前回、書き切れなかったことの続きです。

マウントアダプター 理想の内面反射対策
http://sstylery.blog.jp/archives/69456482.html

ミラーレスのマウントアダプターは厚みがあるため一眼レフのミラーボックスに相当し、低価格の単純な物では明確な内面反射が起こる、それを防ぐにはどうしたらいいか?というのが前回の大まかな内容でしたが、もうひとつ、反射要因が増える理由にアダプターの二段重ねがあります。

なぜ二段重ねをするのか?というのは人によって様々な理由があるでしょうが、一般的にはEFマウントを間に挟み、多くのレンズ接続をEOS - NEXで賄う便利さがあると思います。例えば、NIKON AI - EOS、LEICA R - EOS、C/Y - EOSを揃えている方はEOS - NEXを買い足すだけですべてのレンズをEマウントに対応させることができます。
ただ、その際に不安要素となるのは、アダプターを二つ接続することでアダプター自身の遊びや個体差が二倍になることです。特に中華製品の場合、オーバーインフが掛け合わさって強オーバーインフとなることで距離指標が大きくズレ、フローティング機構に悪影響を与えるかもしれません。(※フローティングはレンズ内部の独立したエレメントの動きで周辺画質を補正するもので、無限遠がずれていると設計外の効果となります。)

とまあ、堅苦しく考えるとアダプターの二段重ねは良くないのですが、オールドレンズなんてほとんどが全体繰り出しの単純なMFなのでオーバーインフはどうでもいいですし、逆に自分はEOS - NEX ヘリコイドアダプターを使ってすべてのレンズで最短撮影距離を突破する便利撮影とかしてるんで、思いっきり二段重ねを常用しています。これは個人的な話。


んで。
アダプターの二段重ねは物によっては反射要因が増えるんじゃない?って話が今回のテーマ。


これはRAYQUALのC/Y - EOSをPlanar 50mm f1.4 MMJに装着した図。

左が第二世代(現行品と共通)、右が第一世代でバヨネットの露出度合いが違います。この差がEマウントの内面反射に影響するか?というテスト。ちなみに、CONTAXの銀色バヨネットは内側に黒色塗装があることで銀色部分の露出は最小限となっていて、そのためかEOSではこの二者の差を感じたことはありません。

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ついでにK&F CONCEPTの板バネ式アダプターもテスト。この中では一番反射要因が多いです。
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ここ数年、K&Fばかり買っていますが、単に他の製品を試すのがめんどくさいだけ。


K&Fが盛大にブランド展開してるのにBeschoiというOEMが出てくる中華恐るべし。箱まで作ってるし。(-_-;)
しかし、Beschoiとはなんぞな。まさかベストチョイスの短縮とかそんな適当な……。




セッティングはまったく同一ではありませんが前回と同じ、詳しくはこちらの記事後半をご覧ください。レンズはS-Planar 100mm f4(銀色バヨネット)、C/Y - EOSに合わせたアダプターはもっとも反射要因に敏感な艶あり塗装のEOS - NEX、購入時のままです。
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左: RAYQUAL第二世代+EOS-NEX(艶あり塗装)   右: RAYQUAL第一世代+EOS-NEX(艶あり塗装)
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左: K&F CONCEPT+EOS-NEX(艶あり塗装)
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初めてこのテストを見た方は、なんじゃこのフレアは!と思うかもしれませんが、これは厳しい状況で発生したEOS - NEXの内面反射です。このフレアの度合いにC/Y - EOSの反射要因が関与するか?というのが今回の注目点で、結果としてはRAYQUALの第二世代と第一世代では差が分からず、より反射要因の多いK&F CONCEPTはややフレアが増しているかなあ?といった程度。
セッティング図から分かるように、このテストが極端な条件設定をしていることから考えると、どれも拘るほどの差はないと言ってしまっていいと思います。補足すると、この派手なフレアはEOS - NEXの後部に何らかの反射防止処理をすることで簡単に消えます。


で、手持ちのアダプターの中で見るからにまずそうなのがこのRollei QBM - EOS。全体が銀色なのはさておき、このマウントロック兼ピン押しのための突起物がセンサー側にでっぱるのです。
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これまでと同じセッティングでテストをしますが、使用レンズはPlanar 50mm f1.4 HFTとなり画角が変わります。カメラの撮影位置など大幅な調整が入るので、多少絵が変わっていることにご留意ください。

左: QBM-EOS+EOS-NEX(植毛紙)      右: QBM-EOS+EOS-NEX(フレアカッター+艶消し塗装)
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左: QBM-EOS+EOS-NEX(パーマセル)       右: QBM-EOS+EOS-NEX(艶あり塗装)
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EOS - NEXの反射防止処理による差は前回のテストとほぼ同じですが、艶あり塗装はただでさえ強いフレアが拡散している上に周辺のあちこちにも薄いフレアが散っています。植毛紙とフレアカッター+艶消し塗装の比較ではQBMのでっぱりを隠す後者の方が黒の締まりが良好ですがごくわずかな差、植毛紙でも黒にムラがあるのは単純に背景がライトの反射を受けているからです。

結果を単純に見ると、このQBM - EOSは二段重ねで使ってはいけないアダプターとなりますが、マウントロック兼ピン押しのでっぱりに反射防止を行うだけでほぼ解決する問題だと思われます。ただし、古い設計で絞りの指標が真上を向かないなど根本的に作りが良くないので、Rollei SL35のレンズは素直にQBM - NEXを使うことを推奨します。(でも、今時はAMAZONで中華アダプターが直販のような値段で買えるので、もともと二段重ねをする意味はないよね、って言ったら記事の意義がすっとんじゃうので気づかないフリをしてください)


今、持っているQBM - NEXは古い在庫だったのかα7には使えるのにα7IIには固くてはまりませんでした。→爪を薄く削っても固さ変わらず、α7は二代目からマウントの寸法(厚み?)が微妙に変わっているという噂は本当のようです。(-_-)



【まとめ】
アダプターの二段重ねは一段目のアダプターに(ギランギランのでっぱりなど)明らかな反射要因がない限り大きな影響はなく、画質は二段目のEマウントアダプターの反射防止処理に依存する。

以上、前回と合わせて長大な記事を読んで頂き、まことにありがとうございました。<(_ _)>