ZEISSレンズとかなんとか

*画像サンプル、その他与太話*

他社レンズ

Planar 50mm F1.4再考 #8 NOKTON 58mm F1.4 旧型Topcorの数値を読む

今回はやや脇道。

コシナのNOKTON 58mmをちょっとだけ使ってみた感想は、まさに現代に設計されたクラシックレンズでネガがほとんどない優等生でした。唯一目に付く色収差に関しては、古いレンズを知り尽くす達人の趣向なのか、コストと性能のバランスを取った結果なのかはよく分かりません。もっと根本的な話として、ただ単に2003年という時代性を反映したフィルム用だったというオチかも知れません。

このレンズは元が「復刻」というのがひとつの売りで、よくレンズ紹介の枕詞に使われていたりしますが、使えばすぐに分かる発色の違いなどから、オリジナルとは似て非なるものというのが一般的な見解だと思います。じゃあ、実際にどれくらい違うのか?どの程度まで似せているのか?というのは気になるところですので、取り寄せてみました以下の本。


クラシックカメラ選書-22
レンズテスト[第一集] 中川治平・深堀和良



続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #6 NOKTON 58mm F1.4 野外比較

※また画像だらけです。モバイルの方は覚悟してご覧ください。

空は晴天ですが太陽にほとんど見えないほどの雲がかかっていた日もあり、今回の信頼度は85%~95%とカットによってややばらつきます。曇天の違いも見たいですが、差し込む光の変化量が多すぎるので労力的にちょっと無理。


注記なければ絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はCamera Standard(DPPのスタンダード相当)
※絞り込むと絞り羽の状態差などで露出がばらつくので絞り優先AE、さらにRAW現像で明るさを揃えています。

最初の画像がNOKTON 58mm F1.4 SLII、後の画像がPlanar 50mm F1.4 AEJですべて共通。


絞りf4
1350


1351


続きを読む

他社レンズのお勧め度 CONTAXとの比較も

CONTAXの描写性能を確認するために比較した他社レンズの評価をまとめておきます。
繰り返しますが、レンズ評価というのは何を重視するかで変わってきますし、特に古いレンズは描写性能の低さを個々人が好き勝手に解釈する世界でもありますので、正解を提示する内容ではないことにご留意ください。

レンズは適宜、追加していきます。☆5つで最高。


5912


続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #5 NOKTON 58mm F1.4 撮り歩き

このレンズはすごく分かり易い良さがありました。さすが人気レンズといったところ。


注記なければ絞り開放F1.4 Planar 50mm F1.4の写真は一枚もありません。
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードを基本に微調整のみ

映画の一場面をイメージして現像。
物凄いフレアー…ってわけではなく、これは前ボケの反射です。
1293


絞りF4
彩度、コントラストの補正なしで、冬の浅い夕暮れ。
1295


続きを読む

Planar 50mm f1.4再考 #4 NOKTON 58mm F1.4 室内比較

今回は現代のクラシックレンズ。

設計は2003年と思われますが、その頃に設計者が今後のデジタル時代をどれだけ意識していたかなどはまったくもって関係ないほどに我が道を行く国内メーカー製。そうです、新製品でこんなレンズをラインナップできるのは唯一、COSINAだけ。といっても、当時は世のアダプタ遊びもまだ序の口ということで、コシナと言えども最初は限定販売だったわけですが。

このレンズについては面白い推論がありまして、設計まで言及できる方はこの復刻をこういう風に見るんだなあととても感心させるものがあります。

「帝国光学研究所」について9 
日本の最高傑作と言われたレンズ
http://www.photo-china.net/column/topcon.html

フランジバックの関係でニコンには使えませんし、それで持て余しているユーザーが多いとされています。そのためコシナは少し設計変更してニコンFとM42で販売したのだと思います。しかしニコンFに合わせるなら忠実な復刻はできません。レンズの後端がミラーに当ると思います。コシナ復刻は径が小さいですが、それはニコンに合わせるために設計変更したからだと推察されます。

実際、オリジナルの5群7枚に対し、復刻版は6郡7枚となりコーティングも違うとなればほぼ別物だと思います。じゃあこれは何かというのはおそらく、評判の良かったオリジナルの描写特性のイメージを再現しようとした現代のレンズだと思います。では、その評判とはどのようなものだったのでしょう? ――ここで持論を展開できないのがレンズマニアではないただのCONTAXまにあの悲しさよ。<(_ _)>
というわけで、58mm F1.4というものに評価軸がない自分としてはひとつひとつ順を追って見ていくしかないわけです。現代のコシナが何をしたかったのか、とても興味ありますしね。


一応、コシナのWEBサイトにはこのように書いてあります。

http://www.cosina.co.jp/seihin/voigt/v-lens/sl2/58sl2/
設計に無理のない大口径標準レンズとして伝統的に採用されてきた58mmレンズを、現代の技術で実現。クラシックレンズの味わいと現代的な性能を両立。

この宣伝文をそのまま鵜呑みにするなら、クラシックレンズの味わいと現代的な性能を両立”という部分がキーワードとなるでしょうか。



続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #3 Oreston 50mm f1.8 野外比較

※記事の性質上、途中で切れないので画像だらけです。モバイルで閲覧の方、お覚悟を!


Oreston 50mm F1.8は1960年代の製造と、CONTAXより古いながらも発色は遜色なく一芸に秀でているということで、自分自身でもかなり興味深い比較となります。具体的な焦点となるのは、1: 昔のシングルコーティングの性能はいかに? 2: このレンズが強い印象を残す近接描写は本当に特別なものか? という二点で、特に2の近接描写にPlanarは近いのか?遠いのか?ということが最大の興味となります。

しかし、実際の比較に当たっては大きな問題が複数あり、この二者では明るさ/周辺光量/ボケ量のすべてが揃わないというなかなかに頭の痛い状況でした。

マニュアルモードで露出を固定。
Oreston 50mm F1.8
1430

Planar 50mm F1.4(F1.8)
1431


これはPlanarをその都度マイナス補正して最後にRAW現像で微調整すればいいのですが、この補正量は距離が寄るほどに少なくなるという面倒くささ。具体的には遠景~中景でおおよそ2/3~1/2EV。近接で1/3EVといったところです。(※後でPlanar 50mm F1.7と比較してみましたが、一般的な状況では特にOrestonのT値が悪いわけではないようです)

次に周辺光量ですが、OrestonのF1.8に合わせるとPlanarは半段絞り込むことになり、そのせいで輝度分布ががらっと変わってしまうのです。ここで、F値の違うレンズを厳密比較するそもそもの無理が出てしまったように思いますが、周辺減光を古いレンズの味と見なし、絞り込んだPlanarの周辺部をRAW現像であえて暗く落とすことにしました。

中心部のみ明るさを合わせると、このような諧調差となり比較評価が惑わされてしまいます。
Oreston 50mm F1.8
1432

Planar 50mm F1.4(F1.8)
1433


そして、これだけやっても最後に残るのはボケ量の明らかな違いで(画像はこの後ふんだんに出てくるので割愛しますが)、OrestonのF1.8はPlanarのF2.4付近のボケ量しかありません。Planarをここまで絞ると、もう完全に丸ボケが角ついて積極利用したくない絵になりますし、ここは無視します。


【ここで重要事項まとめ】
開放f値が違うレンズは絞りの数値を合わせても描写が揃わず厳密比較がしにくい。

 ・理由1: 条件を合わせようと絞り込んだレンズは周辺光量に余裕ができ、
  ボケ量が比較対象より優位になりがち。
 ・理由2: 画面内の輝度分布も平坦になり、絞り開放の絵とは別物。
 ・理由3: 撮影距離によってこれらのズレ具合が変化する。
  (※一般論として、レンズは寄るほどに周辺光量が豊富になる)


そいじゃ、前口上が長すぎましたが、ようやく実写に移りましょう。
RAW現像はいつもと違って細かな補正があるので頭の片隅に入れておいてくださいねっと!



続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #2 Oreston 50mm F1.8 室内比較

まずはいつもどおり、定規によるピント周辺の観察ですがこれが曲者で、なぜかというとこのレンズは50mm F1.8というスペックなのに実際の露出は同じ絞り値にしたPlanar 50mmよりも1/2~2/3EV程度暗く、ちょうどそのくらいボケ量も小さいのです。
先に野外での実写を行っていたのですんなり描写を合わせることができましたが、このレンズは厳密な条件一致ができず、本当は比較の体をなさないということだけ頭の隅に入れておいてください。(その理由は後々判明します)

A: Oreston 50mm F1.8
1482

B: Planar 50mm F1.4 AEJ(f2.4)
1483


続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #1 Oreston 50mm F1.8 撮り歩き

Planar 50mm F1.4は特徴の薄いレンズです。50mmという凡庸な画角が悪いのでしょうか、CONTAXに慣れ切ってしまうと、このレンズは面白いともつまらないとも言えない微妙な立ち位置に思えてきます。他のオールドレンズほど荒れるわけでもなく、どんな状況でも安定した発色を維持し、解像は必要十分で逆光にも強い。明確な樽歪曲は用途を狭めますが、とりあえず1本持って外に出るときには何の疑問も持たずにこれを選べるほどの頼もしさです。
ん、ちょっと待て、それは褒めてるんじゃないのか?と突っ込まれそうですが人間の強欲は果てしないもので、安定した結果が得られるとしたら、それはそれでさらなる描写を求めてしまうのです。

そんなこんなで最近は無感動となったPlanar 50mmの描写を、もう一度、はっきり認識してみようというのがこのシリーズの趣旨で、まずはとあるオールドレンズの写りを見てみましょう。 


続きを読む

S-Planarとカミソリマクロ #4 意味のなかったチャート撮影

意味なかったので終了、ではなくて。

撮影にいけないのでPlanar 50mm比較のために作ったチャートを活用しようと、S-Planar100mm F4と60mm F2.8、MACRO 70mm F2.8 EX DGの解像比較を行ってみましたが、当たり前というか、ただ単に近距離で平面を撮るだけならどれも解像専門のマクロレンズですから差が出るわけもありません。等倍まで近づけばさすがに差が出たのかもしれませんが、とんでもない精密さが必要になるので行っていません。正直、その領域はマクロ専門の人でないとちょっと無理。

で、せっかく手間を掛けたので記録として残しておきます。


続きを読む

S-Planarとカミソリマクロ #3 ボケ像比較

なかなか二本持って撮りにいけないので、S-Planar 100mm F4とSIGMAのMACRO 70mm F2.8 EX DGの室内ボケ比較です。両者のコントラスト再現が違うことは確認済みなので、比較対象であるPCパーツを濃度の中心としてその他のズレは無視します。

レンズのボケ描写を見る場合に、100mmと70mmでは焦点距離が違うのでどうやって比較するのかが問題です。同じ距離で撮影して70mmmをトリミングで合わせても、それは焦点距離による被写界深度の違いを確認しているに過ぎません。

実際に距離を固定して撮影してみると、100mmと70mmは同じ中望遠の括りなのにこんなに違います。当然、ボケ量も違うので比較になりません。
194


妥協案として、70mmの距離を詰めて絵をできるだけ揃えてみたら、あら不思議。一応近い画角特性だからかパースの違いはともかく、ボケ量はピタリと揃いました。これでボケ像のチェックができそうです。


続きを読む
その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

クリックなしの大きい画像集はこちら。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com

Twitter プロフィール
ブログ内検索
最新コメント


*メインはCONTAXのZEISSレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていて割と読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。


*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。


*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。


*メーカーの公式本。たしか、MM時代のMTFデータとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たり障りのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。


*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。


*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に解説を寄せている築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、割とあちこちに記事を書いている人なので内容が重複する印象あり。


*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。


*ネットの普及していない時代にこれだけ各レンズの特徴に深く言及した人はいませんでした。書いてあることはかなり的確ですが、今時のデータ主義とは違い当時の熱量をそのまま表した官能評価です。オールドレンズで有名な澤村氏の口調に似ているかも。ただし、カラーメーターを使い印刷にもこだわったその姿勢は雑誌作例をゆうに超えています。


*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズの階調描写について水墨画の複写を例に出していたのは今にして思えばまさに的確。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。


*特定ライターの主観を廃しカタログ的に物撮りされた機材を魅せていくこの内容は「コンタックスとツァイス・イコンの肖像」の編集方針にも似て品が良い。ただし、出てくるカメラの数が多いので個々の解説記事は薄め。巻末の黒川氏のモノクロ作例はオールドレンズの味わい方を見事に示しているようでおすすめ。


*Carl ZeissはPフィルターを嫌うようで、CONTAX時代もUVフィルターはマルチコーティング、Pフィルターはシングルコーティング=保護用だから撮影時には使うなよ(無言の圧力)みたいな感じでした。フィルターのT*にどこまで意味があるのかは分かりませんが拘る方はどこまでも突き進むべし!


*マルミ製リアキャップ。形は純正とは違います。今時はマウント変換後の他社用を使うのが常套でしょか。


*Planar 50mm f1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングをかませると軽快かつほどほどの深さでベター。


*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。


*中華アダプターやレンズフードの反射防止に。


*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。


  • ライブドアブログ