ZEISSレンズとかなんとか

*レンズ比較したり、適当なこと語ったり*

Planar 50mm F1.4再考 #23 SUMMICRON-R 50mm F2 室内比較

ContarexのPlanar 50mm F2をやるならLEICAFLEXもやらねばならぬ、ということでSUMMICRON-R 50mm F2です。とはいっても、ドイツの二大メーカーを競わせたいのではなく、単純に同時代、同スペック、同クラスの高級レンズということで正確な比較が可能、とても意義があると思ったからです。

ライカの一眼レフ、1964年発売のLEICAFLEXは後にLEICA Rシリーズとなって2003年のデジタルモジュールRにまで行きつくわけですが、その存在感はとてもひっそりとしたもので、フィルム時代の評判と言えば、ライカなんだからたぶんとても良いものなんだろう…というぼんやりしたイメージに包まれる通好みのカメラでした。ライカマニアでない自分がLEICA Rを総括するのも憚られるのですが、破竹の勢いで機能と使いやすさが増していき、やがてはAFにまで発展していく日本製一眼レフの陰でM型ライカの質感をあきらめ、しかし、値段は高いままという華のなさがLEICA Rを苦戦させた原因のひとつだと思います。かつての巨人であったZEISSのカメラ事業が日本のヤシカとうまく折り合いをつけて、CONTAXの熱風を巻き起こしたのとは対照的に、ライカはミノルタの技術を借りながらも孤高を守り続けたのでした。その結末は、のちに別の明暗を描くのですが……。

CONTAX Nシステムの失敗理由、京セラCONTAXの終焉

参考までにカメラ雑誌の広告から一部抜粋すると、1976年の正規販売店の売値ではR3+SUMMICRON-R 50mmF2が423,000円、1993年の広告ではR7が380,000円、SUMMILUX-R 50mm F1.4が185,000円。さすがに、これでは一般人がおいそれと手を出せるカメラであるわけがなく(中判のHasselbladが買えます)、さりとて、その値段に見合うM型ライカのような機械的味わいも薄く。せめて、カメラファンの関心を惹きつけるスターレンズ(魅力の分かりやすい有名レンズ)でもあればよかったのですが、それはせいぜいR晩年期に熱が高まったAPO-MACRO-ELMARIT-R 100mm F2.8程度と、かなり寂しい状況です。ライカを使うなら、やはりレンジファインダーという風潮も少なからずあったようですし……。

そんなわけで、ずっと日陰の存在だったRレンズは研究の対象としてはおもしろいのですが、マウントの垣根を超えたミラーレス時代にあって、いまだに話題が盛り上がることがないのです。その理由は何なのか? 実際のところRレンズの描写力はどうなのか? 

丸裸にしてみせましょうぞ!! SUMMICRON-R 50mmF2よ!!


【諸注意】
今回、使う個体はContarexとの比較を見越した古い前期型の先細タイプとなります。
・最初に比較するのは当シリーズの基準となるCONTAX Planar 50mm F1.4 AEJです。


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Distagon 35mm F2.8 MMJ Distagon 28mm F2.8 MMJ 比較撮影

では、いつもの比較に移る前にそれぞれの特徴でも明記しておきましょう。

・Distagon 35mm F2.8は際立った個性がなく、その癖のなさが逆に使いやすさに直結しているレンズ。
・Distagon 28mm F2.8は開放から高コントラストで数値性能の高さが実写でも実感できるレンズ。その写りは昔から定評あり。

その他の細かい情報は他のページを見ていただくとして、無難vs高性能、その結果はいかに!?


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Distagon 35mm F2.8とDistagon 28mm F2.8の周辺減光

Distagon 35mm F2.8とDistagon 28mm F2.8を比較する前に、各々の周辺減光を確認しておきます。

なぜ、この程度の内容を別記事でやるのか?というのは、まず、この二者は画角が大きく違うので、当然ながら周辺減光が画角の影響を受けて見た目の大きな違いとなるからです。基本的に広角レンズは画角が広いほど周辺減光がきつくなるコサイン四乗則という法則があり、その差は絞り込んでも解消されません。(※コサイン四乗則以外にも様々な要因があり、特にデジタルカメラの場合にはセンサー起因の周辺減光もあることに注意)

そして、その大きな周辺減光の違いが、時にレンズの視覚コントラストを見誤らせるからです。


……なにを言っているのか分からないと思うので、順にこれらのレンズを見比べながら解説していきます。


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Distagon 35mm F2.8 MMJ Distagon 35mm F1.4 MMJ 比較撮影

開放F2.8のレンズとF1.4のレンズでは比較にならぬ……のですが、もともとさして意味のない当Blogのレンズ比較、開き直っていってみましょー! (=゚ω゚)ノ


例によって、比較の補足を先に。(もうこの辺が分かっているお馴染みの方は飛ばしてください)
開放F値の違うレンズは一方を絞ってF値を揃えても、周辺減光がどんっと改善されてしまうために比較になりません。そこで妥協案として、絞ったレンズにRAW現像で周辺減光を後付けし、できるだけ全体の諧調感を揃えてなんとか比較を成立させようというのが、ここ最近、当Blogが出した結論です。

Distagon 35mm F2.8 MMJ(F2.8)
この二枚の写真をビューワーなどで見比べると、かなり別物の輝度分布であることが分かります。この状態で色やコントラストを評価するのは無理があり、「たぶん…」という言葉がついてしまいます。
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Distagon 35mm F1.4 MMJ(F2.8)
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Distagon 35mm F2.8 MMJ(F2.8)
そこで、他方に周辺減光を足すことでおおむね輝度分布が揃い、各々の固有描写を見ることができるようになります。
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Distagon 35mm F1.4 MMJ(F2.8)
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んで、とりあえずのテーマとしては、あの地味なDistagon 35mm F2.8がMM化して、どのような写りになったのか? それを、高発色で諧調豊かなDistagon 35mm F1.4 MMJと比較して調べてみたいと思います。


こちとら廉価レンズやー!! (  ̄◇ ̄)乂( ̄皿 ̄ ) ふふふっコスト違いすぎっ


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メッセージ欄のお返事

Blog右側のサイドバーに気軽に送信できるメッセージ欄を設けたので、そのお返事です。
※頂いたご要望は名前を伏せ、簡略化しています。



2019-04-02 S-プラナーの60mm初期型はシリアルいくつから? 85mmプラナー1.4の青玉はどんなレンズ?

59だす。S-Planarの60mmは59番台を狙えば、三重式反射防止筒が付いているはずです。簡単な見分け方は、露出した後玉の周囲にリングが三つ重なっているように見えたらそれが縮んだ筒なので初期型となります。この筒は60番台にもあるようですが、数字的には59番台が初期型となるでしょう。Planar 85mm F1.4の青玉は……さあ、どんなでしょうねぇ。85mmの前玉の色には水色、紫、青、緑などがありますが、それ以外にも超レアの赤(レッド)があります。ふふふ……。


2019-03-14 Distagon 21mm F2.8を取り上げてほしい。

ブハッ ( ゚∀゚)・;'.、 CONTAXの21mmは数が少なくプレミア化していて、中古ならZFの方が安いんです…。となると無理してMMJを買う必要もなく、かといってZFはより現代的になっているので画質を確かめる意味があるのかというジレンマ。ごめんなさい、プレミアレンズはい――っちばん後回しですね。いちおう21mmの評判としては、ハイコントラストながら色彩感、諧調もよく、かつての折戸氏の本ではポートレートが掲載されていたりもしました。




Planar 85mm F1.4で桜さん

EOS 5D、α7II
Planar 85mm F1.4 すべて絞り開放
Photoshop Camera RAWの現像設定はてきとう

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自己流センサー清掃 無水エタノールは使いません。

簡潔に言うと、内容はタイトルどおりです。わたくしはα7IIのセンサー清掃で無水エタノールなどの薬品を使わない自己流で、まったく手間も費用もかけていません。薬品を使わないので拭きムラも気にする必要がなく、ソニーのサービスにも出したことがありません。では、いったいどうやっているのか?

それを解説するのが今回の記事となりますが、ひとつだけ注意があります。カメラのセンサーに付着するゴミは撮影場所やそれぞれの使い方によって千差万別、必ずしもこれがベストということではありません。そのあたりのケース・バイ・ケースを分かっていただいた上でわたくしめが主張したいのは……


α7シリーズのセンサーには、無水エタノールなどは不要です。むしろ、薬品を使うと清掃が面倒になるので、使わないで済ませた方が簡単です。


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α7IIの液晶コーティング剥がれ

この写真は、いつものように室内蛍光灯のてきとうライティングと根性レタッチですが、よーく目を凝らしてみてください。液晶画面の右端になんか線が見えません?
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どぎゃーーんっ!!
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ずぎゃぎゃーーんっ!!
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や、やっちまったよ……。これが有名なソニーのコーティング剥がれか……。( ;ェ;)


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【仮説】焦点内外像とは何か? 年輪ボケの理由

Planar 50mm F1.4の初期型の個体差を見るために行った焦点内外像の比較、これは本当に不思議なもので、レンズの状態がとてもよく写るのですが、その実態はまるで分からないものでした。この焦点内外像が難しいのは、ネットの解説では具体的な原理が省略されているのと、その写りが距離とボケ量によって如何様にも変わってしまうことです。

どの距離で撮影して、どんなボケ量で止めればいいのだろう? そんな疑問を持ちながら延々撮影を繰り返していると、石の上にも三年というか、な~んとなく手ごたえが掴めてくるのです。必ずしも球面収差図とイコールにはなりませんが、条件を揃えて、このあたりのボケ量ならレンズの特徴が見えてくると。

そういうわけで、すべてのレンズを撮影し直し、自分なりに確度の高い画像を差し替えたのが以下の記事となりますが、知識面ではそこに頂いたコメントがヒントになりました。

コンタックス、オールドレンズの焦点内外像を比較する
http://sstylery.blog.jp/archives/75584535.html

コメント欄より

いつの頃からか年輪状ボケが成形痕と思われているようですが 干渉により年輪になるのが本来の姿です、天体望遠鏡サイトを 見ておられるなら判るでしょうが焦点内外像には必ず年輪があります 成形痕を確かめるためにはシュリーレン撮影のような波長以下の 凹凸が検知できることが必要です 非球面を採用すると球面収差が劇的に補正されるためそれまで球面収差で年輪状の干渉パターンがボケていたのが鮮明になっただけです

まさに専門家の見地! 非球面レンズのボケに表れる年輪は成形痕ではないと!


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かつてのCarl Zeissはボケ(Bokeh)に無自覚だったという誤解

CONTAXが好きな人なら、ちらりと耳にしたことがあるかもしれないこの話。Carl Zeissはレンズ設計でボケをまったく意識していなかったというのは、なかなかに面白いエピソードなので自分の記事でもたまに使っています。

ただ、収差に詳しくなってくると、あれ? ちょっとこの話、多分に誤解が混じっているのでは?と思うようになりました。その誤解というか、かつての自分も含めた一般アマチュア層に薄く広まっているかもしれない思い込みを正してみようということで、いつものように怪しい考察のはじまりです。


Carl Zeiss「我々はアウトフォーカスの描写についても当然、認識しておった。当たり前だろう?」


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その辺写真の機材ブログ。画像と記事は時々整理、日付も変更。

お問い合わせ: ahocontaxmania@gmail.com

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*メインはCONTAXのZEISSレンズで、その他ROLLEI、HASSELBLADなど少々。レンズ構成ごとにページが分かれていて割と読み応えあり。ボディはなし。乱発され内容も薄かったこのシリーズの中で唯一面白かったZEISS本。作例よりも語り中心。


*おすすめ。文字の分量は少なめだが書いてあることは濃い。写真よし、記事よし、品よし。


*おすすめ。レンズ描写にテーマを絞っていて文章が読み応えあり。内容的には無難なレンズ本と濃厚なマニア本の中間あたりで、レンズの特徴はそれなりに出ています。いまいち売れなかったのは作例に面白味がないため。


*メーカーの公式本。たしか、MM時代のMTFデータとプロの作品とZEISS技術者のインタビューなど。メーカー発なので当たり障りのない内容、コレクター向け。定価4,000円くらいの豪華本だったので、それを目安に購入検討を。


*詳細なボディ解説で、たしかレンズはクローズアップされてなかったはず。あんまり記憶に残っていません。


*「季刊クラシックカメラ 10ツァイスTレンズの描写力、表現力」に解説を寄せている築地氏が書いているので兄弟本みたいな内容。平均以上の充実度ですが、割とあちこちに記事を書いている人なので内容が重複する印象あり。


*CONTAXレンズを数値評価でばっさり。当時のユーザーの情熱的な声とは対照的に、たいして褒められていないのが面白かったり。


*ネットの普及していない時代にこれだけ各レンズの特徴に深く言及した人はいませんでした。書いてあることはかなり的確ですが、今時のデータ主義とは違い当時の熱量をそのまま表した官能評価です。オールドレンズで有名な澤村氏の口調に似ているかも。ただし、カラーメーターを使い印刷にもこだわったその姿勢は雑誌作例をゆうに超えています。


*90年代クラカメブームの隠れた先駆者で、古今東西のレンズを一律で横並びに評価した記事は一部の人たちにじわじわと火をつけました。レンズの階調描写について水墨画の複写を例に出していたのは今にして思えばまさに的確。レンズ評そのものは淡泊なので、ネット時代に参考になるとしたら機材運用に対する現実的なものの見方でしょうか。


*Carl ZeissはPフィルターを嫌うようで、CONTAX時代もUVフィルターはマルチコーティング、Pフィルターはシングルコーティング=保護用だから撮影時には使うなよ(無言の圧力)みたいな感じでした。フィルターのT*にどこまで意味があるのかは分かりませんが拘る方はどこまでも突き進むべし!


*マルミ製リアキャップ。形は純正とは違います。今時はマウント変換後の他社用を使うのが常套でしょか。


*Planar 50mm f1.4はこの67mm金属フードに55-67ステップアップリングをかませると軽快かつほどほどの深さでベター。


*上記組み合わせの55-67ステップアップリング。


*中華アダプターやレンズフードの反射防止に。


*ここまでのクオリティがいるかはともかく、安心の国産アダプター。中国製を選ぶ方は確実な遠景撮影ができる代わりにミラー衝突の危険が高まることを承知の上で。宮元製作所の直販サイトの方が安いかも。


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