以前にもカビ関連の話はいろいろと書きましたが、もっとわかりやすい単純なチェックポイントを初心者の方に向けて訴えたいと思います。

防湿庫もドライボックスも持っていないそこのあなた!!
いま、室内に転がしてあるレンズは大丈夫!?


さてさて、写真趣味の人間にとって一番怖いのはカビです。なぜ怖いのかというと、カビはレンズコーティングを侵食し、そのまま気が付かずに放っておくと増殖もしますし、中玉にでも生えたら清掃に出さなければいけなくなるからです。(※早期発見であればカビ痕は目立たずにきれいに取れます)

それを防ぐためには、とにかく高湿度を避けること!! ということで防湿庫やドライボックスが活躍するのですが、“頻繁に使っているレンズはカビない説”もあるので、なにも対策せずにやり過ごしている方も少なくないかもしれません。あるいは、まだちょっとそこまでお金をかけるには……なんて。


そこで、こんな一例をお見せしましょう。
クーラーはつけていませんが、風通しはよく、しかし湿気の多い6月後半の自室。

WEATHER EYE お天気データーベース
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そのへんの棚に置いて一週間ぐらい経過したレンズがこれ。
きれいなコーティングでなにも問題ないように見えますね。
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しかし、部屋の明かりに透かして見ると、あらら前玉が湿気に覆われています。
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このまま放っておくとカビてしまう可能性が高いです。なぜなら、この状態にホコリがちらちらと吸い付いてきて、それがカビ菌の養分になるからです。

すぐに前玉を清掃しましょう。



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つまり、ぱっと見、特に問題がないように見えるレンズでもこのように湿気ている場合があるので、室内やカメラバッグに放置していたレンズは前からも後ろからも、ときどき光を透かしてみることをオススメします。仮にここまで湿気ていなくても、ホコリの堆積も湿気を吸うので同じことです。また、このような状態がレンズ内部に見えたら、それはすでにあるクモリです。そのレンズは逆光で通常よりも多く画質低下が出ていたことでしょう。(※個人的に、この手の確認にLEDライトの直当てはオススメしません。オールドレンズには光が強すぎてよほど内部を見慣れていないとガラスの抜けの善し悪しの区別がつかなくなってしまうからです)


カビはなぜ生えるのか?

それはガラスの表面に付着したホコリや汚れが湿気と混じりあって空気中に漂っているカビ菌を発芽させるからです。逆に考えれば、レンズの前玉に保護フィルターを着けておけば、ホコリや湿気が付着するのはフィルター表面となって、カビ発生のリスクを下げることができます。(絶対に大丈夫とは言えませんが、フィルター付きのジャンクレンズを買うと、意外に前玉はなんともない場合があります。また、中玉は別の話)

個人的な感触では、このような放置状態に加えてレンズが暗闇にずっと置かれていると、相当にまずいです。ホコリよけのつもりで室内光を完全に遮るのはやめましょう。

湿気+ホコリや汚れなどの栄養分+暗闇+長期間放置

これがレンズがカビてしまう法則だと思います(※科学的に正確かは不明)。特に気をつけなければならないのはカビにとっての栄養分の存在で、完全に密閉されたレンズブロック内部にカビが生えにくいのは、製造時にクリーンな状態が保たれているからではないでしょうか。


もうひとつ補足として、詳しい天気予報にはその地域の湿度も出ていますが、これをそのまま鵜呑みにしてはいけません。湿度というものは、その人の住んでいる住宅環境、生活様式によって変わってくるので、機材を置いたその部屋の湿度はそこで暮らしているあなたにしか分かりません。


ただの保管だけなら、これで十分いけます。湿度計はお好みで。
冗談抜きでオールドレンズが増えすぎたので(笑)、これに入れっぱなしにしてひと夏をやりすごしました。

ただし、簡易保管庫に数千円かけるのなら一万円以下でも防湿庫は買えます。防湿庫がなぜいいのか?というのは、ただ通電しておくだけでカビに対する安全地帯ができるからです。


レンズのカビについて 防湿庫はいる?いらない?

湿度計はかくも難し 防湿庫の湿度計の話 
http://sstylery.blog.jp/archives/75196994.html

山善製 YRD-300(301)の使い方 カメラ用ドライボックスの運用まとめ