知る人ぞ知る、CONTAXレンズにはPLフィルターを使ってはいけない法則。
これはフィルム時代、実際に試した人なら理解できるはずです。

90年代後半、竹内敏信氏の絶大な影響か、ベルビア+PLフィルターというのは風景写真で黄金の組み合わせでした。特筆すべきは、PLフィルターは被写体の余計な反射光を取り除くので、本来の目的である空や水の色を深める以外にも花や草木、森林の発色を上げるために常用されたことです。
とにかく、その時期のコンテストに掲載されるデータはPL、PL、PL。実際に先入観なくそれらの写真
を見ても良い仕上がりというのは疑いの余地がなかったので(効果の強め過ぎ注意という指摘はありました)、CONTAXユーザーも風景写真を撮っている方なら一度は“PLフィルター常用”を試したのではないでしょうか。

ところが、これがおかしいのです。自分の体感では、CONTAXレンズにPLを掛けると色が濁ったり、べったりした諧調になって逆に仕上がりが悪化するのです。空を濃くするにしても、せいぜい使えるのはPL効果をほんのわずかとした時だけ。

果たして、それだけのためにひと絞り以上のシャッタースピードを犠牲にする?(※フィルム時代の話)

この疑問に対する解がCONTAXユーザーの中で一致したのか、カメラ誌やコンテストに掲載されるYASHICA/CONTAXの写真にはPLフィルターの名を見かけることは稀でした。見かけたとしても、せいぜいセオリーどおりに空の濃度を下げている程度で、ありとあらゆるフィールドで使い倒されるような傾向は皆無だったような気がします。

一言でいえば、CONTAXレンズにPLフィルターを使うと色が悪くなる。むしろ無い方が綺麗。

今回は、この再確認です。


前置きですが、デジタルにはポジフィルムのような色の強さ、コントラストはないので昔の印象そのままになるとは限りません。画像処理でうまく調整できる余地もあるでしょうから、とにかく見るべきはCONTAXにPLフィルターを掛けた場合の色彩変化です。

以下、現像パラメーターは共通。


【ケース1】
真夏の猛烈な日差し。太陽は右手前の斜光線で、特に状況を選んでないのでいまいちな景色を無理矢理補正。つまり、元から良い仕上がりではありません。PLの強度を変えると全体のバランスが変わるので、RAW現像で露出を取り直しました。

PLフィルターなし
1102

PLフィルター弱
1103

PLフィルター中
1104

PLフィルター強
1105

画質には好みがあるでしょうが、個人的な印象としては、
ノーマル状態→色が枯れる→やや変化→ギトギトに、といった感じです。
補足として、この場面で一番PL効果が高かったのは地面のアスファルト。(そんなとこ、どうでもいい。笑)


【ケース2】
緑の変化が大きいということで、今度は順光を選び、太陽は真後ろの状況。同日なので光線は強烈。

PLフィルターなし
1106

PLフィルター弱
1107

PLフィルター中
1108

PLフィルター強
1109


【ケース3】
比較対象として、他社製レンズを使用。季節は秋の見た目にもクリアな空。太陽は真後ろで順光。すでにケース1、2の結果を見ていたのでやる気なく、手持ち撮影+強風で構図揃わず。

PLフィルターなし
1110

PLフィルター弱
1111

PLフィルター中
1112

PLフィルター強
1113


さて、いかがでしょうか?

ケース3がだいぶ後の撮影なので直接の比較にはなりませんが、他社製レンズは緑の変化が最終的にこの程度だったら十分に使えそうという感触です。それに対してCONTAXは昔感じたとおりで、こんな風になるのならPLフィルターはご遠慮したいというのが本音。
CONTAXが様々な色を拾うレンズだからおかしくなってしまうのか、あるいは元々抜けが悪い諧調再現が災いしてるのか。とにかく、やっぱりデジタルでも仕上がりが変というのが今回の感想です。

一応、他所様のPL解説もあちこち覗いてみましたが、やはりこのような色の変化は普通で(反射光をコントロールしているので当たり前)、CONTAXの描写そのものがPL効果と相性が悪いとしか考えられません。ひとつ試してみたいのは、CONTAXレンズの中でもクリアな抜けの良さを示すGシリーズではどうなるのか?です。フィルム時代、GシリーズはAFレンジファインダーという性質のためか、がっつりPLを掛けた風景写真というのはあまり見かけませんでしたので。

このテスト結果について、皆さんはどう思いましたか?(あるいは、ご自分のレンズでPL使ってますか?)

CONTAXには、PLフィルターを使ってはいけない法則 その2
http://sstylery.blog.jp/archives/50409299.html