説明不要……と言いたいところですが。


この画像は部屋の蛍光灯下にただ置いただけ。
枠に反射防止塗装があるのがKenko L37 Super PRO。純正のテカリ具合の違いは67mmの枠がたまたま蛍光灯の角度と合ってしまっているため。1039


強いライトを照射。話にならんぞCONTAX Pフィルター。
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刻印の通りCONTAX 純正P-FilterにはL39(UV)にあるMC表記がなく、実物を手に取れば反射の多さにすぐ気付きます。CarlZeissの意向としては、P-Filterは保護用であって撮影に使うものではないということでおそらくシングルコーティングなのでしょう。枠の反射は今度は86mmの方が強いですが、つやつやしてるのはどちらも同じです。
じゃあ、実写では真っ白白になるの?というのは面白いもので普通に使えます。ですが完全逆光などはレンズの明確な性能落ちがあるでしょう。

Kenko L37 SuperPROは発売当時、透過率99%を謳った高級フィルターで、まあ確かに柔らかい光ではガラスが無いようにも見える透明度はありますが、実際の撮影現場はそんな都合のいい状況ばかりでないのは皆さんご承知の通り。正直な評価を下すなら気分の問題と言って差し支えないと思います。一応、反射率の違いはこの画像でも確認でき、ガラス面がより背景色に近い結果となっています。

結論は言わずもがなですが、CONTAX Pフィルターは論外、L39(UV)も昔のグリーンコーティングで何ら特筆すべきことはなく、いまどきのデジタルカメラにあえてこれを選ぶ理由はありません。(なんとビックリ、意外と性能が良いかもしれません)。何よりも純正フィルターは分厚く重く、相変わらず重厚長大を助長する作りですので86mmフード+変換リング+フィルターと全部CONTAXで揃えたレンズはマゾかと思います。(ええ、以前やってました!)




で、これより以下は保護フィルターの大検討会で、ケンコー/マルミの現行品を整理してみます。

まずは品質、知名度ともにずっとNo.1だったような気がするケンコー。
Kenko L37 Super PROは90年代後期に登場した最高級フィルターでしたが、性能という意味ではすでに旧世代で、現在はデジタル対応のコーティング+至れり尽くせりの豪華仕様で最新版のZeta Quintが出ています。ZRコートは面反射0.3%以下とありますので、前後合わせて透過率約99.4%となるのでしょうか。同じ高級タイプでもダストフリーコートのない低価格版もあり、おそらく発売はそちらが先でしょう。

Zeta Quint 
透過率99.4%以上 ダストフリーコート 強化ガラス ジュラルミン枠 ガラス外周墨塗り加工 薄枠仕様


Zeta
透過率99.4%以上 ガラス外周墨塗り加工 薄枠仕様
※枠の内側が狭いのでケラレ注意との情報あり



でも、どうせガラスに直射光が入れば平面反射が起きますのでフィルターは拘るにしても中級クラスでいいのかなと思います。このPRO1Dは面反射0.5%、透過率99%ということでスペックだけはL37 Super PROを思い起こさせます。
最廉価はMC NEOで、これは実物を見たことがないのでごく普通のグリーンコーティングかどうかは不明です。メーカーの説明によると面反射1%、透過率98%。

PRO1D
透過率99% ガラス外周墨塗り加工 薄枠仕様


MC NEO
透過率98% 



さらに、ちょっと気になる新製品がこれ。面反射0.3~0.5%とZetaとPRO1Dのちょうど境目の性能で、撥水撥油が売りになっています。マジックを塗ったテスト画像はマルミ製品ですでにあるので、単なる発売タイミングの都合でこのコートをZeta Quintに載せられなかったのか、それとも本当に最新性能なのか。
前玉が濡れるとその部分がピンボケになるし撮影しながらキレイに拭えないので、水を強力に弾くというのが本当なら、雨中でがんがん撮影する方はかなり助かるんじゃないかと思います。

PRO1D Lotus
透過率99~99.4% 撥水・撥油コーティング 硬質アルマイト枠 ガラス押さえに耐腐食処理 レンズ取付ネジに潤滑加工 薄枠仕様




さて、もう一方の有名メーカーマルミ。一昔前はケンコーに対してわずかなコストダウンを図って価格競争力を得ていたのが記憶に残っています。例えば、同じ内容のフィルターでもきっちり枠がつや消しだったのがケンコー、枠がつやつやしていたのがマルミ。この二社はどちらかが新製品を発表するとほぼ同じタイミングでもう一社も同じ内容で追従するというところが興味深いです。フィルム時代に派手な宣伝をしていたエンハンサーシリーズなどは全種類見事に横並びでした(コーティングの開発元は外部の一社とか?)。

というわけでケンコーと丸かぶりになるマルミのフィルターですが、昨今はコストダウンで勝負せずに個性を強調している感じで、微妙に違いがあります。



マルミの最高級フィルターはケンコーのZeta Quint対抗品のEXUS。コーティング性能も超低反射0.3%以下と内容は同じで、強化ガラスとは謳っていませんが厚みを増すことで強度の向上という説明書きはあります。
DHGスーパーは透過率がEXUSと近似しながらも価格がいっきに安くなります。この両者ともにマジックを使ったテスト画像があり、実際のレビューでもPRO1Dより汚れが落ちやすいとあるので、ケンコーのPRO1D Lotus相当の撥由特性があるのかもしれません。

EXUS
透過率99.4%以上 撥水・防汚・帯電防止コーティング 平面度・強度の向上 遮光線入り枠 墨入れ加工 薄枠仕様


DHGスーパー
透過率99.4% 撥水・防汚コーティング 墨入れ加工 薄枠仕様



下位のDHGはデジタルコーティングという明確な説明がありますので、普及型ながら従来品と違うことが伺えます。実際に透明度を褒めているレビューもありますので、メーカー推奨の最低ランクがこのあたりになるのでしょうか。
MCはメーカーサイトで正直にフィルム向けのカテゴリーに入れられていますので、これはもう素直に価格勝負の品ですね。

DHG
透過率不明(デジタル対応) 墨入れ加工 薄枠仕様


MC
透過率不明




大体のラインナップが分かったところで、性能と価格を吟味してみます。
(※この時点でのAMAZON調べ)

■Kenko プロテクトフィルター 55mm■
Zeta Quint     5,645円
Amazon限定 Zeta 3,822円
PRO1D Lotus   3,780円
PRO1D      2,379円
MC NEO      1,227円

■MARUMI プロテクトフィルター 55mm■
EXUS      3,645円
DHGスーパー 2,627円
DHG     1,745円
MC       1,380円


透過率はMC、MC NEOとそれ以上のクラスでばっさり分かれますが、フィルターの悪影響が出ない状況ではどれを使っても大差なし、悪影響が目に見える完全逆光、夜景などはガラス一枚増やした時点でアウトなのでそんなに細かい数字を気にしても仕方がありません。その他、実用にかかってくる細かい仕様はケラレ防止の薄枠と、(確率の低い)最悪の落下事故に効くかもしれないZeta Quintの強化ガラスぐらいであとは無視できます。雨中の撮影が多い方は強力な撥水をアピールするPRO1D LotusかDHGスーパーといった感じ。Amazon限定 Zetaは前述の理由により、面倒なので非推奨です。

価格的には、スペックに差があるわけではないマルミ製品が全体的に1ランク下の安さになっていて謎。実際の使用感は分かりませんが、これなら普通はマルミを買いますね。注意点としては、フィルターの価格はサイズによって実売価格にばらつきがあり、違うメーカーどころか同製品でも55mmより62mmの方が安いなんてこともありますので、きちんと欲しいサイズの価格を調べた方がいいです。

そんなわけで、ひとつDistagon 18mm f4用に86mmの保護フィルターを買ってみましょうかねー。