚のFLとFL Iがややこしいのは、レンズ銘板に刻印の違いがなく、外観上では製造番号で見分けるしかないことです。


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レンズ探求 #48 SMC TAKUMAR 50mm F1.4 野外比較

まず、SMC TAKUMAR 50mm F1.4をより深く理解するために、1960~1970年代前半までの各社の状況を整理しておきます。


国内の一眼レフ用50mm F1.4で一番最初に製品化されたのが1962年のNIKKOR-S Auto 50mm F1.4であり、絞り開放では盛大に光がにじみつつも1段絞れば急激に変貌するその画質は、当時としてはとてもオーソドックスなものです。レンズ構成は5群7枚(凸[凸凹]+[凹凸]凸凸)、本質的には欠点の少ないこの基本設計をニコンは14年の長きにわたって使い続けます。

その2年後の1964年に登場したのがSUPER TAKUMAR 50mm F1.4で、6群8枚(凸凸凹+[凹凸凹]凸凸)の後群には3枚貼り合わせが用いられている珍しいレンズ構成でした。これは単純に見ればのちの6群7枚の貼り合わせを1枚増やしたものであり、この頃すでにペンタックスは理想となるレンズ設計の原型を見出していたのかもしれません。

しかし、SUPER TAKUMARの3枚貼り合わせは簡易的なレンズ構成図を見るだけでコストや技術面で無理があることが察せられ、わずか1年で6群7枚(凸凸凹+[凹凸]凸凸)のSUPER TAKUMAR 50mm F1.4(名称に変更なし)に置き換わるのです。その大きな変化はトリウムガラスを使って3枚貼り合わせを2枚貼り合わせに削減しつつ、性能を同等以上としたことで、これがその後のペンタックス製50mm F1.4の基本形、ひいては各社に採用される6群7枚構成の先駆けとなったのです。

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1965年のSUPER TAKUMARのレンズ構成図が入手できなかったので、同じ6群7枚であるSMC TAKUMARを並べています。こういったレンズ構成図を見る際の注意点は、ガラスの曲率や厚みを仔細に観察しても、具体的な画質はなにもわからないことです。あくまで写真レンズの個性を読み解くための情報のひとつ。

図は「レンズテスト [第1集]」より。

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レンズ探求 #47 SMC TAKUMAR 50mm F1.4 室内比較

ペンタックスは昔のAF時代は意外とよく知っています。Z-1でさっそうとシルバー外装のレンズをそろえたあとに大きな発展もなく、原点回帰したダイアル操作のMZ-5が話題になって上位機種のMZ-3につながり、そのあとの未来的なカメラ(MZ-S)が遅れているうちにデジタルの大波に飲まれて現在に至ると。

とにかく、ペンタックスは他社とAF性能で勝負しないぶんだけ変わった製品を開発していたメーカーで、そのうちのひとつであるLimitedレンズは高い支持を得て、現在も続いている良企画でした。あれはちょうど、AFレンズが充実してきた頃合いにそこはかとなく漂う味気なさと当時のクラシックカメラ熱の高まりがあわさって、「写真レンズの味わいとは?」という問いかけが業界内に再燃してきたことがきっかけだったと思っています。


しかし、時は過ぎてミラーレス時代。マウントの垣根がないミラーレスカメラでさまざまなレンズが使えるようになると、実はペンタックスはカメラの自動化で重要な役割を果たしながら先進的なMFレンズを開発し、マルチコーティングの標準化さえも一番乗りするほどにイケイケだったことを知るのです。

そんなメーカーが、これまた先陣を切った6群7枚変形ガウスの50mm F1.4、そのマルチコーティング版であるSMC TAKUMAR 50mm F1.4はいったいどのような描写なのでしょうか?

なにしろ、その注目点はトリウムガラスが使われていることで、放射性物質によってドーピングされた6群7枚変形ガウスの実力を確かめてみたいと思います。アトムレンズとしては同時期に発売されたRE GN TOPCOR M 50mm F1.4との違いも楽しみですね。

ペンタックスがAF一眼レフで本気の勝負をしなかったのは、35mmカメラよりも高画質である中判カメラで一定のシェアをもっていたことも一因にありそうです。1990年代末に発売されたPENTAX 645Nは中判カメラとしては異例の大ヒットとなり、当時、入手困難にさえなっていたのは思い出深いです。

しかし、最上位機種を中判カメラと考えるこのやりかたも、デジタル時代には息切れしてしまうのですが……。

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レンズ探求 #46 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4(初代) 野外比較

NIKKOR-S Auto 50mm F1.4をわざわざ“初代”と明記している理由は、ニッコールマニアの皆さんには説明不要かもしれません。このレンズ、1962年の発売にしては息が長く、こまかなマイナーチェンジを繰り返しながら、なんと14年もその基本設計が使われ続けているのです。つまり、ニコンの50mm F1.4は1976年の新型が出るまでずーっと同じ描写。

とはいえ、時がたてば硝材が良くなり、コーティング性能も上がっていくので微妙な写りの変化はありますし、新しい製造年のほうが完成度が高いといえるはずです。となると、より性能が悪い=味が濃いのは古いモデルだ!というわけで、シリアルナンバーを調べながら初期型を入手してみたという次第です。

しかし、このNIKKOR-S Auto 50mm F1.4についてはニコン自身が詳細な解説をおこなっているので、いまさら何を語るんだ?といわれてしまいそうですが、実はこの記事を読むとけっこうな違和感があるのです。

ニコンイメージング
ニッコール千夜一夜物語 第四十四夜
「名実ともに標準となったF1.4レンズ Nikkor-S Auto 50mm F1.4」

ニコンの光学設計者はNIKKOR-S Auto 50mm F1.4を優れた設計だと自負しているようなのですが、実際に計測されたアサヒカメラの収差図にはあまり良いところが見えず、この設計を14年も使い続けた意味がよくわかりません。多大なる球面収差の過剰補正に、平凡な非点収差と歪曲収差。そして高級レンズとして悪くはないが特別良いともいえない解像力。

果たして、この設計をマルチコーティング時代の1970年代中頃までひっぱった理由はいかに?


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レンズ探求 #45 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4(初代) 室内比較

ニコンFマウントのレンズ……というのは難解すぎてよくわかりません。

というのも、Fマウントニッコールは1959年から始まったカニ爪タイプからなんやかやと増築/改築を繰り返し、最終的にはオートフォーカス+電磁絞りのEタイプにまでたどり着くのです。その間、およそ60年! しかし、マウントの形状が同じといえども、そこまで仕様が変わるとまともには機能しない、または装着できない組み合わせというのもできてしまうわけで、ちまたでは“不変のFマウント”という文言を笑いとばす向きもあるようです。

なんじゃこの膨大な情報量は…… ((((;゚Д゚)))) ガクガクブルブル

キンタロウの散歩道
決定版(?) ニコンFマウント解説 (By キンタロウ)


だがしかし! そこでわだすは言いたい!

マウントが生きていれば、それでもやりようはあるのだからいいじゃないか!!

と、涙目になる元CONTAXユーザー。 (;ω;)


……ま、それはそれとして(ミラーレスさん、ありがとう)、今回は国産一眼レフ用で一番登場が早かった大口径50mmであるNIKKOR-S Auto 50mm F1.4を見てみたいと思います。

NIKKOR-Sのなかでも最初期のものを選んだその理由は、古くておもしろかろうという予想とともに、歴史的な意義があるから!

※レンジファインダー用としては、1950年代に各社から50mm F1.2、またはそれ以上の超大口径レンズが発売されています。NIKKOR-S Auto 50mm F1.4のポイントは、ミラーボックスが介在することによって設計が難しくなった一眼レフ用50mm F1.4のはじまりのレンズということです。

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レンズ探求 #44 旧ソ連製のガラスはいかに 初代HELIOS-44

HELIOS-44シリーズは有名なグルグルレンズですし、以前、MC HELIOS-44M-5を記事にしているので、いまさらなにをテーマにするんだ?と不思議に思う方もいるでしょうが、実はその際にふと目をひいた一文があるのです。

Casual Photophile
Carl Zeiss Jena Biotar 58mm f/2 – Lens Review

【機械翻訳】
第二次世界大戦後、Carl Zeiss Jenaの工場はソビエトの占領地域に落ち、戦争の賠償としてソビエトは工場の設備、図面、さらにはドイツの技術者さえも奪いました。ZeissのBiotarは、ソビエト連邦には存在しないドイツのショットガラスで動作するように製造されていたため、ソビエト光学の父として知られているD.S.Volosovによって、ソビエトで利用可能な光学ガラスに光学式を再計算する必要がありました。

レンズはモスクワ近郊のKMZ工場で製造され、長年にわたって数多くのバリエーションがありました。最初のHelios-44は、1958年のStart cameraに付属していました。

この下線部分です。

つまり、当時のソビエト連邦がBiotar 58mm F2をコピーするにあたって、ドイツのショット社製光学ガラスと同等のものがなかったので、現地の光学ガラス向けに再設計をおこなったと。

ソ連の光学ガラス―――冷戦時代に閉ざされていたとはいえども宇宙開発ではアメリカと先を争い、第二次世界大戦では光学兵器を自国生産していた国力を考えると、決してそのガラス品質がドイツに劣っていたとは思えません。しかし、ソ連製のカメラが質素で作りが悪いのはいまさら言うまでもなく、そのカメラに付属するレンズがCarl Zeiss並みの品質を保持していたのかは疑わしいところです。なにせ、鏡胴の銀メッキからして他ではなかなか見かけない劣化をしていますし。

そんなわけで、写真界隈における旧ソ連のイメージから、初代HELIOS-44はガラスの違いがかなり画質にあらわれていたのではなかろうか? あるいは、その予想とは裏腹に、のちの後継モデルより優れていたなんてこともありうるのかも? ……などという、どっちつかずの疑問をいつもの比較撮影で解き明かしてみたいと思います。

ようするに―――

ショットガラスと旧ソ連製ガラス、その品質に差はあるの?


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レンズ探求 #43 BiotarとPrimoplanとXenon 野外比較

戦前戦後シリーズの第3回で、これまでのまとめになります。

その内容は、Biotar 58mm F2とPrimoplan 58mm F1.9とXenon 50mm F2の写りを順々に比較していくだけで、個別の解説はありません。まあ、せっかく一時代のExakta用標準レンズがそろったので、歴史的な意義も込めて資料を残しておこうというのが今回の趣旨です。

ただし、ひとつだけ変更を加えているのが、Biotarをより古い戦後初期型にしていることで、これにより、戦後型が出てすぐに終売となってしまったXenonと、より公平な比較になるのでは?と思います。


【比較に使用した個体】
Biotar 58mm F2(4群6枚、ダブルガウス、1940年代後半の戦後初期型
Primoplan 58mm F1.9(4群5枚、変形エルノスター、1950年代前半の戦後後期型)
Xenon 50mm F2(5群6枚、変形ガウス、1940年代後半の戦後型)


いちおう補足しておくと、この並びは35mm一眼レフの始祖ともいえるKine Exaktaの標準レンズを戦後型に当てはめたものですが、1950年代に入るとWestagon 50mm F2やAngenieux 50mm F1.5(S21)なども価格表に記載されていることはご承知おきください。もともとの戦前型にしても、テッサータイプ以外の標準レンズが他にも存在していたのかは不明です。(調べていません)


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レンズ探求 #42 Xenon 50mm F2(戦後型) 野外比較

戦前戦後シリーズの第2回で、今回はXenon 50mm F2が主役です。

ここでいきなり当ページにたどり着いてしまった方は、できれば前回のPrimoplan 58mm F1.9の導入部を読んでいただきたいのですが、なぜこのようなレンズ選択になっているのかをかんたんに説明すると、35mm一眼レフの始祖ともいえるKine Exaktaの価格表に出てくるのがツァイスのBiotar 58mm F2、マイヤーのPrimoplan 58mm F1.9、シュナイダーのXenon 50mm F2であり、そのライバル関係、スペック、価格差に興味深いものを感じたからです。

これが戦前の価格表で、戦後しばらくしてExakta VX(1951年~)の時代に入ると、Xenon 50mm F2の名前は消えます。代わりに登場したのが、新設計のXenon 50mm F1.9ですが、このレンズは評判がよかったのかM42、DKLなど複数のマウントに展開され、長らく生産が続けられることとなります。当サイトでもContarex Planar、SUMMICRON-Rなどと一緒に取りあげています。

Casual Photophile
Carl Zeiss Jena Biotar 58mm f/2 – Lens Review

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こちらは自分で入手した戦後のカタログですが、戦前のものと同じく共通仕様のカメラ本体が含まれた価格です。
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ここで問題なのはXenon 50mm F2の価格です。戦前/戦後の価格表を見ても、PrimoplanはあきらかにBiotarよりも格下関係、そのPrimoplanとまったく同じ値付けで売られていたのがXenonなのです。

  • Kine Exakta + Primoplan 58mm F1.9-185ドル
  • Kine Exakta + Xenon 50mm F2-185ドル
  • Kine Exakta + Biotar 58mm F2-270ドル

は? PrimoplanとXenonが同価格帯なんてウソでしょ? ( ̄ー ̄ )?
だって、Xenon 50mm F2って……

初見でSUMMICRONかと思うほどの高画質だったし。


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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



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*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

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