デジタルでのアダプター使用は実絞りになるのでお勧めしません、と書いていましたがフルサイズミラーレスの登場により実絞りが不便にならず運用できるようになりましたので、CONTAX含むオールドレンズは万能ではないがとてもお勧めである!と修正しておきます。

レンズ評価というのは何を重視するかで変わってきますので、正解を提示する記事内容ではないことにご留意ください。☆5つで最高。


【Distagon、Tessar、Sonnar編】

F-Distagon 16mm f2.8  
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

この手の特殊レンズは収差補正が独特なので他のDistagonと同列で語っていいのかはわかりませんが、絞り開放のキレはあるので被写界深度が深い割にピント合わせは容易です。コントラストは高めで発色は誇張のないごく普通のAEタイプ、トータルで味と言えるものは特に感じませんでした。なにぶん、一般的なレンズではないので他のメーカーと比較して優れているかどうかも不明。(魚眼レンズを二本も三本も揃えている人はいるのだろうか……。)
後玉の出っ張りが少なくミラー衝突の心配がないので、ごく普通のお薦め度。魚眼はゆがんだ絵そのものに選り好みが激しいので挑戦したい方はお好きにどうぞ。古いレンズの割にはT*コーティングと高級レンズの作りのおかげか、逆光にはかなり強いです。



Distagon 18mm f4
お勧め度 ☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆☆

裸で持ち歩くか、70/86リング+プロテクトフィルターを着けるかで重量/サイズ感が変わります。描写はAEタイプになりますが、撮影後にウッとうめくような黄色みとねっとり描写で油絵のような諧調の粘りを感じます。とは言っても発色とコントラストの良さは普通にあるので使い難さはありません。
歪曲補正は25mmよりも上で、思い切りレンズを傾けてもほぼまっすぐの線が得られます。ただ、フルサイズでミラーを削って使えるようにしても個体差の影響が甚大で、無限遠が出るとは限らないどころか最悪5~6mにもピントが届かないというシビアさでただいま苦労中。(※後日、調整に出したら改善しました。)
開放f4での鋭さはいまいちで、現代の目線で言うなら“味の超広角レンズ”といったところ。



Distagon 25mm f2.8  
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆

CONTAXはこの下の超広角が21mmの大柄なレンズになってしまうので、28mmの代役となる気軽な超広角という位置付け。開放で周辺部の画質が悪いというのが定説ですが、本当にそれぐらいしか書くことが思いつきません。地味めな発色の微妙な諧調に味わいがあるといえなくはないですが、それが積極的にこのレンズを選ぶ理由になるかは不明。歪曲は陣笠で、被写体に角度をつけると目立ちます。けっこう使い込みましたが、面白かったか(仕上がりにワクワクしたか?)と問われると玄人向けかなあ……とお茶を濁します。個人的には新しいZF、ZEで発色がパワーアップしている気がするので、そっちの方がお勧めのような。



Distagon 28mm f2 
お勧め度 ☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆

このレンズ、S-Planar 100mm f4に類似したハイコントラストのようです。巷に聞く濃厚で凄い色を出すという感想はコントラストの強さ由来で特別な諧調感はありませんが、派手さのないAEタイプの色調の中に濁りのない原色が混じることで独特の味や立体感を醸し出します。基本的には黄色寄りの色再現もややこしい。
絞り開放はぽやっとしたハロと広範囲の周辺減光+ハイコントラストを味として使わなければならず、ハイスピードレンズとして開放f2で撮りまくるのは厳しいかもしれません。ただし、高級レンズらしい線の細さはあるので解像力に関しては期待通り。歪曲は25mm f2.8と同タイプの陣笠でそれなりにありますが、超広角ほどきつくないパースのためか実用範囲内に思います。評価が低めなのは28mm f2という中途半端なスペックの上に重量があり、物凄く主張してくる個性ではないため。



Distagon 28mm f2.8 
お勧め度 ☆☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

もしかしたら、最新のレンズを使っている方には何の感想ももたらさないレンズかもしれません。それだけCONTAXの中では普通で、高コントラスト、発色よし、解像よし、最短撮影距離は短いと隙がありません。この中で特筆すべきは解像力の良さで、特別に切れるわけではありませんが同じ小口径の35mm f2.8のピントの鈍さを考えるとオーソドックスな広角系として万能性が際立ちます。
このレンズのMMJを使うととにかく感心するのは、どんな場面でも楽に仕上がりが決まることで、基本性能の高さに加えて真に場面を問わないカラーバランスとただ硬いだけでない諧調の良さがその秘密です。あえて弱点を付け加えるなら、近接時に周辺画質が明確に落ちることでしょうか。28mm f2との違いは同じ高コントラストでもよりストレートで抜けが良いことです。



Distagon 35mm f2.8  
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

小さく軽く、使いやすい画角の割にはデジタル時代にいまひとつ評判の上がらないレンズです。その理由はおそらく解像の物足りなさで、開放f2.8という芸のなさも考えると現代ではこれに変わる物はいくらでもあるだろうという残念さ。ただ、そうは言ってもCONTAXということで、Distagon 35mm f1.4のような高彩度を得られない代わりにRAW現像で悩まなくてよい絵柄の収まりの良さは、シャッターチャンス優先で数をこなしていくスナップ撮影などにはとても向いていると言えるでしょう。
実際、Distagon 18mm f4なんかもあまり解像しないので、CONTAX広角系の中では特別悪いレンズというわけでもないようです。写りは本当に無難ですが、被写体の色は確実に拾ってくれるのでつまらないという感想は出てこない不思議なレンズ。



Distagon 35mm f1.4  
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆

絞り開放はゆったり艶やかな諧調で、まさに広角のPlanarと呼びたくなります。ただし、この諧調感を生かして何を撮るかというのが問題で、ポートレートなら普通にPlanar 50mmの方が簡単かつ軽量という現実をどう捉えるか。それと広角系の宿命として、被写体に密着しないと発生しないボケや背景の扱いの難しさなどがあり、重量的に置物化する可能性が非常に高いです。
画質的には艶やか、シャープ、発色良し、寄っても高画質と申し分なく、唯一の弱点はPlanar 50mm f1.4と同等の樽歪曲。広角だけにこれがなかなか厄介で、画面の端に直線を置くと見事なまでに地球が丸くなります。もう一点、撮影距離の関係で時折発生する二線ボケも強烈ですが、これはごく限られた条件なのでほぼ無視できるでしょう。
被写体の質感と色彩の描き分けが秀逸で絞っても味わいがある珍しいレンズですが、これを常用するにはかなりの根性が必要です。歪曲の強い中望遠サイズの35mmレンズをどう使うか、事前にきっちり想定しておく必要あり。



Tele-Tessar 200mm f3.5
お勧め度 ☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

ピントは太く、最短撮影距離も遠く、明るさf3.5とまさに時代遅れもいいところ。あえて良いところを挙げるならSonnarよりも温調でPlanarと同時に使っても違和感がない色再現か。こんなふうに手酷く書いていますが、実は200mmという画角は万能ですのでかなりの作品が撮れました。やはりレンズは画質ではなくて画角が一番重要ですね。レンズ枚数が少なく懐の深い鏡胴は内面反射が少ないので、フィルム時代に逆光で撮りまくりました。その点では華奢な135mm f2なんかよりも風景向きで頼れる相棒でした。
描写のネックは明確な糸巻き歪曲で、それ以外はCONTAX共通のぬめり気や色温度が偏った中でも良い発色をするなど、最低限の特徴は備えています。



Tele-Tessar 200mm f3.5 + Mutar I(2.0×)
お勧め度 ☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

400mmの超望遠としてよく使いましたが、簡単なテストではテレコンを足した状態でもVario-Sonnar 80-200mmf4の方が画質が良かった感じです。今となってはこんな無理をする意味はないでしょうが、トータルのレンズ枚数が少ないことに期待を寄せて、かなり無茶な逆光撮影をした記憶があります。印象が悪かったのは開放付近での明確な周辺光量不足ですかね。



Vario-Sonnar 28-70mm f3.5-4.5
お勧め度 ☆☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

時代遅れの中途半端なズームばかりの中で、気取らない普通スペックが貴重です。単焦点を複数持ち歩く重さに疲れ始めると、こういう軽いズームのありがたさが骨身に染みます。発色は他のVario-Sonnarにない明るい華やかさで歪曲が目につくのは広角側だけ、撮影しやすい望遠側にマクロ機能ありと良いところばかりですが、絞り開放のピントが妙に深いこと(※キヤノン EFの安ズームと比較)ですべてが台無し。望遠側はともかく広角側だと全体の被写界深度の中にピントピークが埋もれてしまって恥ずかしいほどのフォーカス間違いをしてしまいます。でもしかし、標準ズームは遠景をただ撮るだけの場面も多いので手放すことはできず。
ピントの立ち方がもう少し鋭ければ自分的100点のレンズで、マクロ域はシャープネスがない癖にゆったりと艶やかな描写で特筆もの。



Vario-Sonnar 80-200mm f4
お勧め度 ☆☆☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

スペックも描写も十分以上で、数々の作品が作られてきたCONTAXのベストレンズ。望遠はこれ一本に任せて問題ありません。が、個人的には細長い鏡筒を覆い尽くすズームを兼ねたピントリングがなんとなく安定操作の邪魔になって馴染めずに、早々に売却しました。自分が35-70を試せない理由がこれ。Tele-Tessar 200mm f3.5よりも画質は上です。ただ一点だけ、CONTAXでレンズセットを組むとVario-SonnarはPlanarに対し、若干クールトーンです。この辺り、Sonnar系列は皆そうなのがCarl Zeissの七不思議ということで、こういったことが気になり始めるとレンズがどんどんと増えていくCONTAXの罠を注意しておきます。
しかし、ピント合わせとズームが一体となった望遠ズームって、いったいどこを持って安定させたらいいんでしょう? 元々は手持ち仕様で、えいや!っていっきに撮影するのが正しいんでしょうか。




*おまけ
機会があれば試してみたいレンズ。☆5つで最高の欲求度。

Distagon 21mm f2.8
欲求度 ☆
フィルム時代は硬すぎたレンズもベイヤーセンサーのへなへな画質には丁度良く、使い易くなりました。ハイコントラストかつ階調豊かというのはS-Planar 100mm f4と同じ方向性で、いちおう興味だけはあります。

Sonnar 100mm f3.5
欲求度 ☆☆☆
Planarと違う溶けるボケ像とやらを体感してみたい。

Vario-Sonnar 35-70mm f3.4
欲求度 ☆☆☆☆☆
28-70のピントがっ! ピントがっ!

Planar 55mm f1.2
欲求度 ☆
プレミア過ぎて、おうちの中でしか撮れません。ぶるぶる。

Planar 85mm f1.2
欲求度 ☆
何度か買えるチャンスはあれど、やはり大袈裟過ぎる中望遠なんて持ち出すはずがないと理性の勝利。むなしい……。実はf1.4の方にベタ惚れなんですよね。

SIGMA 50mm F1.4 DG HSM
欲求度 ☆☆
最新のレンズを体感して見識を広めたい。

関連:
CONTAXレンズのお勧め度 Planar編
http://sstylery.blog.jp/archives/15859662.html

はじめてのCONTAX バイヤーズ・ガイド
http://sstylery.blog.jp/archives/40152845.html


他社レンズのお勧め度 CONTAXとの比較も
http://sstylery.blog.jp/archives/70846983.html