前回の比較撮影で、Distagon 18mmの描写特性について結論を出したのですが、実のところ……

画角もF値も違うレンズでそんなことが簡単に分かるわけがない!  (°言°) ドーン

Distagon 18mm F4 AEG Distagon 21mm F2.8 ZE 比較撮影
http://sstylery.blog.jp/archives/80521681.html

というわけで、なんとか分析の確度を上げようと、Distagon 21mm F2.8 ZEと並行して撮影していたのがDistagon 28mm F2.8 MMJとF-Distagon 16mm F2.8 AEGだったわけです。画角差(絵柄の差)はDistagon 21mmよりもさらに広がりさして有益でもありませんが、すくなくとも同じCONTAXだし、デジタル時代のコシナツァイスよりも通じるものはあるだろうという目論見でした。


Distagon 28mm F2.8 MMJ: ほぼニュートラルな色味による高彩度、CONTAX時代としては高いMTF
F-Distagon 16mm F2.8 AEG: AEG初期の写りの古さ


これらのレンズと比べることによって、CONTAXの中でのDistagon 18mmの位置づけが具体的にイメージできるかもしれない、ということでジタバタしてみたのがこの記録となります。あくまで補助的な比較だったので枚数も少ないですし、結論は前回のレンズ評にまとめたので特に新しい事柄はありませんが、まあ資料的な意味合いとして。


最初の画像がDistagon 18mm F4 AEG、後の画像がDistagon 28mm F2.8 MMJですべて共通。

注記なければ絞りF4 絞り優先撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はα7でEOSのスタンダードを模したプロファイル
※Distagon 28mmの絞りF4のみ周辺減光を加えて、同範囲の階調を揃える


絞りF8
CONTAXの他のレンズと比べてみると、Distagon 18mmの黄色味は思っていたほど強くありませんでした。
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こちらは青っぽく見えますが、Distagaon 28mmの本質的な色再現はほぼニュートラルです。
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画像の明るさはDistagon 18mmの同範囲にきっちりと合わせず、視覚的に似たような印象になるように調整しています。(※面積効果によって、絵が大きいほうが階調が薄く見えてしまうため)
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発色は黄色味を引いたとしても、Distagon 28mmと遜色ないように見えます。
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Distagon 28mmは青も黄もくっきりした高彩度。
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絞り開放では艶やかな発色と高コントラストに周辺減光が合わさり、独特の描写となります。
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冒頭の撮影条件で示していますが、Distagon 28mmの絞りF4はすべて後処理で周辺減光を足していることに注意。
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絞りF8
絞り込むと基本的な味はそのままで、全体の画質が上がります。
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絞りF8
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見た目の画力はあるのですが、細部の切れはDistagon 28mmにかないません。
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絞りF8
絞り込むと解像力は多少改善します。
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Distagon 18mmは古いAEGながら地味系ではなく、発色の良い部類のようです。
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最初の画像がDistagon 18mm F4 AEG、後の画像がF-Distagon 16mm F2.8 AEGですべて共通。

すべて絞りF4 絞り優先撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はα7でEOSのスタンダードを模したプロファイル


絞りF8
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F-Distagon 16mmはDistagon 18mmよりも黄赤っぽく、ハイコントラストです。
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F4に絞り込んでいますが、写る範囲が違い過ぎるので周辺減光は足していません。魚眼の湾曲が上隅で逆に曲がっているのは、実際の通路がゆるやかにカーブして天井に続いているためです。
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開放F4と暗いので嫌な画質破綻はありませんが、さすがに等倍画質を語るレンズではありません。
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歪曲補正を捨てているためか、画面端を除いてとてもシャープなレンズです。
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絞りF8
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検証不足ですが、F8まで絞ると逆に中央部のキレはなくなってしまうようです。
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Distagon 18mm F4の評価は変わらないので、さらっといきます。


【Distagon 28mm F2.8 MMJとの比較】
Distagon 28mmは高発色/高コントラストで解像力もある優秀なレンズながら、絞り開放ではそれなりに柔らかみもある旧世代の設計となります。このレンズの持つ細部のキレにDistagon 18mmはかないませんが、発色やコントラストは劣らず、見た目のインパクトは似た感じです。Distagon 28mmはカラーバランスがほぼニュートラルなので、Distagon 18mmの黄色味はフィルムでも味として使える程度、ものすごく真っ黄色というほどでもないようです。


【F-Distagon 16mm F2.8 AEGとの比較】
このレンズは歪曲収差を考慮する必要がないからか、絞り開放からかなりの高画質で画面中央の解像力はDistagon 28mm並みにあります。当然、Distagon 18mmがかなうわけがなく、コントラストでもF-Distagonのほうが上のようです。ただし、古いセンサーのEOS 5Dでは味わいのある階調などは特に感じず、その点ではさほど高画質ではないDistagon 18mmに絵的なバランスの良さがあるのかもしれません。

(※この記事に限りませんが、基本的に、発色の評価はRAW現像でWBを合わせた状態で行っています)


これらの比較結果から、Distagon 18mm F4 AEGは全体描写は力強いがテクスチャー描写は弱く、黄色味はあるが本質的な発色は良いという前回のレンズ評へとつながるわけです。詳しい内容は重複するので省きますが、Distagon 18mmの特長を簡単にまとめると、広い空間を鷲掴みにし、つややかな高発色/高コントラストと周辺減光でドラマチックに眼前の景色を描き出すレンズといえるでしょう。


RAW現像でより正確に画像を一致させた比較画像はこちらです。(※外部サイト)