安い! 寄れる! 簡単に手に入るっ!

ということで、Oreston 50mm F1.8は自分がCONTAX以外で最初に購入したオールドレンズです。もともとは、最短33cmという撮影距離が便利そうだなと思っただけなのですが、実際に草花撮りに使ってみると………

( ゚д゚) !!!

という感じで、当時の自分はびっくらこいたものです。

実のところ、Planar 50mm F1.4に中間リングを足した接写などは昔からやっていたので、大口径レンズで寄りまくるとどんな風に写るかは知っていたはずですが、なんだかOrestonの芸術性はPlanarの上を行ってないかい……? という不思議な感じを解き明かすために、当Blogの目玉である精密比較のはじまりです。


ピント付近の描写を確認するための定規撮影。これによって、ピントの立ち方、前後のボケ具合、色収差を観察します。本来は開放F値が近いPlanar 50mm F1.7を使うべきですが、このシリーズはPlanar 50mm F1.4 AEJを基準としているので、そのあたりの確認は後回しです。


A: Oreston 50mm F1.8(F1.8)
11798

B: Planar 50mm F1.4 AEJ(F1.4半)
11797


まず、ピントですが、AのOrestonは撮影すれば誰でも分かる球面収差の過剰補正型なので、200線に合わせたピントはそれほどコントラストが立たず、BのPlanarよりも劣ります。ただ、その代わりに描写の線は細く、コントラストを落とす原因となっているハロ(極小フレア)のぼやぼや感もそれほどではないということで、ファインダーでのピント合わせに困るほどではありません。他のレンズを交えた実感としては、過剰補正量(ハロの量)はXenon 50mm F1.9よりは少なく、SUMMICRON-R 50mm F2の前期型よりも多いという、わりと平均的な印象です。

ボケについては、絞り込んで若干ボケ質が良くなっているBと単純比較はできないのですが、前も後ろも特にきれいではありません。本来、過剰補正型の前ボケはふわっと拡散してきれいなボケになるはずですが、Aにあまりそういう感じはありません(非点収差の影響?)。これらのピント、ボケについてはBが絞り開放でないために参考程度の扱いです。

一方、色収差は明確に優れており、半段絞っているBよりも明確にピント前後の色つきがありません。これは色収差補正を厳しく行っているということなのですが、なぜこの時代の大口径レンズで色収差にこだわったのかは不明です。



次はマクベスチャートです。
すでに劣化しているので色の正確性を見るのではなく、おおまかな二者の差異を比較するだけです。ライティング機材もありあわせなので均一な照明にはなっていませんが、撮影条件だけはまったく同じと言い切れます。

A: Oreston 50mm F1.8(F5.6)
11796

B: Planar 50mm F1.4 AEJ(F5.6)
11795


ほぼ5500Kの基準光としては、AのOrestonはBのPlanarよりも黄色味が強く、微妙に黒が明るくなっています。このシャドー浮き、チャート撮影では強い平面反射が起こるためにコーティング性能の低いレンズで顕著になる現象で、Aが特に高級レンズでもないシングルコーティングと考えると、Bのマルチコーティングに対し差が出るのは妥当だと思います。(しかし、今回のライティングは強すぎたようで、外の普通の景色ならOrestonはこんなにも黒が浮かないことを補足しておきます)

参考までに、Planar 50mm F1.4 AEJはニュートラルに近い色再現であるというアサヒカメラの計測結果があり、さまざまなレンズとの比較基準としては適切といえます。


Planar 50mm F1.4再考 #3 Oreston 50mm F1.8 野外比較(やりなおし)