Vario-Sonnar 28-70mm F3.5-4.5 MMJ 各焦点域でのピントチェック~その他性能

ちまたでピントが見えない見えないと大評判(?)のVario-Sonnar 28-70mmを他の単焦点と比較してみました。

ズームレンズなのでできるだけ撮影範囲を合わせる努力はしましたが、それぞれに違う実行焦点距離やF値不明のためにまあだいたいこんなものだろうとゆるく眺めながら、Vario-Sonnarの絞り開放を計測的な画像で確認することが今回の目的です。

比較はこんな感じでVario-Sonnarの各焦点域を見てみます。比較対象となる単焦点レンズは像倍率ができるだけ一致するように三脚を前後させつつ絞りはAEの数値をにらみながらてきとうに絞り込みました。

・Vario-Sonnar 28-70mm(35mm域 F3.5~F4の間?)- Distagon 35mm F2.8(F3.5やや絞り)
・Vario-Sonnar 28-70mm(50mm域 F4付近?)- Planar 50mm F1.4(F4)
・Vario-Sonnar 28-70mm(70mm域 F4.5)- Planar 85mm F1.4(F4やや絞り)


それにしても……定規はいつの間にか傷んできてるし、黒バックは前々から傷スレ多くてスポット修正しまくり。でも、どうでもいい物撮りごときにお金をかけたくないのがこのケチケチBlogの脇の甘さよ。


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Distagon 35mm F1.4 MMJ

Distagon 35mm F1.4 MMJ 注記なければ絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はバラバラ


このレンズの持ち味はPlanarのような階調の豊かさで、悪くいえば50mm F1.4との差別化ができません。画角の問題はさておき、どちらを使っても似たような描写は得られるので、いつも重たい35mm F1.4を持ちだすか迷います。
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Distagon 35mm F2.8 AEJ

カメラは旧機種のEOS 5D
Distagon 35mm F2.8 AEJ 注記なければ絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから調整、一部ゴリゴリ現像

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CONTAX Planar 50mm F1.4のシリアルナンバー雑感

最初に前置きしますが、S/Nの分布はてきとうに中古市場をながめた印象なので精密な調査をしたわけではありません。

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※グレー文字は完全な捏造なので真に受けないようにっ!

S/N:58 
 |   ・製造開始は581で、585は見たことがなく59へ飛んでいる?
 |   ・582までが本当の希少種で、583、584は初期型の中でもやや発見率が高い。
 |   ・黒刻印を見かけるのは581~582。
 |   「とりあえず最初のZEISSなんで584まで作ってミーティングじゃあ」
S/N:59
 |   ・595もなさそう。
 |   ・58よりも多少見かける率が高い。
 |   「もう一度、製造現場の見直しってことで59も途中で切るでぇ」
 | 
S/N:60
 |   ・製造数が一番多かったと思われる時期。
 |   ・60、61、62、64などは定番のS/N。
 |   ・67辺りでシルバーのバヨネットになるっぽい。
 |   「よっしゃあ、一気呵成じゃあ。作れ作れぃ。写真はレンズで決まる(キリッ)」
 |   「60後半は数減らしときぃ。爪のクレームに対応するとさぁ」
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           ↑AEJ

           ↓MMJ
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S/N:68
 |   ・68あたりからMMタイプに変更と思われる。
 |   ・移行期なので鏡胴はMMだがレンズはAEという個体あり
 |   「まだAEの玉があるからこれの消化じゃあ」
 |   「MM化で勢いつけるために68は多めに作っときぃ」
S/N:70
 |   ・よく見かけるのは74、79でそれ以外はかなり個体数が薄い気が。
 |   ・79の個体は発色性能がやや上がっていることを確認、実際は74から?もっと前?
 |   ・MMJ特有のクモリを生むバルサムの変更がどこかでおこなわれた可能性が高い。
 |   「ちょっと最近、他社さんのAFカメラに押されてんねん」
 |   「マイナーチェンジ入るってよぉ。74までは数押さえときぃ」
S/N:80
 |   ・これ以降のS/NはCONTAXのラインナップが完成~衰退期で数が減る。
 |   ・新品同様の個体が入手できるのも80から。
 |   「いくら描写が良くてもピントが合わなくちゃってカアチャンが言うんよ」
S/N:90
 |   「N1出たからいつかこのレンズやめるんやろな」
 |   RoHS指令!! やばいやん、うちのCONTAX!!」
 |   
S/N:150
 |   ・CONTAXの最終ナンバーでZFの開始ナンバー。
 |   ・S/Nの桁がひとつ増えるので逆に希少。
 |   「在庫払底の最終生産っちゅうわけで、最後は景気よく150かましたるでぇい!」
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           生産終了


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Rollei Planar 50mm F1.4 Rollei-HFT #2 CONTAXとの比較

今回、あれ?っと思ったのはRolleiの方がすべての画像で暗く写り、丸ボケも小さいことです。以前のHFTでこれに勘付いた時は半段クリックの絞りリングが動いたか?と思い込んだのですが、Rollei-HFTのゴムリング鏡胴は単純な一段クリック。当然、自分の過去記事を覚えているので撮影中に何度も絞り羽根の状態を見直しましたが、レンズは完全な絞り開放でした。

とりあえず過去記事に修正を加え、いくつかテストをやり直しました。


最初の画像がPlanar 50mm F1.4 Rollei-HFT、後の画像がCONTAX Planar 50mm F1.4 AEJですべて共通。

すべて絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はCamera Standard(DPPのスタンダード相当)

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ややピンずれ。ボケや被写界深度の参考にはなりません。
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保護フィルター一斉比較 Zeta、DHGスーパー、ULTIMA、L37 Super PRO

比較するのは、以下の保護フィルター5種類。

Kenko L37 Super PRO
[ 透過率99% 薄枠仕様 370nm以下の紫外線カット ]
90年代末期の高級フィルターで透過率の数字をアピールした最初の製品。今回使用したのはコーティングにスレ傷があるそれなりに消耗した物。(ガラスの傷ではないので反射がないと見えません)
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Kenko Zeta
[ 透過率99.4%以上 ガラス外周墨塗り加工 薄枠仕様 ]
L37 Super PROの後継で、一世代前の高級フィルター。現在はダストフリーコートを備えたZeta Quintにモデルチェンジ。内枠がやや狭く、前玉がフィルターネジぎりぎりのレンズなどはケラレ注意とのこと。現物を観察したところ、裏側のガラス押さえの幅が広いようです。(画像左がZeta)
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MARUMI DHGスーパー
[ 透過率99.4% 撥水・防汚コーティング 墨入れ加工 薄枠仕様 ]
マルミではEXUSに次ぐ二番目の性能。ほどほどの値段で撥水・防汚コーティングが手に入るのでお買い得。ただし、当サイトのテストでは性能がイマイチな印象。

HAKUBA ULTIMA
[ 透過率99.4%以上 墨入れ加工 薄枠仕様 350nm以下の紫外線カット ]
撥水・防汚コーティングがない代わりにグレードの高い光学ガラスが使われた高級フィルター。コーティングが今までに見たことのないタイプで、蛍光灯にかざす角度によって反射色が変わって見えます。ZetaやL37 Super PROよりもコーティングの色がはっきりと見えるのに、実写テストは優秀という不思議な製品。3mmの薄枠は非常に軽いが強度の面では??(画像中央がULTIMA)
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CONTAX P-Filter
[ 透過率不明 ]
純正フィルターの中で唯一MC表記がないので、まさに保護用のシングルコートだと思われます。反射の多さは手に取るだけで一目瞭然。今回はシングルコートの一例としてテスト参加。
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ちなみに、記事執筆時点の価格順位はこう。

■プロテクトフィルター 55mm■
ULTIMA       3,936円
Amazon限定 Zeta 3,822円
L37 Super PRO  3,018円(※旧モデルの売れ残りのため逆に高値)
DHGスーパー   2,627円
CONTAX P-Filter  1,000円前後(※中古相場。メーカー希望価格は2,000円)


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Planar 85mm F1.4 AEG ギザギザ絞り検証~Bokehの話

Planar 85mm F1.4 AEGを理解するための検証記事はこれで最後。

CONTAXのAEタイプを手に取ると、その絞り形状に驚きます。古い安価なレンズやロシアレンズならともかく、あのCARL ZEISSがなんで?と。その理由については明確なアナウンスを聞いたことがないのでさておいて、これがどれほど実写に影響を与えるのかというのが今回のテーマです。

実際のところ、このギザギザは標準以下の小口径レンズならほぼ問題なしで、その理由はF2.8クラスのレンズでは開放か、できるだけ絞り込むかの両極端になるのと、焦点距離や撮影距離によるボケ難さが絵柄の中に占めるボケの存在感をいちじるしく下げるからです。逆に考えると、この絞り形状はそれらが関与しない特定状況でのみ問題になるともいえます。

具体的には丸ボケが大きくなる望遠レンズ、または近接時の背景で反射や逆光抜けが点在する場合など。


では、実写を確認する前にちょいと実験。
正確なシミュレートではありませんが、Planar 85mmのボケをPhotoshopに写し取って、ガウスぼかしをかけてみました。

実物からトレースした絞りF2.8の形状。
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高輝度を想定した白地に段階的なガウスぼかし。
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柔らかい背景を想定して暗めのグレー地。
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これは正確なシミュレートではないと書きましたが、実写の印象もほぼこんな感じで、おだやかな光ではほぼ右端の見え方で、そこから段々と光が強くなると左端へ近づいていって、場面によってはくっきりとしたぎざぎざボケになります。

ここで重要なのは、真ん中でもほぼ角型絞りといえるのではないかということと、右に至ってはまったく問題なしと見なせることです。


というわけで、実写解説に進んでみましょう。
ボケばかりでなく、解放と二段絞りの描写比較にもなると思います。


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カテゴリ :「Planar 85mm F1.4」

Distagon 18mm F4 AEG

他のPlanarやDistagonと違って、このレンズはボケに頼らない平面の階調だけで力強い印象を残すような気がします。色の粘りというか厚みというか抜けの悪さというか……。
※周辺部カラーシフトが起こっていますが修正はしていません。


カメラは旧機種のEOS 5D
Distagon 18mm F4 AEG 注記なければ絞りF8~F11
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから調整、一部ゴリゴリ現像

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Planar 85mm F1.4 AEGの逆光耐性まとめ 実は意外な使いみちあり?

まず、Planar 85mmの逆光耐性についてわかりやすい比較はこれ。
太陽は画面左上方向、鏡胴内の対角に位置する部位で内面反射が起こっています。

Planar 85mm F1.4 AEG フードなし
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Planar 85mm F1.4 AEG フードあり
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Planar 85mm F1.4 MMJ フードあり
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AEGは右下のフレアがフードを着けても目立ってしまっていますが、厳密にはMMJもあやしい描写なので、もともとPlanar 85mmには逆光時に指向性フレアを発生させる構造的弱点があるといえます。反射防止コーティングについては日差しに透けた高輝度部分がしっかりしているので、現代なみの性能があり、描写を落とす要因ではなさそうです。


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カテゴリ :「Planar 85mm F1.4」

Planar 85mm F1.4 AEG MMJ 比較撮影 その2(フードあり)

プラナー85mm F1.4のAE/MM比較で、純正67-86リング+86mmフードありです。

よし、快晴だ!と勇んで出ていったら太陽のまわりだけ薄い雲がかかっていたというありがちな話。なので、ものすごく素早くレンズ交換しながらひとつしかないフードをいちいちあてがうという大忙しで、いくつか明確なピンずれやっちゃってますがご了承ください。


最初の画像がPlanar 85mm F1.4 AEG、後の画像がPlanar 85mm F1.4 MMJですべて共通。

注記なければ絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はCamera Standard(DPPのスタンダード相当)

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カテゴリ :「Planar 85mm F1.4」
その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



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*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

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