Eマウントに一眼レフ用のレンズを着けるとケラレるかも?というのはα7発売当初からささやかれていましたが、実際問題としてユーザーの間では話題になっていないように思います。ケラレというと画面の四隅が黒々とするのをイメージしてしまいますが、専門的にはごくわずかな陰りもケラレに入るそうです。

それならば、CONTAXレンズで確かめてみようと比較してみたのが、この実験。



暗い白壁に向かってスローシャッターになるように設定、数秒の露光中にカメラを素早く回転させ環境光のムラをなくします。それぞれのRAW画像の中心をグレー矯正、明るさをRGB: 160,160,160に。無限遠と最短を比べたのは後玉-センサー間の距離差による影響を見たかったため。

左がα7、右がEOS 5Dで共通。


Distagon 18mm F4 開放 無限遠
2268 2270
Distagon 18mm F4 開放 最短
2269 2271

Distagon 18mm F4 F8 無限遠
2272 2274
Distagon 18mm F4 F8 最短
2273 2275


Planar 85mm F1.4 開放 無限遠 ND8
2276 2278
Planar 85mm F1.4 開放 最短 ND8
2277 2279

Planar 85mm F1.4 F8 無限遠
2280 2282
Planar 85mm F1.4 F8 最短
2281 2283


S-Planar 100mm F4 開放 無限遠
2284 2286
S-Planar 100mm F4 開放 約1m
2285 2287

S-Planar 100mm F4 F8 無限遠
2288 2290
S-Planar 100mm F4 F8 約1m
2289 2291


え~と…………最初に言いたいのは……………

初代EOS 5Dが古すぎです。


Eマウントのケラレがどーだというよりも前に、すべての条件で一眼レフのEOS 5Dのほうが周辺減光が大きいというオチでした。超広角は周辺部カラーシフトが起こっているのでセンサーの受光効率が厳しいということはすでに過去の記事で確認済みですが、中望遠の100mmさえα7との差がしっかりとあります。

これ、WEBでこうやって載せると正確な差をつかみづらいのですが、PC内でふたつ並べた画像の切り替え比較をおこなうと、EOS 5Dはイメージサークルの大きいS-Planar 100mmのF8画像にも周辺部の暗さが残っています。あああああああ ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

その他、機種関係なく共通する結果としては、通常のレンズは寄ったほうが周辺光量は豊富になるはずなのに18mmはなぜだか寄ると周辺減光が強まります。ただし、手持ちのDistagon 18mm F4は初期のS/Nなので周辺光量不足については後期型で改良があるのかもしれません。Distagon 25mm F2.8は周辺画質の改善があったらしいですし、その数値もアサヒカメラでZEISS公表のデータよりも現物のほうが良いと指摘されていました。


問題のα7ですが、問題がないというか本当に悪影響の判断できない画像で、いったいケラレの話はどこからでてきたんだろう?という疑問がわいてきました。もっと後玉の巨大なレンズだとケラレるんでしょうか。よくわかりません。

それと、今回のテストで分かったのは、α7でもDistagon 18mm F4との組み合わせでカラーシフトは起こっており、これはつまりベイヤー配列は機種間で同じなのだから、センサーに急な斜入光が入る場合はどの機種も似たような傾向を示すということではないでしょうか。同条件ではやはりEOS 5Dと同じB>G>Rという崩れでした。


試したレンズが少ないので、これでα7はケラレの心配がないとは言えませんが、すくなくとも普段、問題なく感じているユーザーの皆さんの感覚には間違いがないということは確認できました。いちおう追記しておくと、テストに使用したアダプタはすべてフレアカッターなしのマウント枠いっぱいまでスカスカのタイプです。電子接点なしのアダプタはこれしかないので。

α7IIに続きます。

Eマウントのケラレ検証 その2
http://sstylery.blog.jp/archives/69689874.html