Distagon 18mm F4 AEG Distagon 21mm F2.8 ZE 比較撮影

開放F値と焦点距離の両方が違っちゃったら厳密比較なんてできないべ……。

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……と、しばらく、ふて寝していたのですが、そろそろ決着をつけようかとまとめてみたいと思います。

今回の目的はあのねっとりねばねばのDistagon 18mm F4 AEGの写りの秘密を明らかにすることですが、F4に絞ったDistagon 21mmは周辺減光が減るし、そもそも時代が違い過ぎるし、やっぱりよくわからなそう……。

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……いやいやいや、せっかく時間をかけて撮影してきたんだから、なんとかがんばって比較をはじめますよ!


ぐだぐだですが、Distagon 18mm F4 AEGの分析開始ぃ~~~!!


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カテゴリ :「Distagon 18mm F4」

レンズ探求 #21 Xenon 50mm F1.9 野外比較

さてさて、Xenon 50mm F1.9(Exakta)ですが、このレンズはバリエーションがあり過ぎてよくわかりません。だいたいこういう有名レンズは研究家がいて、製造期間やマイナーチェンジなどをまとめてくれているはずですが、自分の検索力ではそういった記事は出てきませんでした。

Xenon 50mm F1.9についておおまかにわかったのは、まず35mmカメラの交換レンズ用としてALPAとExaktaマウントが発売し、その後にレチナSシリーズのDKLマウントやEdixa ReflexのM42マウントへと広がっていったことです。

ALPA、Exakta(1950年代初頭~)
DKL(1958年~)
M42(1960年代初頭~)


このように整理すると、Xenon 50mm F1.9の初代がとても古いことに驚くのと、そこから20年近くにわたって作られたレンズがすべて同じはずがないという疑念が生まれます。同じ4群6枚構成でも硝材はだんだんと良いものが出回るはずですし、コーティングの質については言わずもがな。ただし、当初は高性能だったものを改良せずに長い間作り続けることで、結果的にそれがコストのかからない都合の良いレンズになり、市場での格も落ちていったという現実も考えられます。

ともかく、製造期間が長く、マウントも多種にわたるXenon 50mm F1.9を安易に一括りにして語ることはできないので、あくまで、今回の個体の製造年である(?)1957~58年という時代性を意識しながら描写を見ていくことにします。


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Distagon 35mm F2.8についてのまとめ

Distagon 35mm F2.8はすごく感想の難しいレンズで………The 無難……なんだけども簡単には手放せない何かがある………というような微妙さを、最近ようやく詳細に語れるようになってきたので、まとめてみたいと思います。


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【超詳細】可変NDフィルター研究 K&F CONCEPT バリアブルND+CPL(ND2~ND32)

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みなさん、こんにちは。 ( ・∀・)ノ

定期的にやってくるK&F CONCEPTさんと連携した製品レビュー、今回は可変式のNDフィルターです。可変NDフィルターというと、初心者の方は単体のNDフィルターの何枚分も兼ねているからお得だ!と思うかもしれませんが、それはちょっと待ったぁ!

可変NDはその仕組み上、均一な画質を得るのが難しい上に値段が高いです。そういった特長をよく理解しないままに効果の幅が大きいからといって、可変NDを選んではダメです。このへん、きちんと言及していない記事があるので困りものですが、一般的な風景写真なら暗い場面でスローシャッターのもうひと押しとなるND8かND16が一枚あれば十分です(※カメラの基準感度による)。それがなぜなのか?というのは、例えば、明るい場所で無理やり水を流してもコントラストが高すぎてきれいに見えないなどの理由があるのですが、NDフィルター装着後もカメラ側で多少のシャッタースピード調整はできるので、NDの数値はそんなにガチガチに考える必要はありません。

……などと書いていると、これからレビューする製品をいきなり否定しているようにも見えますが(汗)、ようするに、可変NDフィルターは固定式のものとはまるで別物であるということが言いたいわけで、そのあたりを原理的な説明を交えながらしっかりとレビューしていきたいと思います。


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【コシナZEISS】 Distagon 21mm F2.8 ZE Distagon 28mm F2.8 MMJ 比較撮影

当Blogで初登場となるコシナZEISS、Distagon 21mm F2.8 ZEです。

このレンズ、CONTAXのかなり遅い時期に発売された超広角の決定版、Distagon 21mm F2.8 MMJが元になっており、その開発コンセプトは21mmの明るさF2.8という何の変哲もないスペックにどかどかとレンズを詰め込み、フローティングによる画面全域の高画質化と、異常分散ガラスを使った色収差低減でシャープネスとコントラストを可能な限り引き上げようという贅沢なものです。今で言うシグマのARTレンズに近い方向性を90年代に実現していたと説明すれば分かりやすいでしょうか。

そんなMMJが2009年にリファインされてコシナZEISSとなったわけですが、しかし、今回の記事はさらっと一回で終わらせるのです。そんな凄いレンズをなぜ複数回に分けて研究しないのか?……という理由は……まあ最後まで読んでみてのお楽しみ。

YASHICA/CONTAXが終了して、その後のZEISSレンズがどう変わっていったのか、その片鱗を味わえるかもしれない初めてのコシナZEISSをお馴染みの当Blogのスタイルで徹底比較してみましょー!


……あ、いつも熱心にうちのBlogを読んでくださっている方は、ZEで?( ̄ー ̄?)と、疑問が湧くかと思います。MC-11は個体差で使い物にならなかったのに、どうやってα7IIでテストしたのかと。ふっふっふ、それは内緒ですがフランジバックがずれていないことだけはご報告しておきます。


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カテゴリ :「Distagon 28mm」

シグマ MC-11のアンダーインフ問題

ここは密林……。

森森 д・´) (`・д 森森
「気をつけろ! ここは奴らの縄張りだ」
「分かってるさ、今日こそ任務を完了させて、うちの子供にキスするんだからな」※フラグ

森森 д・´) d( ̄ー  ̄森森
「……カメラに不備はないか?」
「準備万端だ。α9にMC-11、ZEISSのApo-Sonnarがあれば鬼に金棒よ!」
「シッ! 取引がはじまったみたいだぞ!」
「いまだ、撮影しろ!」

森森 д・´) (lll ̄ロ ̄)? [〇] 森
「まってくれ……無限遠が出ないぞこれ」
「なにっ!? レンズメーカーのアダプターだろ?」
「だめだ、ピントが届いてない」

森森 ロ・´)ノ (((;゚Д゚))) [〇] 森
「絞れ! 絞れば多少は深度に入るはずだ!」
「だめだ、クソ! 囲まれたぞ!! うわああああああああ!!」

バリバリバリバリバリッ!!!



……というコントは捏造ですが、だいたい合ってます。うちのMC-11、Distagon 21mm F2.8 ZEを着けてみたら無限遠がまったく出ないアンダーインフでした。それが判明したのが以下の記事で、中国製のマウントアダプターの精度を調べてみたら、逆にMC-11のフランジバックの不正確さが確認できてしまったというわけです。

中国製マウントアダプターは本当に精度が低いのか?

最初は、はっはっはっと半笑いで済ませていたのですが、いやまてよ、MC-11がちゃんとしてないとZEレンズのテストができないじゃないか!とふと気づいて、シグマの修理サービスに検査を依頼してみました。しかし、その返答は当社基準内で問題なし!!

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α7IIの液晶コーティング剥がれ その2 べりっとやりました

そうです。
あほコンタックスまにあは、α7IIの液晶コーティングをべりっとすべて剥がしました。


あれ? 前の話では端がちょこっと傷んだだけで液晶の見えにはまったく関係ないから、新たにケンコーの液晶保護フィルムを貼りなおして済んだんじゃなかったっけ? と記憶力のある皆さんは思うかもしれませんが、わたくしは三歩歩くとすぐ忘れる鳥頭だったのです……。

α7IIの液晶コーティング剥がれ
http://sstylery.blog.jp/archives/78467397.html

そこで、なぜにたった半年足らずでなにも問題なかった状態からいっきに悪化したのか? いかにわたくしが鳥頭だったのかを生々しくレポートしてみたいと思います。当然、α7IIの仕様であるコーティング付き硬質フィルムを剥がす作業にも言及しているので、まあ、これからそういうことがあるかもしれないというα7シリーズのユーザーさんは暇つぶしにでもご覧ください。

しかし、ちょっとごめんなさいなのは、今回、かなりイラっとしていたので撮影にでかける前にこんな事態になってしまったので、いちいち状態を画像で記録していないんです。なので、いちおう分かりやすい図をつけてみたので、それでご了承ください。


まず、これが皆さん、よくご存じのα7シリーズですね。
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中国製マウントアダプターは本当に精度が低いのか?

む……蒸し暑くて……ヨボヨボですが……
大事なことなので頑張ってレポートしたいと思います。 ( ›´ω`‹ )


中国製マウントアダプター(以下、中華アダプター)は精度が低いので、本当にこだわるなら国産のRAYQUALだよ、というのはよく聞く話です。まあ、たしかに高いだけあって作りはいいし、特に製作者の方はCONTAX好きとあって、RAYQUALには格別なこだわりが見てとれます。


しかし、中華アダプターが画質面においてどれほど悪いのか?というのは、実際に様々なレンズ比較をしている自分にしてもよくわかりませんし、それを明確に指摘した記事も見かけません。そんなわけで、今現在、ちょうどこのテストができそうなレンズとアダプターがあるので、この疑問に自分なりの答えを出してみたいと思います。

ベンチマークとなるのはコシナ Distagon 21mm F2.8 ZEシグマ MC-11。このふたつともmade in Japanを謳った信頼性の高い製品です。特にMC-11は他に存在しないレンズメーカー製のEF-NEXということで、マウントアダプター界では最高峰のクオリティといえるでしょう。
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ところがところが、これが意外な事実が浮かび上がるのです……。


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横から開くカメラリュックはどう仕切る? K&F CONCEPT KF13.066

【PR】K&F CONCEPT おしゃれなカメラリュック 2気室(ネイビーブルー) KF13.066

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おしゃれなカメラリュック!? ……といっても、女の子っぽい配色とか、都会を駆け抜けるスタイリッシュとかいう意味ではなく、アウトドア向きのデザインをセンスよくまとめた製品です。今回のレビューも、またまたK&F CONCEPTさんのご依頼なのですが、しかし、いつもと違うのは……


某月某日。

(  ̄ー ̄)ノ 「ハロー。今日、あんたのうちに品物もっていくから3日でレビュー頼むわ」
( ゚д゚) ? 「……は?」

~~~~ 1時間後 ~~~~

ズサー c⌒っ゚Д゚)っ「きたどー。K&Fやー!」
(;; ゚д゚;) 「あたまからっ??」


というエピソードはまったくの捏造ですが(※K&Fの人はヘッドスライディングで玄関に入ってきたりしません)記事作成に短めの期限があったのは本当で、その理由とは、AMAZONプライムデーのセールに間に合わせたかったからです。幸い、品物はカメラリュックなので複雑なテストもいらず、無事に期限には間に合ったわけですが、その内容はとある難問を解決するためにいつもとまったくかわらない大ボリュームになってしまいました。

さて、その難問とは?


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レンズ探求 #20 Xenon 50mm F1.9 室内比較

Contarex Planar 50mm F2、SUMMICRON-R 50mmF2に続いて歴史ある有名メーカーの第3弾で、これにて50mm F2シリーズを締めくくりたいと思います。

シュナイダーというメーカーは、実はあんまり一般の方には馴染みがすくないのではないでしょうか。その理由は基本的にレンズメーカーであり、われわれに親しみのある35mmカメラを開発しなかったことで、わかりやすく体系化された交換レンズ群が存在しないからです。

シュナイダーのXenon、Xenotar、Super angulonという銘柄は、確かに歴史の一時代を飾ったレンズとして輝きを放っていましたが、しかしメーカーそのものは、ツァイスやライカに匹敵するような確固たるイメージはないように思います。写真界で語られるのは常にレンズ単体のみで、シュナイダーというメーカーの深い部分に言及したWEB記事はほとんど見かけません。

Schneider-Kreuznach

メーカーのWEBサイトはきちんと用意されており、歴史的な資料も残っているのですが、堅実な会社の歩みが記されてあるだけでCarl Zeissのような激動のドラマや発展はありません。

おそらく、1980~1990年代のフィルム時代を体験した人間とって、シュナイダーはローデンストックと並んだ大判レンズのメーカーという印象が強いのではないでしょうか。中判ではRollei 6000シリーズにレンズを供給していたようですが、そもそもこのカメラ自体がマイナーもマイナーで、それはまさしく近代のシュナイダーレンズのとっつきにくさを表しているといえるのかもしれません。

そんなふうに、一般アマチュアにとって明確なイメージのないSchneider-Kreuznachという会社が持つレンズ設計の理念や実際の描写はどのようなものか? その片鱗を体感するために登場するのが、今回のXenon 50mm F1.9(Exakta)というわけです。

シュナイダーの年表によると、入手した個体の製造年は1957~58年頃で(?)、微妙にContarex PlanarやSUMMICRON-Rと年代が合いませんが、新しすぎるよりは古い方がいいだろうということで、比較の開始です。


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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



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*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

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