いまさらのレビューなので、基本的な部分は要点だけを抑えていっきにいきます。

6534


まず、MC-11を汎用マウントアダプターにするのは苦しいです。というか、うちのBlog的に。
冷静に考えてみれば分かるんですが、電子接点付のEOSマウントに対応しているということはフルサイズEOSでミラーボックス干渉のあるCONTAXはマウント内干渉が起こる可能性があり、MC-11はまさにそのとおりCONTAXレンズの突起がどこかに当たるようで捻じ込むことができません。EOSのように力をこめてガリっとやればもしかしたら入るのかもしれませんが、代用品がいくらでもあるマウントアダプターでそれを行う必然性はありません。単純にもったいないし。

CONTAXでもC/Y - EOSのアダプターだけにすると問題なく装着できるので、MC-11はEOSでミラーボックス干渉がないレンズのみ使うことができるのでしょう。


そもそも、MC-11の価値はα7シリーズ(II型以降推奨)でAFが動くことにあるので、一番重要な世の関心はその操作性、精度はどうか?ということになるのでしょうが、

わたくし、例によって純正レンズを一本も持っていないので、α7IIのこまかい操作メニューがわけわかりません。

どーん (°言°)


とりあえず、たまたま手元にあるEF50mm F1.4を装着してMC-11+α7IIを適当にいじくってみたところ、AFは素早く動いて静物なら精度も良さそうでしたが、AFモードではピント拡大ができない(?)ので、どの程度、厳密に合焦しているのかはなんともいえません。


【手持ちのEF50mm F1.4+MC-11+α7IIの使用例】
・AFは素早く、EOSのフルタイムマニュアルフォーカスも生きている。
・ピント拡大はレンズ側のスイッチをMFにしなければ使えない。
・開放測光/瞬間絞り込み撮影だが、プレビューボタンは効く。
・カメラ側の手ブレ補正はレンズ側の焦点距離を読み込んで自動設定されている。

・以上の動作状況によって自由にピント拡大できないので、若干、一眼レフ寄りの使い方になる。
・製造時期の違いなのかEF50mm F1.4は個体によってまともに動かないという声もあるので注意。



んで、こういう一般的な話はさておき、当ブログでもっとも興味のあるボケのケラレについて調べてみました。ボケのケラレってなんじゃ?という方は、以前の記事を先にご覧ください。

Bokeh使いはご用心 マウントアダプターのボケのケラレ
http://sstylery.blog.jp/archives/70687022.html


類似品のない独創的な開口部ですが、これは実際に、どの程度の広さなのでしょうか。
6538

てきとうに紙をあてがって測ってみたところ、開口部の最大長はおおよそ36×32mmで、電子接点で邪魔される分、縦が狭いのですが、撮像サイズの縦幅が24mmということを考えるとかなり余裕のある設計と言えそうです。横幅が36mmぴったりなのは、ボケのケラレは基本的には横方向には発生しないことを確認できていることから納得です。(135判レンズの後玉に対し36mmという広さは十分らしい)
四隅の角は斜めに切られていますが、これはα7側の電子接点(マウント後部)の出っ張りに影響された妥協ありきの対称形状だと思います。


ボケのケラレを見るために、前記事と同じテストをしてみました。
カメラから40cm程度の距離に強い反射を置いて前ボケに、ピントは数メートル先。

EF50mm F1.4 + MC-11 + α7II
65396540

EF50mm F1.4 + K&Fアダプター(電子接点なし) + α7II
65426541

EF50mm F1.4 + EOS 5D
65436544


これらを見る限り、MC-11は開口部が円形のK&Fと遜色ない結果が出ているので、Eマウントの電子接点という邪魔者がありながらも最大限の開口部を確保できているようです。また、EOSだけ下側のボケが露骨に欠けているのは、もともとEOS 5Dのミラーボックスが狭い上に、跳ね上がったミラーの厚みが上側の開口面積を狭めるためです。(※カメラの原理的にレンズの投影像は上下左右が反転するため)

いちおう念を押しておきますが、このテストは意図的にレンズの直前に丸ボケを置く極端な撮影方法で、よほど積極的にボケを使う方以外は実害のない一例です。ミラーボックスの狭いEOSでさえ、いくつかの条件が揃わない限り、このようなボケのケラレが発生することはありません。


最後に、MC-11でさすが日本製と感心した部分。
6536


なんと、撮像範囲の四隅に当たる部分が微妙に削られているのです。
6537

これ、現物を見るとほんのわずかな加工なんですが、単純に角のケラレを回避しようとしたというよりは、植毛処理の厚みによって微妙に狭まるマウント径をよしとしなかったのでは……という涙ぐましい心配り。この加工による画質差なんてほとんど分からないでしょうし(*1)、Eマウントが狭いんです!で押し切れる部分なのに……。

シグマさん……あんたぁ間違いなく日本の良心だよ。


ビバ!! 日本の職人魂!!




*1 後部のマウント内径に関与する部位、すなわち、バヨネットリングの縦の厚みはアダプターによってまちまちで、例えばK&Fなんかは剛性重視か厚めです。そこに自分で植毛紙を貼っていて不都合を感じないのだから、このシグマのこだわりは素直に凄いな~と思います。ただ、使っているのは古めかしいCONTAXばかりなので、最近のARTレンズくらいになるとこの加工が効いてくるのかもしれません。最新のレンズは周辺光量が豊富で、ボケの光束も太いでしょうし。