CONTAX N Planar 85mm F1.4とPlanar 85mm MMJの撮り比べ、その2で、両者の明るさをそろえたものになります。これにより、おおまかにはフィルムを使った時の写りの差を示していることになり、N Planarの黄赤の強さは当時のカメラ雑誌で見た印象と合致します。
最初の画像がCONTAX N Planar 85mm F1.4、後の画像がPlanar 85mm F1.4 MMJですべて共通。
注記なければ絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
絞りF2.8
太陽は右上の画面外。
話の本質としては、レンズの写りの違いなどマニアが騒ぐほどのものではないということでしょうが、あほCONTAXまにあとしては、さすがYASHICA/CONTAXで一番人気だったPlanar 85mm F1.4 AEG/MMJだ!とゆがんだ眼差しで持ち上げておきましょう。なお、この絞り開放のコントラスト差はF2.8でほぼ同等となりますが、画像ビューアなどで厳密比較するとそれでもまだN Planarの方がハイコントラストで階調は同一にはならないようです。(その理由はおそらく微細な内面反射の差)
この黄色味、実際に数値を動かしてみるとWBにして300K近くの偏りとなり、以前調べたAEG/MMJ以上の大きな差で、実に不思議なのがこの写りの質感はVario-Sonnar 24-85mm F3.5-4.5やレンズ構成に変更のないPlanar 50mm F1.4でも同じように見えることです。昔のAEGの広角系では高屈折率ガラスの色つきが消し切れていないことが理由と仮定できますが、MMJでニュートラル方向に戻ったカラーバランスがなぜまた黄色方向に崩れてしまっているのかまったくわけがわかりません。これについては、他のNレンズを買ってみないと断定できない事柄なので曖昧なままにしておきます。(今までのパターンからすると、被写体の忠実度を問われるMakro-Sonnarだけ黄色くないというのもありそうな……)
逆光耐性は特に弱点はないが優れてもいないといった様子で、AEG/MMJのように反射要因となる平らな部位もありません。その代りにフレアカッターなのかガラス抑えなのか不明ですが、内側に見えるリングがまるでプラスチックのような質感で反射防止が甘く、コストダウンの一環なのかやや気になります。逆光の度合いによってはF8付近で不可解なフレアーも出て、高級レンズのわりにはなにかすっきりしないものがあります。
最初の画像がCONTAX N Planar 85mm F1.4、後の画像がPlanar 85mm F1.4 MMJですべて共通。
注記なければ絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はα7でEOSのスタンダードを模したプロファイル
※明るさを同等に調整
絞りF2.8
絞りF2.8
絞りF2.8
絞りF2.8
N Planarのボケが硬く見える場合、実効焦点距離が短い=広角寄りでボケが小さい=背景の形が残りやすいことが理由です。
太陽は右上の画面外。
MMJとAEGは絞りの後部に平らな部分があるので、このような内面反射を誘発します。
絞りF4
絞りF2.8
絞りF2.8
絞りF2.8
絞りF2.8
2段絞ってもN Planarの方がまだコントラストが高く、絞り込んでもまったく同一とはならないようです。
2段絞ってもN Planarの方がまだコントラストが高く、絞り込んでもまったく同一とはならないようです。
逆光で空に抜くと色収差が目立つのがMMJ。
絞りF4
絞りF2.8
実際に両者の明るさをそろえてみると、かなり似ている場面と、多少違うかな?といえる場面が混在していると思います。これまでの分析で、まるきり違うレンズと言っていたわりにこのような結果となる理由は、同じ絵柄で階調の中心をそろえると絞り開放のコントラストの差がシャドー/ハイライト両方向に平均化され目立たなくなること、MMJの基本設計が70年代とはいえ発色がまったくN Planarに劣っていないことなどが考えられます。
話の本質としては、レンズの写りの違いなどマニアが騒ぐほどのものではないということでしょうが、あほCONTAXまにあとしては、さすがYASHICA/CONTAXで一番人気だったPlanar 85mm F1.4 AEG/MMJだ!とゆがんだ眼差しで持ち上げておきましょう。なお、この絞り開放のコントラスト差はF2.8でほぼ同等となりますが、画像ビューアなどで厳密比較するとそれでもまだN Planarの方がハイコントラストで階調は同一にはならないようです。(その理由はおそらく微細な内面反射の差)
ホワイトバランスは個別に動かしていないので、両者のカラーバランスには好き嫌いがでると思いますが、撮影者としてかなり明確な黄色味を体感すると、昔、雑誌で見たCONTAX Nレンズの印象どおりで納得します。最新のレンズだけに発色は良く、しかしやけに黄赤がべたっと主張してくるなというのが当時の個人的な感想でした。
この黄色味、実際に数値を動かしてみるとWBにして300K近くの偏りとなり、以前調べたAEG/MMJ以上の大きな差で、実に不思議なのがこの写りの質感はVario-Sonnar 24-85mm F3.5-4.5やレンズ構成に変更のないPlanar 50mm F1.4でも同じように見えることです。昔のAEGの広角系では高屈折率ガラスの色つきが消し切れていないことが理由と仮定できますが、MMJでニュートラル方向に戻ったカラーバランスがなぜまた黄色方向に崩れてしまっているのかまったくわけがわかりません。これについては、他のNレンズを買ってみないと断定できない事柄なので曖昧なままにしておきます。(今までのパターンからすると、被写体の忠実度を問われるMakro-Sonnarだけ黄色くないというのもありそうな……)
逆光耐性は特に弱点はないが優れてもいないといった様子で、AEG/MMJのように反射要因となる平らな部位もありません。その代りにフレアカッターなのかガラス抑えなのか不明ですが、内側に見えるリングがまるでプラスチックのような質感で反射防止が甘く、コストダウンの一環なのかやや気になります。逆光の度合いによってはF8付近で不可解なフレアーも出て、高級レンズのわりにはなにかすっきりしないものがあります。
……さて、今回の比較画像になんとなく物足りなさを感じたとしたら、それは正解です。大口径中望遠の最大の特徴となるBokeh写真を意図的に排除したので。なぜか?というのは、N Planarのボケにひとつ思うところがあって、個別に検証記事を書きたいからです。
そんなわけで、この連載は建物、ボケ比較などまだまだ続きますが、正直に告白するとN Planar 85mm F1.4には性能面で手放しで褒められない部分も見えてきたといった感じです。
カテゴリ :「N Planar 85mm F1.4」