レンズ探求 #1 このシリーズについて

「CONTAXのPlanar 50mm F1.4って、ほんとに他社と写りが違うの!?」

つか、昔の写真誌の50mm比較ではどれも似たり寄ったりでいまひとつ描写の違いがわかりにくいし、CONTAXのなかでも50mmは突出した個性なんて感じないし、いったいPlanar 50mmは他のレンズと比べてなにが優れてるの? 実はそんなに違わないんじゃない?

……という、ものすごくぶっちゃけた疑問を解き明かすために始めたのが、CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJを軸としてひたすら厳密比較していくこのシリーズです。まあ、何本か手持ちのレンズと比較すればPlanarの個性もつかめるだろうと気楽にかまえていたのですが、いつの間にやら有名レンズをそろえだし、あれやこれやと各標準レンズの歴史的な位置づけやら描写の関係性やらを推測するまでになってしまったのです。


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Planar 85mm F1.4についてのまとめ

Planar 85mm F1.4は簡潔に表現すると、誰が撮っても華やかな色彩感を楽しめるレンズで、実際に当サイトの画像のほとんどはカメラ側で特別な操作はいっさい必要なく、色かぶりの微調整をするだけで勝手にあの調子が出てきます。

つまり、ベストセラーレンズだったPlanar 85mm F1.4は真の意味で描写を愛されたレンズではないでしょうか。その他の難しい面はさておき。(汗)


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でぃすたごん 28みり えふ2 いろいろひかく

(°言°)  (あづい゛……ので口数が減ります)


まずHollywood…………

たしかにPLマウントで同スペックのレンズはあるけれど………
なんで数がでていないレンズにそんな呼び名がつくのだろう………


描写…………

人によって感想がばらばら………

黄色っぽい、ものすごい色を出す、ハイライトが飛びがち、地味系………
どれが本当なのだ……


設計…………

グラツェル師匠の作だとか………
旭光学さんとの共同設計だとか、設計を買ったとか………

マルコ先生…………
もっと機械翻訳しやすいイタリア語をお願いします………


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カテゴリ :「Distagon 28mm」

Planar 85mm F1.4 AEG

カメラは旧機種のEOS 5D
Planar 85mm F1.4 AEG 注記なければ絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから微調整、一部ゴリゴリ現像

まずは真夏の写真でフィルム調。
2005


油断してベストピントにならず。
2008


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ビオゴンタイプの周辺画質低下の真相

今風に表現すると皆様と知識をシェアしましょう、ということになるのでしょうか。

なんとなく見つけてしまいました。デジタルカメラにおいて、広角レンズの周辺画質に関する決定的な記事。撮影にはまったく関係ない技術的な話ですが、喉につっかえていた小骨がぽろっととれるかもしれません。

Shin's MonoBlogue
邪魔なものは取ってしまえという話
http://monoblogue.nikomat.org/article/168910117.html


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Planar 85mm F1.4 MMJ

ときにシャープでみずみずしく、やわらかで透明感もあり、となにを言ってるんだかよくわからないレンズ評は、使い込むうちに嘘みたいに納得できます。Planar 85mm F1.4は光によってさまざまな表情を見せてくれるほんとうに良いレンズ。


カメラは旧機種のEOS 5D
Planar 85mm F1.4 MMJ 注記なければ絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから微調整、一部ゴリゴリ現像

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CONTAXのVario-Sonnarセレクション

コンタックスの標準系バリオゾナーはこれだけあります。


Vario-Sonnar 40-80mm F3.5 AEG           9群13枚 1.2m 55mm 660g(1975年?)

Vario-Sonnar 35-70mm F3.4 MMJ         10群10枚 0.7m 67mm 475g(1987年)
Vario-Sonnar 28-85mm F3.3-4.0 MMJ   13群16枚 0.6m 82mm 735g(1989年)
Vario-Sonnar 35-135mm F3.3-4.5 MMJ   15群16枚 1.3m 82mm 860g(1993年?)

Vario-Sonnar 28-70mm F3.5-4.5 MMJ     8群  9枚 0.5m 67mm 325g(1998年)
Vario-Sonnar 35-70mm F3.5-5.6 G         8群13枚 1.0m 46mm 290g(1999年)*
Vario-Sonnar 24-85mm F3.5-4.5 N         12群14枚 0.5m 82mm 640g(2000年)*


まずは発売順に並べると、40-80mmがなんと初代RTS発売当時から存在していたことに驚きます。レンズ性能も洗練されていく前のもので、明らかに40-80mmとそれ以後のレンズ構成、スペックに相関性はありません。後ろの*マークはマウント違いで、Gレンズはショートフランジバックでピントリングなし、Nレンズは絞りの駆動に電子接点が必要です。

この空白行を使ったグループ分けは何かというと、設計年代のおおまかな違いによって発色が違うと思われる区別です。思われる、と書くのはほとんどのレンズを自分で実写したことがないからですが、このように発売年がきれいに分散しているとあながち間違いではないと思います。

28-70mm F3.5-4.5で実感した新時代の色が90年代後半から2000年代、ある程度のズーム性能が確立された中庸な描写が80年代後半から90年代前半、発展途上だった古めかしい70年代。当然ながら、時代がさかのぼるほどに発色はおだやかになり、現代のクリアー/高コントラストを見慣れた目線からは味を感じることでしょう。

とまあ、実証のともなわない能書きはここまでで、これをレンズ選択がしやすいように並び替えます。


Vario-Sonnar 24-85mm F3.5-4.5 N         12群14枚 0.5m 82mm 640g(2000年)*

Vario-Sonnar 28-70mm F3.5-4.5 MMJ     8群  9枚 0.5m 67mm 325g(1998年)
Vario-Sonnar 28-85mm F3.3-4.0 MMJ   13群16枚 0.6m 82mm 735g(1989年)

Vario-Sonnar 35-70mm F3.4 MMJ         10群10枚 0.7m 67mm 475g(1987年)
Vario-Sonnar 35-70mm F3.5-5.6 G         8群13枚 1.0m 46mm 290g(1999年)*
Vario-Sonnar 35-135mm F3.3-4.5 MMJ   15群16枚 1.3m 82mm 860g(1993年?)

Vario-Sonnar 40-80mm F3.5 AEG           9群13枚 1.2m 55mm 660g(1975年?)


ここからが本番。ズームレンズはまず利便性、そのつぎに描写性能とのバランスが大事ということで、個人的にマイナスと思われる項目を挙げ、購入候補のレンズを振り落としていきます。

スペックを読む際の参考としては、最短撮影距離は焦点距離の10倍が昔からの基準で50mmレンズなら50cmまで近づければ問題なし、フィルター径は67mmまでが普通の取り回し、重さは300g前後が小型単焦点の平均で、大柄な大口径レンズは600~700g。このような数値から実際の使い勝手をイメージしつつ、手持ちで使う標準ズームの理想を一昔前の28-70mm F2.8と仮定してざくざくと切っていきましょう。

参考にしたのはまたまたこの本と、ZEISSのデータシート。



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Planar 50mm F1.4 HFT Rollei-HFT 比較撮影

意外と興味ある人が多いんじゃなかろうかという新旧HFT比較。
なんとか快晴が得られたので、前回いまひとつ自信がなかった両者の差異がよくわかりました。といっても、複数の個体をテストしたわけではないので、あくまで自分の見たものにかぎっては…という遠慮が入りますが。

比較撮影を始めてすぐに気づいたのはRollei-HFTの階調がすこし明めに出ることで、そのため念入りに繰り返し撮影をしたのですが、すべての画像で再現性がありました。この違い、よぉ~く観察してみてください。Rollei-HFTの青みはもう確定ですね。


最初の画像がPlanar 50mm F1.4 HFT、後の画像がPlanar 50mm F1.4 Rollei-HFTですべて共通。

すべて絞り開放 マニュアル撮影で設定固定、WBは5200kから大雑把に調整
Photoshop Camera RAWの現像設定はCamera Standard(DPPのスタンダード相当)

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Planar 50mm F1.4についてのまとめ

このレンズを好きか嫌いかといったら、CONTAXで他に選択肢がないのでまあなんとなく使っているとしか言えないのですが、画角が平凡な分だけとびきりの感動はないように思います。色はあきらかに良いのでアベレージが高いといった感想ですが、このレンズでなければ!といった部分は他社レンズのほうが思い浮かぶという……。

なんてネガティブ感のある前置きですが、CONTAXの他のレンズは画角のインパクトと合わせてより個性的なのでこの50mmはそれよりも存在感が落ちる、というのが自分の感想です。


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Vario-Sonnar 28-70mm F3.5-4.5 MMJ

驚きの廉価版バリオゾナー。このレンズの発色と接写での豊饒な写りは冗談抜きで感動します。
まあ、安ズームとはいってもCONTAXなので高いんですけどね……。


カメラは旧機種のEOS 5D
Vario-Sonnar 28-70mm F3.5-4.5 MMJ 注記なければ絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はスタンダードから微調整、一部ゴリゴリ現像

非常に色再現がよく、光線状態を問わず勝手に最高の調子に仕上げてくれます。
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このレンズの接写は別格。ボケは柔らかく、階調は優雅。
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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com



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*メインはCONTAXレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていてわりと読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。
*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。
*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。
*メーカーの公式本。たしか、MM時代のレンズ群にMTFチャートとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たりさわりのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。
*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。
*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に参加している築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、わりとあちこちに記事を寄せている人なので内容が重複する印象あり。
*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。
*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。
*Planar 50mm F1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングを合わせると軽快かつほどほどの深さでベター。
*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。
*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。

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