よもやま話

α7IIのシャッター幕が壊れました。

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見る人が見れば一発で分かるこの画像は、シャッター幕の破損を示しています。つまり、シャッターブレードの一部が外れて、斜め下でグラグラしている状態です。

え? α7IIもシャッターユニットの不具合が出るの?と、カメラの話題に詳しい人は驚くかもしれませんが、ご安心ください。これは一部で問題となっているα7IIIのシャッター幕の自然故障とは違います。じゃあ、異物でも入りこんだのか?っていうのもたぶん違うので、そのへんの微妙なところも交えて話を進めていきます。


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レンズ探求 #37 ボケ味が良いはずの標準レンズ その2 AUTO ROKKOR-PF 55㎜ F1.8(前期型)

「ボケ味が良いはずの標準レンズ」というお題目は、収差補正の形式的にはボケがきれいになるはずなのに、実際の写りはそうでもなかった残念感をあらわしたものです。

その第二弾をおこなうということは、とうとう本当に後ボケがきれいな標準レンズが見つかったのか?と思われるかもしれませんが、それはごにょごにょごにょ。

そんなわけで、今回、登場するのはAUTO ROKKOR-PF 55㎜ F1.8、

ミノルタは、やはりただものではなかった!! ……かも?


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可変NDフィルターはレンズの前か後ろか

可変NDフィルターは減光量を連続可変できる利点がありますが、色ムラ(画面の二方向に出る陰り)を避けることはできません。ただし、この色ムラの出方には法則があり、常に決まった量が同じかたちで出てくるわけではありません。

【超詳細】可変NDフィルター研究 K&F CONCEPT バリアブルND+CPL(ND2~ND32)

その法則については、すでに詳しい解説を済ませているので省略しますが、これを理解していると疑問に思うことがあるはずです。

可変NDの色ムラがレンズの光線角度に関係があるなら、 ミラーレスのマウントアダプターに可変NDを内蔵したものは色ムラの出方が変わるのではないか? もっと言うなら、実は可変ND内蔵型のマウントアダプターのほうが色ムラは少ないのではないか?

この疑問を解き明かすために、偏光板を使ってかんたんな実験をしてみたいと思います。


左: レンズの前にかざす偏光板  右: EOS-NEXに偏光板を仮固定したもの
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パーマセルの代わりが欲しい カモ井加工紙のmt foto 01

パーマセル高いよ!!(血の涙)

……という人は少なくないはずです。ただし、これは業務用品、業務であれば経費と考えますし、逆に撮影機会の限られるアマチュアがこれを買ったとしても、その使用量なんてたかが知れたものでテープの巻き量も十分です。

ようするに、パーマセル自体は良いものですし、不当な値付けともいえないのですが、しかし、やっぱり高価なので他のテープで代わりになるものを探したい!!(血の涙) という切実な願いをかなえるために、試してみたのがカモ井加工紙のマスキングテープ、mt foto 01。


左: mt foto 01  右: だいぶ減ったパーマセル(Shurtape CP743)
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レンズ探求 #34 コーティングの秘密 MC ROKKORとTopcor

(* ̄д ̄) 「キミという愛の鎖に縛られるなら、ぼくは一生奴隷でもいい」

(*´∀`*) ♡♡♡ 「うそーん、アクロマチックなあなたを縛っちゃう縛っちゃう!」

☆;:*:;☆;:*:;☆ ケッコーン ☆;:*:;☆;:*:;☆


というわけで、緑のロッコールの最終回です!!

(お客様、たいへん危険です! ものを投げ入れるのはおやめください!)


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Vemico NP-F970互換バッテリーをYONGNUO YN600 Airに装着してみる

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このオレンジ色の物体はなんなのかというと、NP-F970というソニーのビデオカメラ用バッテリーの互換品です。ビデオ界隈ではこのようなソニー規格のバッテリーがさまざまな周辺機器で流用されているらしく、うちにあるLEDビデオライトのYONGNUO YN600 AirもNP-F970対応品です。

つまり、‟YN600 Airのレビューを掲載している当サイトはこのバッテリーのテストができる”ということで、近頃、製品プロモーションに力を入れているVemicoさんから声がかかったわけです。

しかし、バッテリーって「充電できました!」「問題なく使えました!」以外になにをレビューすりゃいいんだろう……としばらく悩んだ結果、商品写真をいつも以上にていねいに撮ってみる、というコンセプトで記事を作成してみました。とはいっても、立派な撮影ブースもないし、おしゃれな部屋に住んでいるわけでもないので、たいした工夫はできないんですけどね……。


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【ご案内】レンズリスト

CONTAXはカテゴリでそれなりに分類されているのですが、そうでない他社レンズを整理する意味で作成してみました。やはり、レンズ名をタグづけするほうが理想かな……とは思いつつ、とりあえずの形です。


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アトムレンズの扱い方 PRAKTICARとGN TOPCORの放射線量を計測する

前の記事で、アトムレンズか否か?を判断する決定打として線量計を使いましたが、せっかくなのでいろいろなパターンで測った放射線量をもとにアトムレンズの扱い方を考えてみたいと思います。

もちろん、世間で言われているようにアトムレンズはふつうに使っている分には危険ではありません。でなければ、国で規制されて今現在の中古流通でさえ途絶えていたでしょうから。でも、なんとなくぼんやりとしたイメージだけでなく、もっとわかりやすい指針があると安心して運用できるのではないか? そんなふうに思って、この記事を書いてみました。


サンプルとして用いるのは、東独Carl Zeiss JenaのPRAKTICAR 50mm F1.4 MC(前期型)と、東京光学のRE GN TOPCOR M 50mm F1.4です。どちらも長い間、放っておくと後玉がまっ茶色になるまぎれもないアトムレンズです。特にPRAKTICARはなかなかに黄変具合がものすごく、遠目から眺めるだけで内部のにごりの濃さが分かってしまう恐ろしい状態でした。

どよ~~ん
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レンズ探求 #31 PRAKTICAR 50mm F1.4 MC 前期型の謎

知る人ぞ知るPRAKTICAR 50mm F1.4 MCは、1978年に発売されたCarl Zeiss Jena製大口径標準レンズです。その背景はなかなかに興味深く、当時、世界に進出していた日本の50mm F1.4に対抗すべく、同等のサイズで可能なかぎり製造コストを抑えることが目標だったようです。その詳細は貴重な内部資料とともに、以下のサイトで語られています。

zeissikonveb.de
Die Prakticare 1,4/50mm
https://zeissikonveb.de/start/objektive/normalobjektive/prakticar-1-4.html

しかし、コンパクトかつ安価という要件を共産主義下の東ドイツで達成することは難しかったのか、50mmとしては異様なほど前玉を湾曲させたこのレンズは、トリウム含有硝材を使いながらも多大なるコマフレアを発生させたのでした。

トリウム含有硝材は黄変による製品寿命の低下に加え、製造時に内部被ばくのリスクがあるために、メーカーはさらなる再設計を推し進め、最終的にはトリウム含有硝材をはじめとした高価な高屈折率ガラスを使用しないコストダウンに成功しました。これが1982年に発売された後期型であり、このレンズの当初の目標はようやく達成されたと考えられます。


このPRAKTICAR 50mm F1.4 MCの特徴は、まん丸に湾曲した特異な前玉とマルチコート時代なのにハロが多いみずみずしい写りです。当然、こりゃおもしろい!と目を付けた自分はまずアトムレンズでない後期型を、そのあとにアトムレンズの前期型を手に入れ、まさにこの前期型の最短撮影距離の短さに満足していたのですが、つい、より良い状態のものがほしいという欲が出てしまったのです。

そうして、手に入れた新たな前期型は、どう見てもアトムレンズとは思えないスッカスカのクリアさなのでした。

こ……これはいったい…………? ( ゚Д゚) ?


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CONTAXレンズは本当に高級品だったのか? 国内市場でAEJ/MMJ/AEGの価格を見渡す視野

CONTAXは高級MFカメラとしてデジタル時代の入り口まで生き永らえましたが、それでもしだいに現役当時の記憶は失われていき、現在ではミラーレス世代の新しい人たちがCONTAXの交換レンズ群を“オールドレンズ”として愛でているようです。

その際立った名声は連綿と語り継がれていくでしょうが、しかし、かつてのCONTAXがどれほど高級品であったかという肌感覚は意外と伝わりづらいものです。

そんな雰囲気を知るための手がかりは単純な数字、すなわちメーカー希望小売価格であり、今回はこれを日本カメラショーのカメラ総合カタログにもとづいて他の国産レンズなどといっせいに比較してみます。

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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



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*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

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