ZEISSレンズとかなんとか

*PC画面での閲覧推奨*

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Planar 85mm F1.4 すべて絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はてきとう


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Planar 50mm F1.4再考 #23 FD50mm F1.4 S.S.C. (II) 室内比較

アサヒカメラは写真誌のなかではかなりお堅い印象があり、一昔前までは写真評論がかなりのページを占めていました。近年は他紙との競合でそれなりにやわらかい雰囲気になったようですが、そんな真面目な紙面作りの一環として、カメラやレンズを学術的に分析した「ニューフェース診断室」という製品紹介が連綿と続けられていました。(※過去形で示すのは、デジタル時代になって若干、形態が変わったため)

実際に分解され内部構造まで確かめられたカメラ診断も価値あるものですが、それ以上に何十年も前から一定の形式が守られている写真レンズの数値評価は、時代を超えた性能比較を可能にするとても意義深いものです。撮影者の主観でない収差図、解像力数値、MTFチャートがあることで、我々は本来は知りえないレンズ設計の歴史や設計者の意図にふれることができるのです。

収差図なんて知る必要もないし、撮影者にとって実写がすべてでは? なんて声もごもっともですが、いやしかし、ミラーレスのピント拡大によって前もって確認した球面収差や非点収差の様子がリアルタイムで観察できるなんて、すっごくおもしろいじゃないですか!!


……そんなこんなで、いまや収差図が大好物になってしまった自分ですが、あるときアサヒカメラの記事を眺めていて目ん玉が飛び出てしまったのがFD50mm F1.4の数値性能でした。

絞り開放の解像力(本/㍉) 中心200 平均155
F5.6の解像力(本/㍉) 中心250 平均187

これがどれだけすごいのかというと、ひと絞り暗いSUMMICRON-R 50mm F2(前期型)がこの数値です。

絞り開放の解像力(本/㍉) 中心224 平均131
F5.6の解像力(本/㍉) 中心250 平均157

おマニア様ならご承知のとおり、本来、暗いレンズは設計がしやすく、明るいレンズと暗いレンズで同じコストをかければ、間違いなく暗いレンズのほうが高性能になるわけです。しかし、この場合は……

開放F1.4の国産レンズが開放F2の舶来高級レンズと遜色ない数値を出していて、しかも部分的に勝っちゃってるよ!!

ヽ__乂__乂__乂__乂__ノ  ⊂(。Д。) ウソダロー


それでは、このとんでもない事実を確かめるべく、いつもの比較をおこないますが、まず最初に調べるのはS.S.C.のII型というのにご注意ください。このあたりのモデル違いについてはあとで整理します。


※上記の数値性能はこの二冊に載っています。(他にレンズテスト 第一集/第二集などもありますが、そちらにはMTFはありません)


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当Blogがいつも悩んでいた開放F値の違うレンズを比べるときに露出がそろわない問題

これをちょっとご覧ください。

二種類のレンズでフラットなライトパネルを撮影した結果で、まるっきり明るさが違うように見えますが、しかしこれ、光学的には同じF値で正しい露出なのです。

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もうすこし情報を足して、こう並べてみると、どうしてこうなったのか合点がいくはずです。

Planar 50mm F1.4(絞りF1.4)
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左: Planar 50mm F1.4(絞りF2)  右: SUMMICRON-R 50mm F2(絞りF2)
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要するに、開放F値の違うレンズの一方を絞り込んでF値を合わせているために、周辺減光の様子が違うわけです。しかし、それにしてもこの明るさの差は何なのでしょうか? ここで物知りの人はこう思うのかもしれません。

はは~ん、オールドレンズだから経年劣化で絞りの正確さも保たれていないだろうし、だいたいにしてレンズの実際の透過量(T値)なんて細かくばらついてるんだよね、と。

最初は自分もそう思っていましたが、実はこの解釈は不正解なんです。なぜなら、レンズのF値は画面中心部のみを指し示す数値だから。


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お花と葉っぱと枝

α7II Photoshop Camera RAWの現像設定はてきとう

Planar 50mm F1.4
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Distagon 18mm F4 AEG 他のDistagon 比較撮影

前回の比較撮影で、Distagon 18mmの描写特性について結論を出したのですが、実のところ……

画角もF値も違うレンズでそんなことが簡単に分かるわけがない!  (°言°) ドーン

Distagon 18mm F4 AEG Distagon 21mm F2.8 ZE 比較撮影
http://sstylery.blog.jp/archives/80521681.html

というわけで、なんとか分析の確度を上げようと、Distagon 21mm F2.8 ZEと並行して撮影していたのがDistagon 28mm F2.8 MMJとF-Distagon 16mm F2.8 AEGだったわけです。画角差(絵柄の差)はDistagon 21mmよりもさらに広がりさして有益でもありませんが、すくなくとも同じCONTAXだし、デジタル時代のコシナツァイスよりも通じるものはあるだろうという目論見でした。


Distagon 28mm F2.8 MMJ: ほぼニュートラルな色味による高彩度、CONTAX時代としては高いMTF
F-Distagon 16mm F2.8 AEG: AEG初期の写りの古さ


これらのレンズと比べることによって、CONTAXの中でのDistagon 18mmの位置づけが具体的にイメージできるかもしれない、ということでジタバタしてみたのがこの記録となります。あくまで補助的な比較だったので枚数も少ないですし、結論は前回のレンズ評にまとめたので特に新しい事柄はありませんが、まあ資料的な意味合いとして。


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「標準レンズの帝王」はウソだけどホントの話 ~ 国産50mm F1.4のSUMMICRONとも呼ぶべき、もうひとつの王者

オールドレンズ界隈で、‟標準レンズの帝王”という言葉はあっちこっちでしつこいくらいに出てきます。しかし、これはメーカー自身がカタログに書いた言葉で、少なくとも自分の見聞きした範囲ではCONTAXの現役当時にこんな大それたことを言っていた人はひとりもいなかったですし、今だって写真趣味の集まりでは「このレンズは標準レンズの帝王と呼ばれていて……」なんて大真面目に語られてはいないと思います。つまり、この言葉はオールドレンズ解説の枕詞に便利だからネット時代に爆発的に広まっただけ。

【国内版のPlanar 50mm F1.4の解説】
カール・ツァイス交換レンズを代表する高性能レンズ。光学ガラスの進歩とカール・ツァイスの最新の設計理論から生まれた優れた描写力は標準レンズの帝王ともいうべき逸品です。
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【USA版のPlanar 50mm F1.4の解説】
A fast, high-performance standard lens incorporating the latest achievements in optical glass and correction of image errors. Valuable both for fast action and low light levels.
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(※てきとう意訳 光学ガラスと収差補正における最新の成果を取り入れた、高速で高性能な標準レンズです。 速い動体と微光量下の撮影で役立ちます)

このように、プレミア感を演出する国内版の解説と違って、USA版はごく簡潔に新しい50mm F1.4の特長をまとめているだけです。なぜ、このような温度差があるのか?というのは、当時の日本人のドイツレンズに対する強い憧れに加え、もしかしたら、YASHICA/CONTAX以前の高級カメラであるContarexが王(rex)という単語を用いていたことにあやかったのかもしれません。

と、こんな書き出しをすると、自分が日本人のブランド志向を皮肉っているかように思われるでしょうが、しかし、昔の自分もまた、思いっきりCarl ZeissやPlanarという言葉の響きにうっとりと夢を見ていたのです。


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東京光学 RE.Auto-Topcor 58mm F1.4のフード

RE.Auto-Topcor 58mm F1.4には、いったいどんなフードがベストなんじゃろう?( ̄ー ̄ ?

これがなかなか難しく、フィルター径62mmで58mm F1.4という、まず他で見かけないスペックだけで頭を抱えてしまいます。果たして、あのでかい前玉にぴたりと合うフードなんてあるのだろうか……。

もちろん、その答えは当時の純正フードでしょうけど、意外とレンズとセットで見かける率は低く、単品入手なんてとてもじゃないけど無理です(あったとしてもプレミア価格)。そんなわけで、この問題を抱えている皆さんの手助けになるために、いくつかのフードで検証を行ってみました。


LH620-01(シグマの旧カミソリマクロ用)  62-67ステップアップリング+汎用67mmメタルフード
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トプコン純正フード
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Distagon 18mm F4 AEG Distagon 21mm F2.8 ZE 比較撮影

開放F値と焦点距離の両方が違っちゃったら厳密比較なんてできないべ……。

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……と、しばらく、ふて寝していたのですが、そろそろ決着をつけようかとまとめてみたいと思います。

今回の目的はあのねっとりねばねばのDistagon 18mm F4 AEGの写りの秘密を明らかにすることですが、F4に絞ったDistagon 21mmは周辺減光が減るし、そもそも時代が違い過ぎるし、やっぱりよくわからなそう……。

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……いやいやいや、せっかく時間をかけて撮影してきたんだから、なんとかがんばって比較をはじめますよ!


ぐだぐだですが、Distagon 18mm F4 AEGの分析開始ぃ~~~!!


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Planar 50mm F1.4再考 #7 RE.Auto-Topcor 58mm F1.4(東京光学) 野外比較(やりなおし)

東京光学(トプコン)……という名前は普通のカメラファンにはあまり聞きなじみがないんじゃないかと思います。自分もそのうちの一人で、ぽやや~んと曖昧に浮かんでくるイメージさえもありません。ただひとつ言えるのは、その昔はスゲエ!メーカーで、戦時中はニコンが海軍に、東京光学が陸軍に、それぞれ軍事用の光学機器を製造開発していたそうです。あのニコンと並び立つくらいですから、やっぱりスゲエんでしょう。

しかし、その一方で、とても博識なお戯れ記事を連載しているこちらのBlogでは、東京光学の民生用カメラ部門は撤退が既定路線だったのでは?という言及があり、Wikipediaによると1981年には一般向けのカメラ販売を終了しているようです。(※会社自体は存続しているので、京セラやコニカミノルタみたいなものでしょう)

会計士によるバリューアップ クラカメ趣味
「R氏とのカメラ・レンズ談義 その43」

まあ確かに、一眼レフのマウントを後玉まわりに余裕のないEXAKTAから変えなかったところなんかは、カメラ界の覇権を取るぞ!といった気概は特に感じません。1980年代というのは各社のAFカメラが登場する時期ですから、いさぎよくカメラ開発をやめてしまうのなら、まさに正しいタイミングだったのかもしれません。後にAF化の波に乗れず、行き詰るオリンパスの窮状をかえりみても。

後玉周囲にまったく余裕のないトプコンのEXAKTA(改)。
新型の50mmでは後玉が他社と同等サイズになりましたが、マウント筒の内側が薄く削られているなど、非常に無理がある構造です。

左: RE.Auto-Topcor 58mm F1.4 中央: RE GN TOPCOR M 50mm F1.4
右: NOKTON 58mm F1.4 SL IIN(NIKON F)
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そんなわけで、世間的には情報の少ないTopcorレンズ、その描写の一端を解き明かしてみようということで、まずは当時の一眼レフ用大口径レンズの国内の歴史を整理してみます。


1960年 NIKKOR-S Auto 58mm F1.4 6群7枚
1961年 AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4 5群6枚
1961年 Contarex Planar 55mm F1.4 5群7枚(※参考)
1961年 R58mm F1.2(CANON) 5群7枚
1963年 RE.Auto-Topcor 58mm F1.4 5群7枚
1964年 FL58mm F1.2 5群7枚
1966年 MC ROKKOR-PF 58mm F1.4 5群6枚

1962年 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 5群7枚
1964年 Super-Takumar 50mm F1.4 5群8枚
1966年 FL50mm F1.4 5群6枚
       ~~ 中略 ~~
1973年 RE GN TOPCOR M 50mm F1.4 5群7枚


これを見るに、RE.Auto-Topcor 58mm F1.4の登場はやや遅めですが、レンズ枚数は他と同等でコストダウンがなく、当時の一線級レンズだったことが推測できます。しかし、東京光学は他社のようにF1.2でさらなる価値を持たせたり、50mm F1.4へと移行していく流れには乗らず、現行レンズを改良しないまま最終的に50mm F1.4を発売したのは1973年と、かなりの独自路線です。

つまり、この時代のTopcorレンズの個性とは、積極的な性能競争に乗らなかったゆえのやる気のなさ奥ゆかしさなのかなと思いますが、果たしてその実態は?


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Planar 50mm F1.4再考 #6 RE.Auto-Topcor 58mm F1.4(東京光学) 室内比較(やりなおし)

前回の比較により、NOKTON 58mm F1.4(復刻版Topcor)はPlanar 50mm F1.4と同じ現代的なレンズであることが判明したので、では、そのオリジナルはどんなもんかいな?ということで、新旧58mm F1.4の比較となります。今回、Planarは出てきませんが、その理由はPlanar - NOKTON - Topcorと関連付ければ描写の差が分かることと、完全に同仕様のレンズが手元にあるなら、素直にそちらを選択したほうが合理的だからです。

それにしても、RE.Auto-Topcor 58mm F1.4は一部で異様に高い評価がありながらも、具体的にその良さが語られることが稀な不思議なレンズで、当Blogで最初にこれを取り上げた数年前はほんとうに謎のレンズでした。おそらく、TOPCONというメーカーそのものがマイナーもマイナーかつ、そのマウントも他に転用が不可能なEXAKTA(改)だったため、実際にこれを使い込んでいる人が少なかったのだと思われます。しかし、ようやく、デジタルのミラーレス時代になってTopcorも簡単に使いまわせるようになったので、いまではだいぶ実用品として普及し、その人気も高まってきた雰囲気があります。

そんなわけで、当時の記事では反射防止性能の低さがTopcorの味わいであると結論付けた自分もフルサイズミラーレスの威力を十二分に活用して、もう一段、深く描写性能を探ってみることにします。


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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com

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*メインはCONTAXのZEISSレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていて割と読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。


*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。


*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。


*メーカーの公式本。たしか、MM時代のMTFデータとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たり障りのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。


*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。


*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に解説を寄せている築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、割とあちこちに記事を書いている人なので内容が重複する印象あり。


*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。


*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズの階調描写について水墨画の複写を例に出していたのは今にして思えばまさに的確。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。


*Carl ZeissはPフィルターを嫌うようで、CONTAX時代もUVフィルターはマルチコーティング、Pフィルターはシングルコーティング=保護用だから撮影時には使うなよ(無言の圧力)みたいな感じでした。フィルターのT*にどこまで意味があるのかは分かりませんが拘る方はどこまでも突き進むべし!


*マルミ製リアキャップ。形は純正とは違います。今時はマウント変換後の他社用を使うのが常套でしょか。


*Planar 50mm f1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングをかませると軽快かつほどほどの深さでベター。


*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。


*中華アダプターやレンズフードの反射防止に。


*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。


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