いまだにEOSとレンズの中心が傾くアダプターでひーこら近接のみの撮影をしているので、Rollei版Planar 1.4/50は総まとめではなく、分かっていることだけです。描写については実際に比べてみるとCONTAXとは似て非なるもので、両方使い分ける意味は十分にあると思います。

しかし、新旧HFTにさらにCONTAXまで交えて語ると非常に複雑な話で……。



・RolleiはCONTAXとは違い、球面収差の過剰補正型ということが大前提。
・なので絞り開放では前ボケはふわっとしていて、後ボケはややうるさく丸ボケの輪郭線強め。近接+絞り開放ではCONTAXよりも微妙に古めかしい印象。
しかし、これらは両者を同条件で比較して初めて認識できるごくわずかな差。

・ピントは基本的に見やすく、特に初期のHFTは安定している印象。
・樽歪曲はCONTAXと同程度、建物の撮影には適さない。
・実焦点距離は本来の50mmに近く、CONTAXよりもわずかに広く写る。

・Rollei-HFTはコーティングの改良があり、若干のコントラスト向上により中間諧調が明るく写る。
・色調は相対的に黄赤傾向のHFTに対しRollei-HFTはやや青い。
・ゆえに、HFTはやや軟調で抜けが悪いとも言える。
・逆光耐性は両HFTともに鏡胴内部に反射要因があるためにそれほど強くない。
・Rollei-HFTはその部位がさらに厚みを増しているためにHFTよりも逆光にやや弱い。


・以下にCONTAXとの差異を整理する。

色調  CONTAX AEJ≒Rollei-HFTでやや青い CONTAX MMJはやや黄色い HFTは黄赤っぽい
明るさ  CONTAX AEJ=MMJ>Rollei-HFT>HFT (HFTが一番濃く写る)
コントラスト CONTAX AEJ=MMJ≒Rollei-HFT>HFT (HFTが一番軟調)
逆光性能  CONTAX MMJ>HFT>Rollei-HFT>CONTAX AEJ
歪曲  すべて同程度
画角の広さ  Rollei-HFT=HFT>CONTAX MMJ=AEJ

絞り羽根  CONTAX MMJ=Rollei-HFT=HFTで普通の形状 CONTAX AEJはぎざぎざ



Rollei SL35のレンズ群は発売時期が早いからか、Contarex時代とそれ以後の橋渡し的なレンズが多いのですが、そんな中でこの50mmはCONTAXと違う設計(味付け?)ながら描写はほぼ同じという興味深い作り分けがなされています。実際の感触としては、本質的な描写の方向性は似ていて、初期のHFT版だけコーティングや硝材の古さから抜けが悪く、個性が強いと言えるかもしれません。

アダプタ使用時の注意点ですが、ミラーレスを使わずにEOSにマウントする場合は距離リングが数メートルのところで後玉ガードにミラーが当たります。特に現在、出回っているQBM-EOSは古いタイプのコピー品なのか、絞り指標が45°傾くため後玉ガードの切り欠きが正しく上を向きません。この場合、ミラーの軌道が余計に邪魔されますので、最短~2.5m付近が撮影可能範囲となります。
この50mmの場合は広角レンズの小さな後玉と違うので、多少ミラーを削ったくらいでは回避できないのが残念です。素直にミラーレスを使いましょう。



※画像は使いまわしですが、ミラー衝突の問題をクリアしてないので近接のみとなります。

1935


1938


RAW現像時にCONTAXとの違いを感じるのが初期のHFT。
1936


1944


歪曲は感覚的にはCONTAXと同程度。
1943


被写体に正対して最小になった樽歪曲でこの程度。
1945


Rollei-HFTの逆光描写。RAW現像で色彩強調をしています。
1946


CONTAXと極端に違うわけでありませんが、前ボケはふわっと滲んだ感じで後ボケはやや存在感あり。
1939


1940