ZEISSレンズとかなんとか

*画像サンプル、その他与太話*

レンズ性能検証

Planar 50mm F1.4再考 #16 Elmar 50mm F3.5 野外比較

かなり無茶な比較ですが、これでElmar 50mmの正体が判明するはずです。
前置きとして、室内比較はこちら。

Planar 50mm F1.4再考 #15 Elmar 50mm F3.5 室内比較
http://sstylery.blog.jp/archives/75515988.html


各々のレンズを簡単に解説すると、1975年に発売され、発色も含めたバランスの良さでその後のAF時代にも見劣りしなかったスタンダードレンズといえるPlanar 50mm F1.4 AEJ、方やElmar 50mm F3.5はコーティングがなく硝材の性能もまだまだ不足していた時代のレンズで、その基本設計はなんと1930年代以前!

それでもまだ愛され、使われ続けているElmar 50mmの実際の描写はどんなもんだろう?というのがこの企画の趣旨で、普段からこのレンズを使って素朴に写真を撮っている方は眉をしかめるかもしれませんが、なにとぞご容赦くださいませ。<(_ _)> ペコリ


比較のポイントとして強調しておきたいのは、Planar 50mmはF1.4から二段半絞っているので画質についてはピントもボケも周辺画質も申し分なく、最初からElmar 50mmがかなうわけがないということ、そして、今回使用したElmar 50mmは戦後のコーティング付きで、比較的、写りの安定した個体であることです。



最初のカットがElmar 50mm F3.5、後のカットがPlanar 50mm F1.4 AEJですべて共通。

注記なければ絞りF3.5 絞り優先AEでその他は設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はα7でEOSのスタンダードを模したプロファイル
明るさの微調整、Planarのみ周辺減光を加えて基本的な絵を揃える(※互いに絞り込んだ場合は周辺減光の追加はなし)


Elmar 50mmは日陰も含めたすべての場面でPlanar 50mmよりも軟調です。その差があまり目立たないのは、絵柄の中間濃度を目安に明るさを揃えることで、ハイライト方向とシャドー方向の露出差が平均化されるからです。(※画質差を正しく把握するために、PCでクリック後の1000px画像を閲覧推奨)
6570


6571

続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #15 Elmar 50mm F3.5 室内比較

エルマーという名前はプラナー、ズミクロンに並ぶレンズ界隈の超有名ワードでしょう。
その概要は……と続けられないのは当方がただのあほコンタックスまにあであるためで、まあ簡単なイメージとしてはあの丸っこくて背の低いライカにくっついていたレンジファインダー初期のレンズという感じです。てきとう。


そんな古めかしい物を現代のレンズと比べても仕方ないのですが、逆に考えれば定番的な変形ガウスのPlanar 50mm F1.4を基準とすることでElmar 50mm F3.5の画質を正確に捉えられるのではないか?と、いつもの厳密比較を行うことにしました。ただし、難しいのは、大昔のライカレンズは一本一本違うなどと言われるような個体差や多大なる経年劣化、発展途上時代の硝材の不完全さなどがあり、たまたま選んだ一本がそのレンズの代表的な描写であるとは言い難いところです。


なので、最初に明記しておきますが、今回の個体は別段、美品ではありませんが戦後のコーティング付きで目立ったクモリもないので、それなりによく写る個体です。Elmar 50mm F3.5の製造期間は1930~50年代となりますが、その中でも最後期型となりますので、そういった意味では、比較的完成度の高い時期のElmar 50mmと言えるのかもしれません。

Elmar 50mm F3.5のシリアル番号と製造年代について

LEICA CAMERA FORUM WIKI
https://www.l-camera-forum.com/leica-wiki.en/index.php/Elmar_(I)_f%3D_5_cm_1:3.5
https://www.l-camera-forum.com/leica-wiki.en/index.php/Elmar_(II)_f%3D_5_cm_1:3.5


続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #14 Pancolar 50mm F1.8(仮)

※タイトルが(仮)なのは、追加比較の結果を見てから完成としたいからです。


オールドレンズでOrestonとよく似たレンズはなんじゃろな…… ( ̄ω ̄ ) ?

と考えた場合に、まず、キーワードとなるのは最短撮影距離の35cm
そんで、設計はだいたい1960年代で無難なガウス型のドイツ製レンズとくれば頭に浮かぶのは………


Pancolar!
 (・∀・)パン  (#゚Д゚) コラ-!! 


よし。こいつと比べれば、ますますOrestonの理解が深まるぞ……と、なぜにOrestonに拘っているのかはよく分かりませんが(たぶん、近接時の草花描写が気に入っている)、いそいそとPancolar 50mm F1.8を入手し、軽く比較してみました。

が。

ビビリのあほコンタックスまにあは前期型のアトムレンズをさけ、さらりと後期型を入手していたのでした。ところがなんと、後から気付いたのですが、レンズ構成がOrestonに近いのはアトムレンズの方だったという。

M42 MOUNT SPIRAL

MULTI COATING PENTACON auto 50/1.8(M42) & Meyer-Optik Goerlitz ORESTON 50/1.8(M42)
https://spiral-m42.blogspot.com/2010/04/mc-pentacon-5018-meyer-optik-goerlitz.html

Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8(M42)rev.2
https://spiral-m42.blogspot.com/2014/03/carl-zeiss-jena-pancolar-50mm-f18m42rev2.html


Oreston 50mm F1.8 : 4群6枚
Pancolar 50mm F1.8(前期型) : 4群6枚+トリウム
Pancolar 50mm F1.8(後期型) : 5群6枚

まあ、ガラスに放射性物質を混入させて性能を上げようとしたのがアトムレンズなので、その前期型だろうと後のレンズ構成が変わった(後部の張り合わせが分離された)後期型だろうと、Orestonが下位のレンズであることは変わらないだろうという目論見のもとに、いつもの厳密比較をいってみましょう~。


はたして、Oreston 50mm F1.8とPancolar 50mm F1.8(後期型)は似ているのか似ていないのか?


【残念なお知らせ】
今回、Planar 50mmはF1.4もF1.7もまったく登場しません。この二本のPlanarはもうすでにしっかりOrestonと比較していますので、それを振り返ればPancolarとの差異も想像できるので不要かなと。(真実としては、レンズ三本比較はメンドクサイ。A→B→Cと順に撮影するとAとCの時間差が大きくなり光が揃わなくなるので、A→B、A→Cという二倍の手間が必要になる)


続きを読む

Planar 50mm F1.4再考 #13 Oreston 50mm F1.8 追加比較

Oreston 50mm F1.8の特徴はPlanar 50mm F1.4(F1.8)との厳密比較により、“色が良いのに性能が悪いので近接撮影で芸術的になる”と結論付けましたが、それから多くのレンズを比較し、徐々に収差にも詳しくなってくると以前に行った比較方法に強い疑問が湧いてくるのです。

つまり、50mm F1.8と50mm F1.4(F1.8)を比較した場合に、わずか半絞りとはいえ、絞り込んだ50mm F1.4は描写性能が上がっているのですが、その状態で比べたところで、50mm F1.8の設計が本質的に劣っているのかどうかなんて分からないのではないか? 正しくは、他の50mm F1.8クラスのレンズと比較する必要があったのでは? と、モヤモヤしはじめたところで、手元にはふとPlanar 50mm F1.7がある……。

ならば、今度こそ白黒つけようじゃないかと、やってみました追加比較。これにより、Oreston 50mm F1.8の本当の描写性能が確定するはずです。(ついでに、絞り込まないPlanar 50mm F1.4も混ぜたので、OrestonとPlanarの使い分けという意味でも明確な答えが出ることでしょう)


続きを読む

Planar 50mm F1.4の初期玉神話は都市伝説か? #12 焦点内外像による初期玉比較

実はこの記事、当初ははっきりと白黒つけるような意識はなく、多少なりとも特定個体に対する違和感の根拠が掴めればいいかな程度の意識でした。ところがどっこい、ある思い付きで行った焦点内外像の観察により、初期玉のピント以外の描写について、自分なりの仮説が完成してしまったのです。


事の発端は、この記事で書いたS/N: 581の黒刻印。なんだか絞り開放の雰囲気が違って、どうも丸ボケの輪郭が強く艶やかで、Planar 50mmのクラシカル度が増しているような雰囲気があるのです。

Planar 50mm F1.4の初期玉神話は都市伝説か? #5 黒刻印のボケ描写
http://sstylery.blog.jp/archives/21263788.html

この黒刻印をMMJなどと比較した結果はこれといった差も見えず、撮影者のプラシーボ?と曖昧な感想で記事を終わらせましたが、その後、他の個体を使い続けたあとにこの個体に戻ってくると、やっぱり頭の中に引っかかるものがあるのです。


6200


う~~む、ならばやるしかない! ミラーレスのα7なら素早く精度の高いピント合わせができるから、繰り返し撮影でボケ量が変わってしまうこともないだろうし、光の変化も最小限で済むはず。


いざ! 初期玉比較!!


続きを読む

Planar 50mm F1.4の初期玉神話は都市伝説か? #11 すべては最初から明らかだった

【ご注意】
この記事は、以下の#9に追記したPlanar 50mm F1.4の個体差に対する光学的な解釈が正しいとした上での内容となります。当然ながら、これらは専門家でもなんでもない素人がWEB記事で得た知識からの推論になりますので、てきとうに話半分に読んで頂ければ助かります。

・Planar 50mmF1.4の初期玉神話は都市伝説か? #9 伝説に終止符を打つ

で、本題としては……#9の追記をしたあとの自分があらためて「アサヒカメラ ニューフェース診断室 コンタックスの軌跡」を読み返すと、なあんだ、最初から事実はここにあったのね、という話です。


続きを読む

Planar 50mm F1.7 MMJ #2 Planar 50mm F1.4 MMJとの比較

さて、前回の続きなので、手早くチャカチャカいきましょう。
AEJとの比較で気になった50mm F1.7 MMJの発色特性は、同時代の50mm F1.4 MMJと比べてみればはっきり掴めるのではなかろうか?ということでテストです。


最初のカットがPlanar 50mm F1.7MMJ、後のカットがPlanar 50mm F1.4 MMJですべて共通。

注記なければ絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はα7でEOSのスタンダードを模したプロファイル、明るさを同等に調整


絞りF5.6
5842


5843


続きを読む

Planar 50mm F1.7 MMJ #1 AEJとの比較撮影

ばあさんや……わしゃ、もう疲れたよ……( ´ - ` )

撮影のたびに風はしばれるし、太陽は隠れてしまうし…… (´-`)

わしゃ、なんのためにこんな苦労しとるんじゃろう…… (-)

……………

………

……


なんて関係なくぅ、

ヤホホーヤホホー、レンズの謎とけるのうれしいなー

\( ̄∇\)  ・・・・・・・  (ノ∇ ̄)ノ


Planar! ZEISS! だいすきじゃあー

└( ̄- ̄└)) ΞΞΞΞΞ  ((┘ ̄- ̄)┘


ナニトッテルンスカ?……なんて声もきにしないぞぅー

ゝ( ̄□ ̄;;)   アヤシイヒトジャアリマセン   (;; ̄□ ̄)ノ


きょうも判明、レンズのびょうしゃー

Φ( ̄▽ ̄Φ)   シャンシャン   (Φ ̄▽ ̄)Φ


みんな仲良く散財だぁー ヘイッ!

ヽ( ̄ρ ̄)人( ̄¬ ̄)人( ̄Д ̄)人
       ↑
(このBlogを見にきているあなた)


続きを読む

徹底的にレンズ比較をする時の撮影条件

このBlogの核だと思うので、詳しく書いておきます。

CONTAXのAE/MM比較や個体差を見る際に必要な条件は以下です。これは自分自身が明確な答えを知りたかったのと、CARL ZEISSという巨大な名前に影響された誇大広告をあんまりよく思っていなかったというのが理由で、かなり神経質なものとなっています。実用的な意味では、この比較はほぼ無意味でしょう。


・撮影日は快晴が必須条件
→レンズの素の写りを比較するにはライティングが変わっては駄目で、そのために雲のある空は適さない。意外と落とし穴なのが、太陽の周りだけ薄い雲がかかっている時で、この状況ではレンズを変えるたびに微妙な写りの変化があるので厳密な比較は不可能。

続きを読む

Planar 50mm F1.7 AEJ #2 Planar 50mm F1.4 AEJとの比較

さて、この比較ですが、目的としてはPlanar 50mm F1.4との違いを判明させる一点のみ。つまり、Planar 50mm F1.7はよりシャープだとか、ボケがいいとかの巷の感想を実写画像で白黒つけます。


しかしですねえ……開放F値が違うレンズは厳密比較ができないのですよ、毎度毎度言っておりますが……。
一見、50mm F1.4を半段だけ絞れば同じになりそうですが、実はこれ、大違い。絞り込まれた50mm F1.4は、周辺光量に余裕ができることで50mm F1.7よりもボケが大きくゆったりし、軽減された周辺減光は画面全体の諧調感に違いを生むのです。じゃあってんで、絞り開放同士で比べると、今度は被写界深度が違うのでどうもすっきりしない比較画像になる。

てなわけで、撮り手としては、もう絞り開放同士とF値を合わせた画像の両方を載せるしかないという結論になるのですが、どちらに意味があるのかは皆さんで判断してください。たった半段の違いなんだから、絞り開放描写を見るべきでしょという御仁も、いややっぱり同じF値で数字を合わせるべきだという御仁も、どちらにも一理あり。


続きを読む
その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

クリックなしの大きい画像集はこちら。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com

Twitter プロフィール
ブログ内検索
最新コメント


*メインはCONTAXのZEISSレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていて割と読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。


*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。


*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。


*メーカーの公式本。たしか、MM時代のMTFデータとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たり障りのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。


*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。


*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に解説を寄せている築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、割とあちこちに記事を書いている人なので内容が重複する印象あり。


*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。


*ネットの普及していない時代にこれだけ各レンズの特徴に深く言及した人はいませんでした。書いてあることはかなり的確ですが、今時のデータ主義とは違い当時の熱量をそのまま表した官能評価です。オールドレンズで有名な澤村氏の口調に似ているかも。ただし、カラーメーターを使い印刷にもこだわったその姿勢は雑誌作例をゆうに超えています。


*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズの階調描写について水墨画の複写を例に出していたのは今にして思えばまさに的確。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。


*特定ライターの主観を廃しカタログ的に物撮りされた機材を魅せていくこの内容は「コンタックスとツァイス・イコンの肖像」の編集方針にも似て品が良い。ただし、出てくるカメラの数が多いので個々の解説記事は薄め。巻末の黒川氏のモノクロ作例はオールドレンズの味わい方を見事に示しているようでおすすめ。


*Carl ZeissはPフィルターを嫌うようで、CONTAX時代もUVフィルターはマルチコーティング、Pフィルターはシングルコーティング=保護用だから撮影時には使うなよ(無言の圧力)みたいな感じでした。フィルターのT*にどこまで意味があるのかは分かりませんが拘る方はどこまでも突き進むべし!


*マルミ製リアキャップ。形は純正とは違います。今時はマウント変換後の他社用を使うのが常套でしょか。


*Planar 50mm f1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングをかませると軽快かつほどほどの深さでベター。


*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。


*中華アダプターやレンズフードの反射防止に。


*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。


  • ライブドアブログ