中華アダプタ

中国製マウントアダプターは本当に精度が低いのか?

む……蒸し暑くて……ヨボヨボですが……
大事なことなので頑張ってレポートしたいと思います。 ( ›´ω`‹ )


中国製マウントアダプター(以下、中華アダプター)は精度が低いので、本当にこだわるなら国産のRAYQUALだよ、というのはよく聞く話です。まあ、たしかに高いだけあって作りはいいし、特に製作者の方はCONTAX好きとあって、RAYQUALには格別なこだわりが見てとれます。


しかし、中華アダプターが画質面においてどれほど悪いのか?というのは、実際に様々なレンズ比較をしている自分にしてもよくわかりませんし、それを明確に指摘した記事も見かけません。そんなわけで、今現在、ちょうどこのテストができそうなレンズとアダプターがあるので、この疑問に自分なりの答えを出してみたいと思います。

ベンチマークとなるのはコシナ Distagon 21mm F2.8 ZEシグマ MC-11。このふたつともmade in Japanを謳った信頼性の高い製品です。特にMC-11は他に存在しないレンズメーカー製のEF-NEXということで、マウントアダプター界では最高峰のクオリティといえるでしょう。
11078

ところがところが、これが意外な事実が浮かび上がるのです……。


続きを読む

Eマウントのケラレ検証 その5 ケラレそうなEFレンズ+その他

図形を書いてEマウントのケラレを調べるシリーズの最後です。作図についてこまかな説明、光学的な補足が必要な方は、以下をご覧ください。

Eマウントのケラレ検証 その3 
Eマウントとマウントアダプターの関係を作図してみる
http://sstylery.blog.jp/archives/77042641.html


まずはレンズの透視図を入手できたEF85mm F1.2Lをもとに、今回の記事の前置きをしたいと思います。

この図のカメラ側とマウントアダプターはすべて現物から実測していますが、これに合わせる交換レンズはCANONのWEBサイトに掲載されているレンズ構成図から大幅な拡大で合わせています。よって、正確さは欠けますし、一番重要な後玉もレンズごとに違う固定方法があるので、最端の光線がどの位置から射出されるかがわかりません。本来は実物を手にとって後玉の露出している部分を計測すればいいのですが、そういうツテがあるわけでもないので、これらの図はあくまでEマウントのケラレを見るための参考程度に過ぎないという認識でご覧いただければと思います。

9568

続きを読む

Eマウントのケラレ検証 その4 純正レンズ

タイトルはケラレ検証ですが、ありふれたF1.4の一眼レフ用レンズくらいではまったくケラレないことが分かったので、今回はショートフランジバックのEマウントに対し、純正レンズがどういうふうに後玉を収めているのかを中心に調べてみます。

まず、いきなりこの記事に辿りついた方は前回の作図記事をご覧ください。図形に関しての詳しい説明は省きますので。

Eマウントのケラレ検証 その3 
Eマウントとマウントアダプターの関係を作図してみる
http://sstylery.blog.jp/archives/77042641.html


このEマウントに対し、実際のSONYの設計は?
9547


続きを読む

Eマウントのケラレ検証 その3 Eマウントとマウントアダプターの関係を作図してみる

ことの始まりはシグマのMC-11。このマウントアダプター、すごく手の込んだことをしていて、なんと、わざわざEマウントの四隅に当たる部分をえぐっているのです。

6536


では、実際にこの部分がとても有用かというと、ほとんどのレンズはまったく関係ないほどの微妙な加工です。正直、開口部を拡げるのであれば、もっとざっくり削ってくれればわかりやすいのですが、剛性との兼ね合いでそこまではできないのでしょう。

でも、最新のレンズでは四隅にたっぷりと光が入る物もあり、そういう場合は多少なりとも違いが出るのかも?と中判用のApo-Macro-Planar 120mm F4を装着して、普通のアダプターと撮り比べてみましたが、この加工の効果はよくわかりませんでした。

うーむ……だいたいにして、Eマウントってどういうふうに光線が入射してるんだろう? ちょっと測ってみるか……なんてPhotoshopで作図しはじめたら、もう泥沼。


にいさんがた、慣れないことはするもんじゃないぜ……。 _( ́ཀ 」 ∠)_  ゴフッ


続きを読む

わらわらと増えてしまったM42アダプター

わたくしは決してM42レンズマニアではないのに、なぜだか今、こんなことになってます。
( ̄ー ̄; ナゼ?

9169


A: 昔、300円くらいで海外から直接買った最安のM42-EOS。(ピン押しなし)
B: フィルム時代に買ったM42-C/Yの使い道がないので、これを感触が悪かったC/Y-EOSにはめてM42-EOSに。(ピン押しあり)

C: 記事作成用にいただいた新型M42-NEX。(ピン押しあり)
D: Aの回転方向のガタつきが大きく、ずっと我慢していたので今回、買い足したM42-EOS。(ピン押しなし)


続きを読む

マウントアダプターのフランジバック調整

いつも文章が長いので、今回は簡潔にいきまする!

え~と、標準~広角系の特定レンズをピントリングの突き当りでほぼ無限遠に合うようにする改造工作の実例です。“ほぼ”とぼかしたのは、この作業はかなり個体差に左右されるので、必ずしもデジタルのピント拡大で合わせた完璧さと同等になるとはかぎらないからです。

使用するマウントアダプターは無限遠を行き過ぎる中国製品、比較的、軽めのレンズを想定しています。

左: よくあるオーバーインフ  右: 無限遠が距離表示と一致
59875988b

この改造を行うメリットは、スナップの速写性が上がることです。


続きを読む

中華アダプター 重い望遠レンズをしっかりと支える方法

どんっ。
5626

α7IIにこのものものしいレンズは何かというと、中判用のApo-Makro-Planar 120mmでございます。アダプターの組み合わせはCONTAX 645-EOS+EOS-NEXで、さすがに重いレンズに中国製マウントアダプターの二段重ねだと製造公差のゆるさが仇になるのか、EOSの接続部で縦方向のおじぎが発生してしまいました。

その対策としては、マウントアダプターの板バネをかっちかちに固くすればよいのですが、明確なお辞儀が発生するということはマウント同士のガタが多いということでもあるので、レンズを振り回していれば、いずれ板バネが重さに負けてまたおじぎがはじまるはずです。

重い望遠レンズでもしっかりと中国製マウントアダプターで支えられるようにすると、当然、それ以外のレンズの取り外しが固くなり、ほぼ専用の物となってしまいますがしかたありません。


改造じゃ~~~っ!


続きを読む

今日びの中国製マウントアダプター EOS - NEX 三脚座付(取り外し式)

え~いつも当サイトの記事にはなにかしらテーマや主張があるはずですが、今回はなにもなし。また新しいマウントアダプターを買ったので、みなさんの暇つぶしになればいいかなと。


買ったのはこれ。EOS-NEX 三脚座付アダプター(取り外し式)。

なぜ、いまさらこんなものを?という疑問が浮かぶでしょうが、Apo-Makro-Planar 120mm F4をα7IIで使うとあまりにも重量バランスが悪くて接写時に安定しないので、こ~りゃ1個三脚座付のアダプターを買って試してみんべえ、と海外から取り寄せてみました。この製品、アルカスイス互換の長い三脚座があるのですが、Apo-Makro-Planar 120mmの太いピントリングの邪魔になると困るんで、とりあえず無難なのを選んでみました。

5610



続きを読む

K&F Conceptは本気です! 新型M42 - NEXの詳細レビュー

マウントアダプターのK&F Conceptはタダモノではありません。

海外市場でその名前を見かけた当初からカラー印刷の箱つきで、商品は中国製の匂いを感じさせないロゴ入りかつスマートなデザイン、きちんとブランディングされたその姿勢は日本AMAZONでの取り扱いを契機にあれよあれよとマニア層に浸透し、とうとう本格的な日本進出を果たすまでになるのです。

【CP+】MFレンズとマウントアダプターのマニアックな世界
マイクロフォーサーズ用魚眼レンズなど 廉価アダプターのK & F Conceptが日本初上陸
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/eventreport/1046440.html


焦点工房、K&F CONCEPTの取り扱いを開始
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1047312.html


K&F Conceptの良さはひとえに品質が一定に保たれていることで、その品質とは極端な安値競争をしない代わりにむやみやたらなコストダウンをしないことです。その結果、K&F Conceptのアダプターは中国製品にありがちの初期不良や個体差を排除するには至っていませんが、マウント時のスムーズさやマウントロックのぎくしゃく感のなさなどでユーザーに好印象を与え、「次もここにしよう」と素直に思わせるほどの安心感を醸しだしているのです。

興味深いのは、これだけユーザーに受け入れられているわりには、メーカーは売れ筋をすべて網羅しようなどという大胆さはないのです。まさに力押しではない従来の販売戦略どおりに、ヘリコイドアダプター(LEICA M - NEX)やギア駆動のCONTAX G - NEXなど製造難度の高い製品はさけ、今現在、もっとも流行りの電子接点付アダプターはEF - NEXの一商品だけです。

そういった保守的な面が見える一方、フジの中判ミラーレス用アダプターは数が出ないはずなのに積極的に網羅するなど攻めの姿勢もあり、これらを総合すると、K&F Conceptはとても商才のある方が全体の方向性を決めているのではないかと思われます。


そんなK&F Conceptがはじめて独自の進化を見せたのが、少し前に発表になった新型のマウントアダプターです。後部は真鍮製の別パーツとなり、内部は反射防止塗装あり。果たして、その実態は?

K&F CONCEPT、ソニーE用マウントアダプターに改良型
M42、ニコンF、キヤノンFD、ミノルタSR用
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1051426.html

続きを読む

【緊急】 謎のEF - NEX 電子式AF ヘリコイドアダプターを追跡せよ

Amazonでなんかおもしろいマウントアダプターないかなーとうろうろしていたら、とんでもないものを見つけてしまいました。

Viltrox マイクロフォーサーズ用 補助ヘリコイド付 オートフォーカス レンズマウントアダプター EF EF-S レンズ Sony E NEX マウント フルフレームに対応 [並行輸入品]


たいていの人は商品タイトルで目が点になると思います。

マイクロフォーサーズ用 補助ヘリコイド付 オートフォーカス レンズマウントアダプター EF EF-S レンズ Sony E NEX マウント フルフレームに対応」


なんでマウント名が三つ出てくるのかと。(笑笑笑)

まあ画像を見れば、これがEF - NEXだというのはわかるのですが、なぜにマイクロフォーサーズ? これはおそらく、ヘリコイド付きマウントアダプターは一般にマクロヘリコイドという名称で売り出されているので、それをAmazonの売り手が誤読したのではないかと思います。

ところが、話はここで終わりません。
詳しい情報を得ようと、当のViltroxで検索してみても簡単には製品情報が見つからないのです。その理由は……


続きを読む
その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



メッセージ送信
Twitter プロフィール
ご支援お願いします!
ブログ内検索
最新コメント


*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

  • ライブドアブログ