デジタルでのアダプター使用は実絞りになるのでお勧めしません、と書いていましたがフルサイズミラーレスの登場により実絞りが不便にならず運用できるようになりましたので、CONTAX含むオールドレンズは万能ではないがとてもお勧めである!と修正しておきます。

レンズ評価というのは何を重視するかで変わってきますので、正解を提示する記事内容ではないことにご留意ください。☆5つで最高。


【Planar編】

Planar 50mm f1.4  
お勧め度 ☆☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆☆☆

安い、軽い、小さい、大口径、万能画角と、要するに一般の50mm f1.4が良い理由と同じでCONTAXに興味を持つならこのレンズから。もっとも手軽にPlanarが味わえます。ただし、ありふれたガウス型なので他と比較して特別な何かがあるわけでもなく、個性で言うなら他のクラシックに近い領域のオールドレンズの方が面白いと思います。CONTAXは全般的に現代と近代の狭間に位置するレンズで、その古臭さの中に衰えない発色と諧調の良さが持ち味となります。樽歪曲は酷いので、直線物を主題とする撮影はお勧めしません。これで☆ひとつ減。
フルサイズより小さなフォーマットでは中望遠になってしまうのでそこも考慮が必要。



Planar 85mm f1.4
お勧め度 ☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆☆☆

奇跡のような残存収差で、光によってはウットリするような開放描写を見せてくれます。ただし、それが作画に生かせるかは別問題。ファインダーの中でカマボコのように立ち上がるピントは撮影者を大いに惑わせますが、繊細な結像面は確かにその中に存在します。厳密には三脚立ててピントブラケットをしなければならないレンズ。ポートレートで美しい写真が撮れそうですが、それも被写体が石の様に動かないといった条件付。普通にAFの中望遠をお勧めします(自爆)。絞っても繊細で柔らかなので、絶対にポートレートを想定して設計したはず。



Planar 100mm f2
お勧め度 ☆☆☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

非常に優等生で書くことがありません。Planarの持つ良さをそのままに、整った画質と見やすいピント。現実には実撮影で打率の劣るであろう85mmの方が売れたということで、人間の業の深さを思い知らされますね。正直に告白すると、自分も使い込む前に手放しました。不満がない描写が不満という……。絞り開放では85mm f1.4がボヤッふわっ、100mm f2がキリッぬめって感じ。カリッしゃきってなるのはマクロの60mm。
やわらかな解放画質から徐々にコントラストの上がっていく85mm f1.4に対し、最初からコントラストが十分というのが100mm f2。



Planar 135mm f2
お勧め度 ☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆

実は85mmよりも癖玉ではないかと思います。その理由はこのレンズだけ他のCONTAXレンズと根本的に写りが揃わないこと、腰高な軽い描写が被写体(状況)を選ぶこと、はまった時はなんとも言い難い極上の階調を見せること、逆光に非常に弱いこと、そして使い難い135mmの画角であるということ。全体としてはいろいろ矛盾を含んだレンズで、本気で撮れば撮るほどモヤモヤ、ヤキモキが溜まっていくはずです。85mmと比較してピントはきちんと見えるので、ポートレートには良いかもしれません。
とにかく単調に写る時と(特に赤い光の色再現がオレンジ一辺倒で良くない)そうでない時の落差が激しいレンズで、800g近くの重さが恨めしくなります。かといって、簡単には諦めきれない外観の良さと「望遠のPlanar」という希少性を持つマニアにとって魔性のような存在。



Planar 135mm f2 + Mutar III(1.4×)
お勧め度 ☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆

そんなに難しいならテレコン使って200mm相当ならどうじゃ~~!っと奢ってみましたが、レンズの本質なんて変わらず。無駄手間でした、とほほ。



S-Planar 60mm f2.8
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆

標準マクロが主流でない理由をヒシヒシと実感するレンズです。60mmということで中~遠景はやや狭く、寄ると近すぎて前ボケが扱い辛いなどの画角的な問題があり、ただ被写体を捉えるだけになりがち。結像面はキレがあり、CONTAXの諧調や色の良さをそのままにマクロレンズとしての迫力を楽しむことができます。レンズ描写としては非常に真っ当な方向性で、開放からのシャープネスと歪まない直線は雰囲気重視の50mm f1.4と対照的でこの二本を使い分けると楽しいかも。時代によって若干描写が変わっているようで、現代的な発色の良さとコントラストが欲しい場合は銀マウント(Makro-Planar含む)、古めかしい穏やかさが欲しい場合は黒マウントがいいようです。
APS以下は中望遠となるのでお勧めですが、鏡胴の重さも加味して☆ひとつ減。



Makro-Planar 60mm f2.8C
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆☆

一般的な標準マクロの撮影シーンを考えると、撮影倍率を割り切ったこの仕様は正解だと思います。寸胴の等倍タイプで寄ってみれば分かりますが、1/2倍付近ですでに鏡胴先端が被写体の一部に触れそうになり難儀します。ただし、この時代のMakro-Planarはかなり現代的なヌケの良さがあるので、シャープ、クリアー、発色良しをCONTAXとしてどう思うかが選択のキモ。
鏡胴の作りが良く、マクロで唯一のギザギザにならない絞り羽だったので、所有していた当時はカワイイ奴でした。



Makro-Planar 100mm f2.8
お勧め度 ☆☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆

一般的なマクロレンズの持つ誇張するような切れを持たないので、解像による迫力を期待すると肩透かしを食らいます。とはいえ、CONTAXの良さがそのままマクロ域に持ち込まれた立体描写は国産マクロに慣れ親しんだ方にはそれなりの驚きを与えるようです。発色も派手とはいえず、独特の厚みとなる抜けの悪さを大人しくてつまらないと見るか、上品で美しいと見るかは普段の常用レンズ次第かも。定価20万円近くの物がずっと中古の安値安定という事実がユーザーの正直な評価なのかもしれません。今ならZF、ZEのMakro-Planar 2/100の方が面白いはずですが、基本的に描写は同じ方向性なので注意。



S-Planar 100mm f4 Bellows
お勧め度 ☆☆☆
チャレンジ精神でのお勧め度 ☆☆☆☆☆

開放描写が優しいCONTAXという常識を覆すハイコントラストですが、よくよく考えれば開放f4の暗いレンズなので当たり前かなとも思います。描写のイメージとしてはCONTAX Gレンズのハイコントラストに初期のAEタイプの穏やかな色と厚みが加わりながら、中判レンズの優雅なボケ質を持つといった感じ。マクロ域での解像力が凄いらしいですが、それが現代のレベルで語って良いのかは未確認。実際の撮影でピント合わせに迷ったことはありません。
ヘリコイドがないので星を減点しましたが、最近はアダプタ関連のパーツも多いのでなんとかできないことも無いはず。ベローズは重すぎる上に縦方向のアオリができないのでほとんど意味がありません。

関連:
CONTAXレンズのお勧め度 Distagon、Tessar、Sonnar編
http://sstylery.blog.jp/archives/15859771.html

はじめてのCONTAX バイヤーズ・ガイド
http://sstylery.blog.jp/archives/40152845.html


他社レンズのお勧め度 CONTAXとの比較も
http://sstylery.blog.jp/archives/70846983.html